AUGUST 24, 1985 | The Extended

The Extended

2013年にリリースされた80's 12インチ・シングル・ディスク・ガイド「The extended」。そのブログ版。以前は洋楽中心でしたが今回は邦楽を中心に、各アーティストの初12インチ・シングルを紹介していきます。何卒、よろしくお願い致します。

1985/Billboard Dance club chart No.1

 

80年代を象徴するアーティストは人それぞれ。

個人的にそのひとつと言えるアーティストが

このティアーズ・フォー・ティアーズだ。

彼らの象徴(※)とも言える楽曲が「Shout」。

 

※心理学者アーサー・ヤノフの著書

「原初からの叫び(The Primal Scream)」に

登場する章題からそのまま取られている。

 

 

 

直訳すれば「恐れのための涙」。

ヤノフの提唱した心理療法である原初療法

(ジョン・レノンらも受けたと伝えられる)は

「恐怖や心の痛み(Pain)を心にしまわないで、

子供のように声に出して叫べ(Shout)、泣け」

というもの。(wikiより)

 

 

初期のU2もそうだけど、ルックスは地味。

PVも際立ったことはなにもしていない。

あれだけ煌びやかだった時代なのにだ。

 

でも、当時のトレンドを押さえた重厚なゲート

リヴァーヴ的なドラム・サウンド、煌びやかなメロディー、

艶やかな歌声。そこはとない反核を含んだ歌詞でもって

「Shout」は全英全米1位を獲得した。

この楽曲は完成までに4ヵ月を費やしたらしい。

 

 

シングル・リリースについてもポップ・マーケットは

もちろん、ダンス・ミュージック・マーケットを視野にいれ、

Extended Remix Version、UK Remix、US Remix、

Dub Mixといった複数のヴァージョンを用意した。

しかも、2ミックス・マスターのextended versionではなく、

マルチ・トラックを使ったRe-mix(再ミックス)なので、

オリジナルとは違ったヴァージョンが楽しめる仕掛けに

なっている。

 

 

UK Remixの長尺ヴァージョン。オリジナルとはイントロから

違っているし細かいギミックが挿入され間奏が拡張されている。

3分30秒以降と5分以降にブレイクあり。

 

 

UK Remixは、プロデューサーのChris Hughesが担当。

 

US Remixは、当時USAで数々のextendedやRe-mix

を手掛けていたSteve Thompson&Michael Barbieroが担当。

イントロのドラム部分を拡張、ウワモノを排除したシンプルな

ヴァージョンに仕上げた。5分以降の急にドラムがハネだす

ブレイクが秀逸。

 

 

US RemixのDub Version

 

 

日本語訳の入ったヴァージョンも貼っておきます。

 

歌詞についてメンバーのローランド・オーバザルは、

「2つの解釈がある」と話している。「まず、わかりやすい方

は社会やら何やらで起きていて、それに自分が迷惑していること

を声を出して言おう、というもの。

 

もうひとつは英国にに米国の核兵器を配備しようという

動きがあって、それに対する反論の叫びだね。実際、この問題

では僕らイギリス人は本当に脅えているんだから」。

 

 

Sampled:Shout for England

/Dizzee Rascal&James Corden(2010)

 

 

 

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