私は、看護師の仕事が大好きでした。
過去形で書きましたが、今も看護師の仕事は、好きです。
 
最初にうつになったきっかけが、看護師の仕事とか職場の人間関係ではなかったので、うつになってからも最初のうちは、忙しくても、看護師の仕事を続けるのは、平気でした。
むしろ、仕事中は、うつになったきっかけのこととか、自分が辛いってことを考えず、仕事に集中していたので、気持ちが楽でした。
仲が良い本当に一部の同僚には、うつ病だということを話していましたが、他のスタッフには話していなかったので、偏見や差別を感じることがなかったというのもあります。
ちょうど、勤務している病棟でチームのサブリーダーをしたり、その後、チームリーダーになったりして、頑張っている時で、その他の院内の委員会活動などでも色々と忙しいながらも、頑張っている時期でした。
 
その後、母親代わりだった大好きな祖母が亡くなって、一旦良くなっていたうつが、悪化してしまいました。
体調を崩して、自分の勤務する内科病棟に入院して、長期入院になるかも・・・ってなった時に、直属の上司が、私がうつ病であることをスタッフに話すことになってしまいました。
私は、本当は、スタッフには知られたくなかったのですが、上司は、話すことを決めてしまっていました。
それからは、結構、大変でした。
以前と変わらずに接してくれるスタッフがいる一方で、手のひらを返したようにとても冷たくなったスタッフもいたし、無関心を装っているようで、それでいて、それまでのようには接してくれなくなったスタッフもいました。
 
看護師の集団は、基本、体育会系のようなところがあります。
たとえ熱があっても、解熱剤を使って、仕事に出る、みたいな・・・。それが当たり前のような・・・。
そして、基本、病気とは無縁の元気な人も多い。
性格がきつい人も多い。
 
看護師の集団って、医療者でありながら、意外にも、メンタルヘルス対策は遅れていて、うつ病をはじめとした精神疾患に対する偏見や差別、誤解が多い人が多い集団です。
 
実際に、同僚から言われました。
「鬱じゃなくて、ただの甘えじゃないの?」とか「気持ちの持ちようもあると思うよ。」という言葉。
うつは、甘えではないし、気持ちの持ちようでどうにかなるものではないのに、そういうことがわかっていない人が実に多いです。
私自身、「自分は、うつじゃなくて甘えているだけなんだろうか?」とか思って、落ち込んだりしました。
 
それでも、10年以上も働いていた慣れ親しんだ職場なので、職場復帰してからも、仕事自体は、元気な時とあまり変わらずにこなせていたと思います。
患者さんとの関係も、Drとの関係も変わらずに、勤務できていたと思います。
ただ、同僚に関しては、表面上は、普通に関わっていたし、それまでと変わらないようにしていたけど、自分の中で、「スタッフは、うつの私をどう思っているんだろう?」って、すごく気になっていました。
それで、すごく疲れました。
体調もなかなか整わなくて、すぐに体調を崩す中で、患者さんの前では、笑顔で元気。
そうこうしている中で、色々なことがあって、自分では、心身ともに疲れてしまって、もう限界って思ってしまって、結局、長年働いた職場を退職してしまいました。
うつの最中に退職とか重大な決断はしない方が良いのに、私は、退職してしまったんですよね・・・。
 
その後、ちょっと回復してきて、他の病院に再就職しましたが、完全に回復していないので、数か月とか短期間は、頑張れても、それ以上になると身体疾患になったりして、体調を崩したり、そのうち気持ちの方でも調子を崩したり・・・。
再就職した病院でも、うつ病の悪化で休職したのちに、退職しました。
 
その後も、私は、看護師の仕事は好きだし、元々うつになったきっかけが、看護師の仕事ではないので、再就職すると言えば、看護師の仕事、それも働き慣れた病院という職場に再就職していました。
 
うつの調子が良くない中で、経済的な不安から焦ったり、慌てた状態で再就職することが多かったです。
心療内科の主治医には、「調子良いです!!」って嘘をついて、毎回、事後報告でした。
でも、どの職場も元職場のようには長くは続きませんでした。
短くて2週間ちょっと、長くても1年程。
 
看護師の職場って、職場の人間関係も複雑だし、患者さんとの関係などもあるし、患者さんの命にかかわる仕事に携わっているということでは、やはり他の仕事よりも重圧があります。
そういった中で、うつを持ちながら、薬を飲みながら、働くということは、本当に大変なことでした。
 
失敗体験の連続でした。
そのうち、看護師としての自信もなくなるし、最後に働いた病院では、私のうつの状態も悪かったけど、人間関係も最悪だったので、自分を全否定された気分になるし、こてんぱんになって、ほんの少しあった自尊心を全部失って、心身ともに最悪な状態になって、退職しました。
 
それから精神科入院を含めて5年近く、私は、働くということができませんでした。
今は、ようやく身の丈に合った段階的な社会復帰をしていこうと思えるようになりましたが、それも、精神科に入院したおかげだと思っています。
この先、また看護師として働けるようになるかはわからないし、もう看護師として働くことはないとも思っていますが、それでも、看護師の集団は怖いけど、看護師の仕事は好きです。
 
看護師をしていなくても、今までの看護師としての経験は生かせると思っているし、生かしたいと思います。
そして、どんな無駄だと思えるようなことでも、どんなに情けなかったようなことでも、その経験は、生きていく上では糧になると思います。
 
どんな仕事もですが、病気を持ちながら、薬を飲みながら働き続けるということは大変なことです。
だから、今、病気を抱えながら、看護師として働いている方々のことは、本当に尊敬しています。
どれだけ大変かということがわかるから。
看護師に限らず、他の仕事をしている方々のことも尊敬しています。
 
でも、もしも、今、うつ病とか精神疾患で、退職を考えている人がいたら、無理に頑張る必要はないけど、退職という方法を選ばなくても、休職という方法もあるし、時短、パートになるという方法もあるから、ちょっと辞めるのは待って?と言いたいです。
なぜかって。
退職して、新しい職場に再就職するということは、とてつもないエネルギーが必要で、とてつもないストレスがかかるからです。
精神疾患を抱えていなくても、新しい職場に再就職する、転職をするということは、大きなストレスがかかります。
それが、精神疾患を抱えていると、普段以上にストレスを感じるし、ストレス耐性が弱くなっているので、本当に大きな苦労をすることになります。
その時は、最善だと思って退職をしたとしても、後からとても後悔してしまうこともあり得ます。
私のように・・・。
 
ただ、今している仕事とか職場の人間関係が、うつのきっかけならば、それはまた話は違ってくると思いますが。
 
どちらにしても、自分だけで大事なことを決めてしまわないで、精神科や心療内科の主治医によく相談すること、それ以外でも、信頼している人に相談してみることが大事だと思います。
 
私もこれからは、主治医の先生を信頼して、先生に相談しながら、今の自分に合った社会復帰をしていきたいと思っています。