開演すると、
水さんが! とか
SUGIちゃんが! とか、
当初の楽しみだったり嬉しさ、期待はどこかへ飛んでしまって、
ひたすら舞台から発せられる音、言葉、感情、それから空間に釘付けだった。
それらを追うのに夢中だった。
いつもの様に、
所謂「観劇レポート」の様なものは、
多分、
今、直ぐには書けないと思う。
一言で言うと「言葉攻め」。
だが厭な感触はしない。
一言一言がとても心に残る、素敵な台詞。
こういうのは嫌いじゃない。
ストレートプレイ(ほぼ)の醍醐味だ。
勿論、
すべてを理解、消化しきれた訳ではないが(たまに、単純に聴き辛い時があり。汗)、
テーマが非常に普遍的なものなので、
聴けば聴くほど嵌るし、
興味は途切れない、
考えなくとも「入って」くる台詞。世界観。
例えば『暴食』。
ユディット「食べ続ける事が『快楽』だから?」
どっきーん(冷汗。←心当たりがありすぎる)。
つまり、そういうことなのだなと。
愚かな人間は罪から逃れられない。
欲から逃れられない。
劇中でも語られていたが、
しかしその愚かさこそが人間らしさでもあると。
「時」の象徴とも思える雨漏り(違)の雫も、その音も、
その池を覗き込む其々の動作、表情も、
実に意味深長で効果的だった。
休憩無しという構成も大正解だったと思う。
(作品によっては休憩乃ち「区切り」を入れる事、箇所によって解釈が変わってくると思うので。
「休憩」って、文字通りの休憩ではないんだよね。)
カーテンコールで漸く我に返る。
公爵さまもすっかり、
中の人・宇宙になっておられた。
水さんは相変わらず、
隅々までマルカートしていってくれた。
席が席だったので、
水→杉→水→杉→水→杉→水・交互大接近の策。
ちーん(昇天)。
我にとっては至福過ぎるカーテンコールのせいで
至高の二時間がうっかり昇華しそうだったが。
この作品の意図、感じたこと、この熱を、
この先も噛み締めてゆこうと思う。
忘れたくないと思う。
久し振りに、
強烈な作品に出逢えた(感謝)。
