本日は素材のお話です。
大きなくくりで言えば、ニット(カットソー)と布帛つまり伸縮性のある生地とほとんどない生地その2種類に分けられます。
今回は布帛について…
古本を見ていましたら、面白い記事を見つけました
↑これは、昭和44年(1969年)発行(夏の号)荘苑からの切り抜きです。
当時独特の香りプンプンの表現、私なりの感覚で深く堀り下げてみました。
・ロマンティック⇒薄手でさらさらゆるゆるで扱いにくい…薄手の化繊やボイルなど…
・フォーク⇒薄手~中肉張りコシがあって扱いやすい…綿(または綿+化繊)やウールなど…
手作り感のある時代のレトロなデザインを味わいながら、それぞれの生地の特徴を学んでいきましょう
中級者向けのロマンティック調
私がロマンティックと聞いて想像するのは、デビットボウイやドアーズのボーカルのジム・モリソン、日本ではショーケン・王子様的イメージで男性が着る「フリルのブラウス」「パフスリーブのドレープ感」「女性的なプリント柄」
↑モノクロの時代はまだ控えめなフリルのブラウスですが、よく見ると全員が着用されています
そして、ゴールディ・ホーンのピンクのゴージャスフリルのブラウス。
1969年 Cactus Flower
写真ではエレガントな感じですが、動画を見ると、当時の大人に反抗する若者たちヒッピーカルチャーが垣間見れます。
メリーポピンズは1964年制作の映画でクラッシックなレトロ感がありますが、この流れを引き継いているものの、高級感の一部だけは保ちつつ、かたっ苦しさを(身分制度・封建社会・性差別・女性の解放…)捨て去ろうとするカジュアルなロマンティックが1969年~にあるような気がします。
ロマンティック調は私も好きで縫ってみたこともありますが、かわいいし綺麗ではあるものの、テクニックを必要とするので中級者向きになります。
フリルやドレープ、ギャザーや流れるような落ち感を表現するには、ジョーゼットやポリエステルなどの薄手素材が最適。その辺になると縫いずれや縫い縮みなどによるシワが発生してもアイロンで消す(ごまかす)ことは難しいので、美しく仕上げるにはかなり神経を使います。
極薄の素材であれば2つ折りでフリルという手もありますが、一枚仕立てでフリルの場合だと、縫い代の始末がいるので、生地端をメロウミシンで縫うか三巻きでステッチをかけるか、いろいろと高度なテクニック、特殊ミシンも必要となってきます。
カチッとしたフォーク調は初心者向け
荘苑様の言われる、フォーク調というのは、↑ここから来ているのか?はっきりとはわかりませんが、クラッシック時代からロック時代への繋ぎにあるようなフォーク。
上品なクラッシック系の落ち着いた高級感とは真逆のラフでカジュアルなスタイルを指していると思われます。しわを楽しむ洗いざらしのカジュアル感、ジャケットはノーネクタイでカチッと。
デニムや綿が基本、ワンピースやスカートも落ち感のあるドレッシーな素材というより、アイロンが利きやすく、形も作りやすい初心者向けのスタイル。
オフィスにも着て行けそうな、日本人向けにアレンジされた「夏の通勤着」、今回参考にさせていただいた雑誌を一通り見ていたら「フォーク調とは…」そんなイメージと私は解釈させていただきました
素材の特徴は…?、極端な言い方で言いますと…
ロマンティックがティッシュ
で
フォークがコピー用紙
そんな感じでしょうか…
コピー用紙は形をつくりやすいですが、ティッシュだと気を付けないとすぐ破れてしまいそうだし指がつりそうですよね、布なのでボイルのような生地でない限り破れないですが、まっすぐ縫いにくいし、2枚を合わせながら縫ってもずれてしまいそうになります…
本日のまとめ
縫いずれ等がもろ形に現れる化繊より、初心者の間はフォーク調がおすすめ…
せっかく始めた服作り、最初の失敗で嫌にならないよう、簡単でかつ着やすいものから始めたいものです。
~昭和44年~に流行った若者から発生した文化には、奥深いものが隠されています。これを機会に是非もっと調べていただきたいです。その後、流行は目まぐるしく展開されていきました。ずっとそれを見つめていましたが、どの時代を経ていても、服に限らず音楽とともに、この時代の文化はいつも新鮮です。
今の時代によみがえらせるとしたら、どんな形がいいのでしょうね
本日はここまで!
続きは次回となります🙇