近くで便利♪<農園レストラン・セイヴォリー>
ネイルサロン<A bientot
>のサインに使うイラストの打ち合わせを兼ねて、、、
ランチ
は、ご町内の<農園レストラン・セイヴォリー>で。
デザート、、、フルーツパフェ![]()
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、、、とっても小さいトマト付き、、、
屋上農園から見えるのは、建設中のハイクラスマンション![]()
この 20年あまりで、うちの近くに、、もう、、、どれだけ沢山のマンションが出来たことか、、、
旅館や呉服屋さんの廃業で、跡地がマンションになり、街はどんどん変わって来ました。
学童減少に伴い、5校 ⇒ 1佼 になって、何とか生徒数 300人になったのは 24年前。
それでも 10年も経てば、またまた数十人に減る、、、という予想でした。
ところが 『新しくて素晴らしい小学校が出来た
』 を売り文句に、マンションが売り出され、若い入居者が増え、、、
今、教室に入りきれない数百人の児童は分校に通っているとか、、、
廃校になった小学校を建て直すのかしら、、、
このマンションからは、うちのリヴィングも見下ろされてしまう
、、、多分。
でも、街がキレイになり、新旧の良いモノが適切に残され、管理され、大切に扱われ、、、何よりも子供たちを大切にする、、、のに反対ではありません。
: ねえ、、、ママ、、、いつも抱っこしてくれてアリガト、、、
章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編・その8・最終話
章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編
― その1 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12177505238.html
― その2 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12177819913.html
― その3 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12178097634.html
― その4 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12178695471.html
― その5 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12178760349.html
― その6 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12179181323.html
― その7 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12179325940.html
― その8・最終話 ―
業者にすすめられて、ソファーに掛けた、、、
南向きのベランダから射す冬の日差しが、リヴィングの奥深くまで届き、章子を柔らかに包み始める、、、
直人と過ごした日々の記憶が、ゆっくりと戻ってくる、、、
素子のウェディングパーティー、、、大学生になっていた直人、、、
月明かりのリヴィングで過ごした、初めての夜、、、香織の死、、、
琵琶湖一周のドライヴ、、、直人の涙、、、
カーテン越しに斜めに差し込む夕日の筋、、、オレンジ色に染まった二人、、、
章子のバスローブを羽織り、窮屈そうに笑う直人、、、
長い梅雨の日々、、、
真辺の許に発つ前の数日間、、、あんなにも優しく愛しみあった、、、
最後の日、、、直人は空が明ける前に、そっとベッドを離れ、、、出て行った、、、
ドアーが閉まり、、、
一人残された章子は、じっと眼を閉じたまま、、、動かなかった。
これでいい、、、どうにもならないことは誰にでもあるもの、、、
胸の中で、そうつぶやいた、、、18年前の章子。
慌ててドアーに向かって行った業者が、直ぐに折り返して来て、章子に言った。
「お客様、オーナー様がお見えになりました。直接お話しされたいそうです。
私どもは今日はこれで失礼いたしますので、よろしくお願いいたします。」
柔らかな日差しの中の章子、、、涙がこぼれそうになる、、、
ベランダの外に眼を留めたまま、、、動けない、、、
陽の光を受けた、近くの神社の森の木々の葉が、、、きらきら、、、と揺れる、、、
章子の背中に、、、懐かしい声が、、、
「お帰りなさい、、、章子さん、、、

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、、、完。
章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編・その7
章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編
― その1 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12177505238.html
― その2 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12177819913.html
― その3 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12178097634.html
― その4 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12178695471.html
― その5 ー
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12178760349.html
― その6 ー
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12179181323.html
― その7 ー
12年前、直人はハワイからロスアンジェルス営業所に移っていた。
その年のクリスマス休暇に自由が丘に訪れた彼は、章子がマンションを手放した事を聞かされた。
彼女の母が病死し、真辺とパリで永住する決心をしたからからだと、、、
章子について耳にしたのは、彼女と別れて以来、初めてのことだった。
彼は例年どおり、素子の家族とクリスマスを過ごし、大晦日には京都の実家に向かい、両親と共に正月を祝った。
その月の中旬に入ると直ぐに、不動産業者に問い合わせた。
誰にも言わず、自らを急かすかのように、章子が手放したマンションの売買契約をした。
家具類の全てが残されたままの部屋、、、
そこは直人にとって、二度と足を踏み入れることの無い筈の場所、、、だった。
パリ永住の決心をし、発ち去った章子、、、
そして、彼女と過ごしたその部屋に戻った直人、、、
章子との別れのあと、何度も新しい女性に出会い恋をした。
その度に、章子への想いが直人を苦しめた。
胸の内から章子を消し去るのは、まだ 30歳前の直人には不可能だった。
リヴィングのカーテン越しに、近くの神社の森が見える、、、
、、、もう章子を忘れるのを諦めよう、、、ごく自然に、そう思った。
そう思うと、心が軽くなった。
それから12年、真辺を亡くし章子が京都に帰ってきているのを知ったのは、数日前。
自由が丘で、素子から聞かされた。
同時に、不動産業者からの電話で、京都のマンションの売買の話を聞いた。
元の持ち主が買い戻したい、、、と。
マンションの現オーナーが誰であるかなど、章子はもちろん、素子も実家の両親も知ってはいない。
クリスマスイヴの朝、彼は京都に向かう新幹線に乗った。
列車がトンネルに入った。
ガラス窓に映る、、、40歳の直人。
章子への想いは、直人の胸の内で 18年の時を刻むことなく留まっている。
ゆっくりと時を巻き戻す、、、
章子と過ごした日々の記憶が、直人の胸につかえるように迫ってきた。

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、、、つづく、、、![]()
章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編・その6
章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編
― その1 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12177505238.html
― その2 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12177819913.html
― その3 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12178097634.html
― その4 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12178695471.html
― その5 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12178760349.html
― その6 ―
翌 24日正午過ぎ、章子は業者と共に北区のマンションに向かった。
12年も前に手放したマンション、、、どんな風に変わっているかしら、、、
不安を抱えながら、業者の後に続いて部屋に入った。
え、、、どういうことかしら、、、12年前、この部屋を後にした時と殆ど変っていない。
水回りと空調設備は新しいものになっていたが、間取りはそのまま、、、
リビングのソファーや寝室のベッドは、章子が残していったものが、、、
カーテンやベッドカヴァー、タオル類はダンディーなモノがセットされているが、キッチンの食器類は、やはり章子が残していったもの、、、
章子が住んでいた時もそうであったが、装飾性の強いものは全くなく、この部屋を出て行った時と何も変わってはいない。
驚いたのは、土足のスタイルもそのままだった。
唖然とする章子に、業者が言った。
「あの、、、当時、私どもに処分を託されました家具類でございますが、、、
新しいオーナー様にお部屋を見ていただいたところ、、、
そのままお使いになりたいと仰いまして、、、」
気まり悪そうな顔をして俯き、、、再び言葉を続けた。
「オーナー様は海外生活をされているそうです。
此処には 12月末から 1ヵ月程しか滞在されないそうです。
いつもなら大晦日に帰ってこられるのを、今回は売買のことがありますので、、、
もう間もなくお着きになるかと、、、」

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、、、つづく、、、![]()
章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編・その5
章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編
― その1 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12177505238.html
― その2 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12177819913.html
― その3 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12178097634.html
― その4 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12178695471.html
― その5 ―
パリからの荷物を置いているワンルームマンションから、近くのホテルに移った章子は、2週間の宿泊予約をした。
12年前、北区のマンションを買い取った不動産業者に連絡し、買い戻したいと伝えた。
業者によると、章子から買い取った翌年に買い手が付いたという。
仲介料を期待した業者は即日、彼女の要望を相手に伝えた。
返事は、まだ無い、、、
売りに出ていない物件に対して、相手の意思を無視した強引な取引であるのは解かっている。
章子は、ただ、、、待つことにした。
北区のマンションを買い戻そう、、、パリを後にした時から僅かにあったその思い、、、
京都に帰った今はもう、そこにしか自分の居場所は考えられなくなった。
18年前、そこで章子は直人と過ごした。
パリに居ても章子の胸には常に、真辺と同一人物としての直人が宿っていた。
しかし、真辺の他界と共に、直人への想いも去っていた。
章子は、ごく自然に、、、そう感じている、、、
直人は海外に住居を構え、京都に戻り呉服屋を継ぐことは無い。
素子から、そう聞かされている。
今の直人は 18年前の彼ではない、、、
ただ、、、章子の居場所は、北区のマンション、、、そこにしかないのだ。
今、彼女の胸は、冬のパリの硬く冷たい空気に占めらている。
それを解きほぐしてくれるのは、そこしかない、、、
12月23日、忘年会を兼ねたクリスマスパーティーを楽しんだ若者たちが、ロビーを占領している。
それを避けて章子は、ルームサービスの簡単な夕食を済ませた。
ホテルの宿泊は、更に 1週間伸ばしている。
9時を過ぎた時、業者からの電話が、、、
「夜遅くに申し訳ございません。 たった今、先方様からご連絡がありまして、、、
急な事なのですが、明日の午後そうそうにお部屋に入る許可を頂きました。
お部屋をご覧になっていただきたいとのことです。」

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、、、つづく、、、![]()
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章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編・その4
章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編
― その1 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12177505238.html
― その2 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12177819913.html
― その3 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12178097634.html
― その4 ―
素子の 8歳年下の弟直人は、両親の呉服屋を継がなかった。
大学卒業後、彼は東京の大手旅行会社に入り、そこで 2年間勤めた。
外国人旅行者の担当だった。
3年目から、シンガポール営業所に勤務。
その後は、ハワイ、、、ロス、、、からニューヨークに移っている。
ニューヨークではアメリカ人女性と付き合ってはいるが、結婚までは考えてはいない。
実家には必ず、年に一度、自由が丘の素子宅にも顔を出している。
40歳になった直人は現在、ニューヨークのブランチマネージャー。
このまま仕事を続けるか、、、京都に帰るか、、、両親も高齢になった、、、
東京に居る素子に京都の店をも任せるのは、荷が重すぎる、、、
既に人生の半分を経た今、直人は迷っている、、、
京都の実家の商売に就かず、海外に職を求めた直人。
章子を失った当時、京都に居続けるのは、、、若い直人には辛かった。
パリに発った章子のその後について、素子に尋ねることもなく、、、
新しい恋人に巡り会っても、結婚にまで至ることはなかった。
12月中旬、直人はニューヨークを発ち、東京に向かった。
毎年クリスマスには、自由が丘で素子の家族と共に過ごしている。
そして、年末には京都の実家に向かう。
今年こそ、今後の身の振り方を定めなければ、、、
決心を迫られる直人、、、

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、、、つづく、、、![]()
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章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編・その3
章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編
― その1 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12177505238.html
― その2 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12177819913.html
― その3 ―
自由が丘に住む素子は、結婚後も両親の呉服店の仕事を続けていた。
章子と同年齢 48歳の彼女は、相変わらずの美貌を保っている。
かなりの着物美人の彼女は、東京の顧客の窓口、いわば外商として売り上げを伸ばし、呉服店は彼女を中心に繁盛していた。
彼女は、夫 憲一との間に二人の子供をもうけていた。
長女の純子 17歳と、長男の真人 15歳、、、二人合わせて 『純真』 だと。
章子を迎えてくれる、母親譲りの華やかな笑顔の美少女と、端正な顔立ちの弟。
、、、あ、、、直ちゃん、、、章子は思わず彼に声を掛けそうになった。
憲一は、海外出張中だった。
その夜、3人と夕食を共にした章子は、そのまま素子の家に留まった。
リビングのチェストには、『最後の晩餐』 をかたどった小さなアンティークの木彫りが置かれていた。
クリスマスの飾りが派手なツリーでないのが、章子の心を和らげてくれた。
翌日、章子は京都に向かった。
臨時に借りたマンションは、上京区にある新築のワンルーム。
管理人から鍵を受け取り、パリから送った荷物が置かれた部屋に入る。
幾つもの段ボールボックスで占められた小さな部屋、、、
、、、ちゃんとした住まいを探さなければ、、、
とりあえず章子は、荷物はそのままに、御所近くのホテルを予約した。
北区のマンションは、どうなっているかしら、、、
手放してから、12年も経っている。
出来れば、買い戻したい、、、

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、、、つづく、、、![]()
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章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編・その2
章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編
― その1 ―
http://ameblo.jp/dcvs227/entry-12177505238.html
― その2 ―
「お帰りなさい、、、章子。」
成田の税関を出て間もなく、章子の前に素子が軽い笑顔で現れた。
8年ぶりの再会だった。
2年に一度は京都に帰ってきていた章子だったが、知人や友人、東京に住む素子とも会うことなく、数日間の滞在でパリに戻っていた。
だた、京都に住む実家の母の許には、必ず顔を出していた。
その母が 12年前に、50歳代という年齢で難病を発症して他界した。
それをきっかけに、北区のマンションを手放し、真辺と共にパリで定住する決心をした。
そんな章子を 8年前、夫の憲一と共に素子がパリに訪ねて来た事があった。
章子は、その時に初めて真辺を紹介した。
真辺は 50歳になっていた。
ディナーのあと、彼ら四人は、若い頃からの友人であったかのように、夜遅くまで語らった。
「思い出すわ、あの日の真辺さんのこと。 とても静かで穏やかな人、、、」
章子をいたわるかのように、素子が言った。
真辺自身も、、、彼との暮らしそのものも、静かで穏やかだった。
クロワッサンとカフェオーレの簡単な朝食、、、
ココを膝に抱き、デザイン画の整理、、、近くのカフェで長居、、、
マルシェ、、、週末のブーローニュの日差し、、、
ヴァカンスで訪れるノルマンディー、、、季節の繰り返し、、、
真辺と重ねた 18年間のパリ生活は、何でもない日常を映した一冊のアルバムのよう。
章子を乗せた素子の車が自由が丘に着いたのは、まだ日が残る夕刻。
素子の自宅は 18年の時を経て、その風格を増していた。
外壁に絡む蔦、、、アイアンの門扉、、、庭先の小鳥の水飲み場、、、
大きくなった木々の黄葉が、地面の所々を覆っている、、、
此処は、まだパリなのかしら、、、章子は、軽い混乱を感じた。

、、、つづく、、、![]()
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章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編・その1
章子と直人<年下の彼(こいびと)>後編
― その1 ―
1994年 章子 48歳の秋
アパルトマンの荷物の整理を始めた。
真辺と婚約して 18年、二人で過ごしたジョルジュサンクのアパルトマン。
フランス国籍を持つ真辺は、日本に居る彼の親族とは一切の関わりを絶っていた。
フランス人妻との離婚後、章子と婚約し、一度も日本に帰ることなくパリで暮らした。
フランス人妻との間に、子供も無かった。
18年前、パリに渡った章子は、真辺のデザイン事務所でアシスタントとして勤めた。
事務所では、ネコを一匹飼った。 メスネコの 『ココ』。
ココはその魔力で、イヌ派だった章子を一挙にネコ派に変えてしまった。
京都とパリは似ている。
それは、新しいものと古いものが織りなす、街を通り抜ける風、、、
一見、排他的ではあるが、ほんの少し歩み寄るとフランクに付き合える隣人たち。
個人主義の達人ともいえるフランス人との付き合いは、程よい距離を保ち、章子にとっては心地のよいものだった。
しかし、老若男女を問わず、自分の主張をハッキリと示し、、、
政治・経済・教育・仕事・家庭・恋愛・ファッション・グルメ、、、に至るまで、街のあちこちで話し合う、、、というか、議論好きの彼ら、、、
自分のミスを認めたがらず、謝るのが大嫌いな 『頑固者』 たち。
でも、そんなこんなも知ってしまえば、どおってことはない。
駐車違反だらけの道、、、罰則金は駐車料金だと理解する彼ら。
世界一綺麗な街と、世界一汚い路。
特に、ペットの糞には要注意![]()
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それが、『花の都パリ』。
そして、、、ヘビースモーカーの街、、、
真辺の身体の様子の変化に気付いたのは、1年前。
癌に侵された彼の肺は、2度の手術を経て、、、炎症をおこし、、、帰らぬ人となった。
あっという間に過ぎ去った 一年だった。
タバコとジレの似合う、物静かなジェントルマン、、、真辺。
「君は 10歳も年下だけど、母の様であり、妹の様でもあり、友人、同志、時には気の合う男性、、、いや失礼、、、僕の大切な婚約者だったね。」
「まあ大変、私、そんなに沢山の役をこなしているの
ギャラは高いわよ。」
無理をしない、気負わない、嫉妬しない、お節介をしない、欲張らない、、、
お互いに、パートナーとして自然体で暮らしてきた二人だった。
真辺が亡くなった今、一人でパリに定住する気にはなれない、、、
京都に帰ろう、、、ごく自然に、章子はそう思った。
二人の持ち物は多くは無かったが、その整理には 2ヵ月をかけた。
アパルトマンから歩いて行ける距離にあるデザイン事務所には、毎日、顔を出した。
既に 18歳になっている 『ココ』 に、ゆっくりと別れを告げたかったから、、、
家具や道具類、真辺の持ち物の殆どは、パリの友人たちに譲った。
章子自身のものは、臨時に借りた京都の小さなマンションに送った。
北区のマンションは、12年も前に手放していたからだ。
街は 『ノエルの色』 で埋め尽くされ、人々の歩みは軽く、子供たちの笑顔が跳ね交う。
しかし、急速に冬に染まったパリの空気は、章子には硬く冷たかった。
12月初旬、友人たちに別れを告げ、章子はシャルルドゴール行のバスに乗った。
乗客は少なかった。
中ほどのシートに着き、バッグの中のデュポンに手を添えた。
真辺の愛用品だった。
章子は話しかけるように、ささやいた。
「京都に帰るのよ、、、」
、、、つづく、、、![]()
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