『鷺娘』
@日生劇場
超 念 願・菊さんの『鷺娘』デビュー戦。
遂に、この日が来た。
見果てぬ夢よセピア色の化石ともなれ(嬉号泣シトワイヤンアンドレ)
まさにそんな気分です。
◆
『鷺娘』は、
私が生まれて初めて観た歌舞伎公演の演目の一つでした。
玉三郎丈による鷺娘、何としてでも観せたい!
と祖母がチケット手配してくれました。
傘の使い方、使い分けに感銘を受けた。
それから10年以上が経ち、
再び玉さまの鷺を観たのが7年前。
直接舞台で観たのはたったこれだけですが、
DVDで何度も観ていたので、
舞台の記憶も重なりかなり染み付いている。
いよいよ、
大好きな菊さんが踊る。
静謐で、神聖な作品。
出の白無垢に、
「だらりと垂れた黒い帯が、飛ぶ事を止めてしまった鳥の羽根の様だ」
というガイドの表現に感嘆。
直前の菊さんというと、
三月に観た松山太夫でしたが、
この時にも思ったのだが、
菊さんは「人間ではない役」がとても自然に見える。
亡霊とか妖精とか妖怪とか
人間でも妖術遣いとか。
数年前にストプレで亡霊の役を演られた事があり、
この時は
普通に生きている人間と喋ったりコントしたり喧嘩したりする人間味溢れるキャラクターでしたが、
随所に「人ならぬもの」らしい雰囲気、幽玄さを漂わせていて。
衣裳の使い方だとか。
私が勝手にそう解釈していただけかもしれませんが。
この度は初役ということもあり、少々慎重さが伺えたりもしたのですが(何様)、
傘を立てる時にちょっと男らしい力のベクトルが見えたり(ギャップ萌)、
袂捌き?がやはり綺麗で、何度も息が止まりそうだった。
これからも、
何度でも挑んでいって欲しいです。
何度でも観たいです。
◆
この日の公演は日生劇場のファミリーフェスティバルの一環で、
客席の半分以上が小学低学年くらいの子供だったのですが、
それにしてもこんな多感な時期に、
よりによって菊さんの鷺の精が観れたなんて、
この子たちは何てしあわせなのだろうと。
これを期に歌舞伎ファンになれ!役者を目指せ!とは言わんが、
何かしら感性に響いていてくれたら嬉しい。
