洋裁本には出ていないようなことを中心に掲載させていただいています。
2⃣では、生地の選び方が中心です。
今回は、2⃣ー1として…
私の専門学校の時に作った服2点をご紹介しながら学んでいきたいと思います。
何気なく直感で選びがちな生地選び、失敗するといくらデザインが良くても回復不可能。
気に入った生地が最初にあってそれに合うデザインを考える場合もあるわけですが、いずれにしても、生地の持つ特徴を把握してデザインの魅力を引き出すようにしたいものです
★前回1⃣では、薄地でつくるロマンティック調とカジュアル感のあるフォーク調を60s70s音楽と重ね合わせてご紹介したしました。
↑見ておられない方はこちら…
どんな生地がいいの❓
①目の錯覚
②ここで服の2つの写真を使って説明いたします

例1)大きな千鳥格子で作った場合(ウール素材)

2⃣この写真は私が専門学校の時に作ったツーピースでボディは標準サイズですが…
<生地の特徴>
<デザイン>
衿幅大きめのテーラードのボレロにハイウエストタイプのフレアースカートのジュニア向けツーピース
<素材>
かなり肉厚で目の粗いウール。衿とハイウエストベルト部分2重になっているうえに縫い代もあってかなり厚みがある。色も原色の赤が入っていてよけいに太く見え、ふんわりもこもことした感じ
ガリガリの細い人でもぽっちゃり型に見えてきますね
例2)レーヨンとポリエステルの混紡で作ったロングコート
□こちらも、私が専門学校の時に作ったものです。
<生地の特徴>
・生地に落ち感があるので体に吸い付く感じで細く見える
・シルクのような光沢がありソフトな感じに仕上がるが、毛玉ができやすい
・生地の個性→光沢があるものの黒でもグレー寄りなので安っぽさがある
・柔らかい生地&アイロンがききやすいので衿やカフスの角丸に対応しやすい
<デザイン>
Aラインに流れる感じのシルエットです。袖口と裾のフリル(ケミカルレース)がそれを強調しています。
<素材>
裾にかけて広がったデザインなので、これをデニムで作ったとしたら、身幅も大きくなり、裾ではピンとはねて横に広がってしまい、フレアーもきれいに出なくなるでしょう。
身生地のグレーっぽい黒と、レースの濃い黒のコントラストで個性的な感じに仕上がっている。
ほうきに乗って空を飛ぶ魔法使いのイメージです。ひらひらと風になびきそうですね
本日のまとめ
2つの素材の例をあげさせていただきました。服作りの上達法といえば、とにかく経験を積むこと。様々な例があるので、多くのパターンを知ることです。
本日の内容は当時の私が自分で作った後に出した結果ともいえます。専門学校の時に作った服なのです…ということは、本日お伝えした多くは、その時得た知識なのです。
写真ではわかりにくいですが、布が引き連れまくってとても縫製が下手なのですよー
パターン力もまだまだですが、学べることは盛りだくさん
何か一つ作れば、多くの学びにつながります。
・パターン通りに縫っても、サイズ通りにいかないことがわかる
・アイロンがきく生地ときかない生地があることがわかる
・縫いにくい生地と縫いやすい生地がわかってくる
・失敗してほどきの繰り返しでだんだんとコツをつかんでいく
・ミシンに慣れる
・自分の引いた2次元の線や点の位置が着用時にどうなるか感覚として体験できる
(反省点が沢山あればあるほど伸びる)
など…
あまりに多くの知識が必要になるので、パターンを引きながら、縫製しながら、理屈を一個一個思い出している時間はありません。ですが大丈夫です、経験を積み重ねていくことによって、考えなくても手が動くようになります。
理屈を本で学ぶこと、教室に通って学ぶことも大事ですが、実際作って手を動かして感覚で覚える事はとても重要です。
逆を言えば、その努力をしない人は、いくらお金を払って勉強してもなかなか思うように服作りできません。
「自転車に乗れるようになるには、人から知識を教えてもらうだけでは無理ですよね。実際に道で自転車に乗る練習をしないことには乗れるようにはなりません」
本日は2素材ご紹介しましたが、生地が変わるだけで、こんなにも生地の個性・印象・特徴が変わってきます。結果はどうあれ、沢山作って経験を重ねることは大切なポイントとなります
では、今回はここまでです、
服をこれから学びたい人のために少しでもお役に立てればうれしいです。
次回をお楽しみに…🙇