民主党の枝野幸男幹事長は10日、産経新聞などのインタビューに答え、小沢一郎前幹事長が意欲を示していた永住外国人への地方参政権(選挙権)付与法案について「日本の場合は(有事の際などに)地方が国の下請けをやらされ国益にかかわる部分がある。丁寧に整理すべきで拙速にできない」と述べ、時間をかけて検討する姿勢を示した。
小沢氏が進めた参院選の改選2以上の選挙区での複数候補の擁立に関しては「現時点の情勢分析では(見直しを)やらなくても済む」と述べた。菅政権発足で支持率が上昇したため、民主党候補が共倒れする可能性は低くなったと判断したとみられる。
小沢氏については「歴史が転換するときには幾つかのタイプの傑出したリーダーが相次いで登場し時代が変わる。その役割を記録されるような方の1人だろう」と評価した。
新執行部が小沢氏の影響力排除を進めたことが支持率上昇につながっているとの見方については「脱何とかというより、(有権者からの)政治を変えてほしい、もう一度だけチャンスをやるという思いだと受けとめている」と述べた。
参院選の獲得目標議席については「全員当選に全力を挙げる立場で申し上げにくい。情においては現職候補にまず帰ってきてほしい」と述べるにとどめた。
前執行部が党の方針に反発したなどの理由から静岡県連などへの活動費を停止した問題については「横並びにする」と復活させる意向を示したうえで、「選挙情勢や活動状況に応じて傾斜配分する」とも語った。
一方、衆参両院に設置された憲法審査会が一度も開かれず、民主党の消極姿勢で参院では審査会規程も決まっていない状況については「違法状態とは思っていないが、不自然な状態であることは間違いない」と認めた。そのうえで「党の考え方について議論を始めるタイミングだ」と述べ、党内に検討機関を設置したいとの考えを示した。
国会議員定数の削減などに関しては、参院選後に各党間協議を呼びかける意向を表明した。
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