第1 429条1項の責任
本問ではすでに新株発行が行われている。手続的な瑕疵は原則として新株発行無効事由にあたらない。事後的な責任追及として429条1項の責任を追及することが考えられる。
1 法的性質
会社の業務執行が取締役に依存することから法が特に課した法的責任
2 任務懈怠について故意または重過失
法令違反:特に有利な金額(201条1項、199条3項)であるにもかかわらず株主総会の決議を欠いている違法。特に有利な金額=公正な市場価格より著しく低い価格をいい、市場価格より10%以上低ければこれにあたる。本件:わずか5%であり特に有利な金額といえる。また重過失ありといえる。
3 第三者
第三者には株主Bを含む。
4 損害、因果関係
株価は大幅に下落した。これは新株発行によるものであり因果関係ありといえる。
第2 新株発行の公示がされていなかった場合
公示は株主に対し新株発行差し止め請求権(210条)行使の機会を与えるためであり、これを欠くことは重大な瑕疵であり無効事由に該当する
本件:法令違反(210条1号)があるにもかかわらず差し止め請求権が行使できなかった→新株発行無効の訴え(828条2号)を提起できる