「宇宙兄弟」 | 雑踏に紛れて

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風の吹くまま、雲の赴くまま、常に過ぎ行く刹那、
闘うナルシスト、エゴイスト、ギタリスト、
日々の状態や思うがままの主観、

 

 

 

 

「宇宙兄弟」

 

99話。

 

ずーーっと気になってて、なんとなく機会があって見始めた。

ん?なに?めっちゃ面白いじゃん!ってハマったのはいいのだけれど。

 

こんなロングランとは思わなかった・・・💦

99話だなんて、すごいよ。

 

でも全然長さを感じなかった。

これはすごいこと。

うん、とてつもなくすごいこと。

 

いやぁ~、兄弟ってホンットいい!!

憧れる。

 

なんだか最近この人間らしさというか、

俗物でもいいのだ、とにかく直向きで、

カッコつけようにも、カッコつかない、そういう人間性。

 

本当に自分のことのように、共感してしまう。

「兄は常に弟の前をいっていなければならない」

うん、その気持ち、すごく分かるぞ!

なのに現実はそうじゃない。

 

うーむ、どうしてくれよう、この変なプライドを傷つけられ、

悔しさだけがいつまでも煮え切らずに、ぐずぐずしてる。

 

だけど自分の夢はやっぱり曲げられない。

紆余曲折右往左往して、それでも何とかかんとか、

リアルに食いついてゆく。

 

みっともなくっていい、醜く見えたっていい、

それでも前へ進みたいという欲求は止められない。

 

色んな葛藤がある。

過去のこと、現在のこと、未来のこと。

 

そうなんです、みっともないんですよ、この世の中にいる自分なんて。

それでいい、それでも全然問題ないんだ、ってメッセージは、

僕の心に見事に刺さった。

 

嫌なヤツ、好きになれないヤツ、どうしたって苦手なヤツ、

どこに行っても必ず現れる。

 

一癖も二癖もある人間、

実際、そんな人はどういう感じで生きているのか、

本気で気になるくらい、変なヤツ笑。

 

だって、自分だってそうだ。

何って、それが一番のワクチンであり特効薬なのだ。

それを知ることができるか否か。

 

これは地味でオタクでカッコつけたがりなのにカッコつかない、

一人の人間の物語なのに、どうしてこうも普遍的に見えるのだろう。

 

少なくとも僕にはとても他人事のようには見えないのだ。

何故って、主人公ムッタはスーパーマンじゃないから。

 

誰もがスーパーマンじゃない。

当たり前だ。

 

凡人がいるから、非凡な人が目立つし、スーパーマンが出来上がる。

でもね、物語の主人公はスーパーマンじゃなくたっていい。

 

そういうことなんだよ、僕はなんだか目からウロコ状態になってしまったのだ。

努力すれば認められる、それは報われることなんだ、って、

そういうメッセージだけじゃなくて、自分は自分であり続けることの方が、

ずっと大事じゃないかって、僕はそう思ったのだ。

 

なんだろう、こんなに勇気をもらえた、見つけられた、

そんな素晴らしい作品だった。

 

99話観るのは実際エライ時間がかかったけれど、

僕にはバイブルにも匹敵する何とも響いた傑作の一つとなった。

 

兄弟って、こんなにも美しいのだ。

すげぇ、って素直に思う。

 

うだつの上がらない兄貴は、最終的に立派に生きていくんだろうけど、

そこがゴールではない。

そういうんじゃないのだ。

 

僕には決して真似できないけれど、

真似する必要性もなければ、真似しようと思うことすら必要ない。

 

僕が僕であることに自信を持てればそれだけでいいのだ。

きっと、そんなメッセージだったと僕は受け取り、

そしてそれが正しいとか間違っているとか、

そんなことすらどうでもいい境地に立つことが出来た。

 

見終わってしまうと、ロスになる・・・。

うん、まだまだ続いてほしかった。

 

でも、やっぱりすごーく納得のいく終わりで、

名残惜しくも、やられたぁ、って感じになったのは秘密。

 

宇宙か。

宇宙は大好きだし、宇宙が題材ならもうそれだけで!

とは思うのだけれど、これは宇宙飛行士の話なのだ。

 

最初、ちょっとビックリする。

宇宙飛行士なんて、とんでもない世界。

 

ちょっとやそっとじゃ近づけない、それこそスーパーマンの世界。

なのに、そこに主人公ムッタは果敢に挑む。

 

事実として、僕には絶対に、そう絶対に不可能な世界。

人生の中に宇宙飛行士になる、なんて幻想は一度も持ったことがない。

 

しかしだよ、挑むんだ、これが。

このどうしようもなくダメな感じの兄貴が。うん。

 

この人間味あふれる素材というか、

そういうのって、殺伐とした中では救いとなるのかも知れない。

 

きっと雁字搦めの優等生達の中で、

ひとりふっつーの感覚を持ち合わせ、

それでいて温かい何か不思議な魅力。

 

これなら僕でもなんとかやっていけるんじゃないか、って、

そんな気持ちにさせちゃうのだ、

 

なんかね、僕はもう宇宙飛行士になってしまったような気がする。

なれるわけないけど、なれた気がするのだ。

 

疑似体験とかそうじゃなくて、

人としての気質というか、変なコダワリやマジメさ、

そういうのだけで、人は生きていくことができるのだ、ってこと。

 

思わぬところに金字塔はあったんだ。

だから僕は生きていこうと思う。

 

だって、それでいいんだって、ちゃんと言ってくれた。

自分は自分だけの道を行けばそれで十分なんだって。

 

すげーな、宇宙兄弟。

甘く見てたぜ・・w

 

 

 

 

さ、多分今日は宇宙飛行士の夢を見る。

もう確実だ。