久保田利伸 / TIMEシャワーに射たれて(’86) | The Extended

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2013年にリリースされた80's 12インチ・シングル・ディスク・ガイド「The extended」。そのブログ版。以前は洋楽中心でしたが今回は邦楽を中心に、各アーティストの初12インチ・シングルを紹介していきます。何卒、よろしくお願い致します。

2013年にリリースされた80's 12インチ・シングル・ディスク・ガイド「The extended」。そのブログ版を再開します。以前は洋楽中心でしたが今回は邦楽を中心に、各アーティストの初12インチ・シングルを紹介していきたいと思います。何卒、よろしくお願い致します。

 

 

久保田利伸 / TIMEシャワーに射たれて(’86)

A面 TIMEシャワーに射たれて…

B面 流星のサドル (Dub Version)

B面   TIMEシャワーに射たれて… (Dance Remix)

作詞:川村真澄、作曲:久保田利伸、編曲:杉山卓夫

 

86年の時点で一番アメリカのアーバンなブラック・ミュージックに近かったのは誰なのか?!思いつくだけでも、山下達郎、角松敏生、バブルガム・ブラザース、、、いわゆるブラック・ミュージックをルーツのひとつとしたサウンド・プロダクションを聴かせてくれるアーティストということになるのだが、久保田利伸もそのひとりだろう。

 

当時、アメリカのポップ・シーンを牽引していたのはアーバンなブラック・ミュージックだ。それは、アメリカの都会から生み出された打ち込みのマシン・ファンクやエレクトロ、ヒップホップだった。それらのサウンド・プロダクションにトライしたのが、このファースト12インチ・シングルのB1〜B2(B2では果敢にラップに挑戦している)だ。当時、こんなタフな打ち込みビートを出すアーティストは限られていたはず。しかも、全てのポップ・ミュージックにディスコ〜ダンス・ミュージックという魔法をかけるDJホンダ、DJコー、三好史らによるJG'sにリミックスを依頼している。つまり、アメリカ本国でリリースされている12インチ・シングルのフォーマットを研究し、ポップなオリジナル・ヴァージョンに対し、DJプレイ用にダンス・ヴァージョンを収録するという正しいパッケージに仕上げたということ。当時の国産12インチ・シングルは、フォーマットだけを利用しリミックスなどのヴァージョンが収録されていないただのシングル盤扱いのリリースがまだまだ多かった。こういうところをみても、久保田利伸とそのブレインは本気でアメリカのアーバンなブラック・ミュージックに追いつけ追い越せで自身のサウンド・プロダクションを追求していたことがわかるし、のちにアメリカへ活動の拠点を移したことも必然ではなかったか。