先日骨盤体操の先生がさとう式の講習会にいらっしゃいました。

骨盤が少しずれていました。

でもそれで良いのです。骨盤体操の教室の先生達は多くの場合骨盤をそろえすぎて

腰なり首などを痛めています。その先生は多分そろえすぎてはいけないことを

身体で感じていたのでしょう。



骨盤調整 脊椎の調整 噛み合わせの調整というと多くの場合人間が勝手につくった

理想のアーチや姿勢やフォームに近づけていきます。

だるま落としのだるまと同じで人間の身体はズレに対してズレで対応します。

それがバランスです。


だるま落としの頭がずれていたらバランスをとるように身体もS字にまがります。

大きなズレは補正すると楽になりますが 最終的には小さなずれはのこります。


頭のずれが少しあるのに身体が全て真直ぐになると重心はずれつづけます。

実はこのずれは力学的モーメントが大きく大きな負荷につながります。

人間の身体には遊びが必要なのです。

我々の目的は背骨や骨盤を物理的に戻す事ではなく。

骨盤や背骨が変形や変位させられている応力をとりのぞき

正しくもどろうという応力にによって骨や筋の変形や変位をとりバランスを取るのです。


少々のずれまで筋力で補正したり外力でそろえてしまうのは問題です。

大まかなずれは筋力の補正や外力でそろえても良いのです。


骨盤体操の先生やヨガの先生は腰痛や肩こりの人が非常に多い。

バレーダンサーも熊川哲也も草刈民代も腰痛持ちですね。

ヨガでも骨盤体操でもバレーでもある程度は(生徒さん)は腰痛などは

どんどん減っていくのです。皮肉にも多くの先生達はどんどん悪くなっていく。

先日みえた骨盤体操の先生のようにそれを肌で感じている人は

悪くはならない。



我々はズレを治したいのではなく 骨盤にかかる悪影響を取除きたいのです。

ですから骨盤に外力をかけることはしません。だから揉まないのです。

ですからその骨盤調整の先生の骨盤のずれも「勝手に」少なくなりました。


その骨盤教室の先生が さとう式を正しく理解したかどうかはわかりません。

骨盤矯正にかんしてライバル心をもやして

「もっと自分の手法を磨かなければ」とおもったら最悪です。

揃えることが目的ではありませんからね。


同じことで

理想の咬合を求めることには大きなリスクがあるのです。


大きなズレは補正したほうが良いですあ小さなずれはむしろ残しておいた

ほうが良いと考えています。

理想の体型 頸椎のアーチ 咬合 フォーム 骨盤 なんて人間が勝手につくった幻想にすぎませんから。

その人にとって理想でも他の人には理想にはなりません。


筋の圧痛点を探しながら咬合をさぐるのも

確かに一つのアプローチではあります。でも逆に圧痛点をとることができれば

咬合をさわらなくても良いというアプローチもあるはずです。

問題は身体全体のバランスが悪くなっているということで

歪みが顎関節なり圧痛点なり出ているということです。

痛みは危険信号なので とれば良いというものではありません。

全体のバランスがとれるように常に意識する必要があります。

これも「姿勢を良くする」のと勘違いしがちです。


背筋をはって胸を開いて『力をいれて』姿勢を良くするのではなく

「力をぬいて」バランスをとって姿勢を改善していく必要があります。


前者は食いしばりの原因になり 後者は食いしばりの予防になります。



若い先生への提言

どうか平衡側の4番5番の近心内斜面の干渉はとらないで下さい。
これをとると一時的に劇的に筋が緩みます。
しかしこれは患側に顎が変位しないためのストッパーで
一時的に顎がフリーになって筋がゆるむだけで患側に顎が変位し顎関節症が
悪化する可能性が極めて高いのです。
平衡側の干渉は無いのが理想です。でも必要がああって干渉ができているのです。