お寺での準備。
“ワ―ッ!ギャー!ドタドタ―ッ!”
<オ-、今日は、ちっちゃい子供さんが多いな。にぎやかで…。
子供さんには、お悔やみも関係無いか。>
「おばちゃん、これ何?」
「これは、おりん。」
「こっちは?」
「これは、太鼓と魚鼓、木魚。大きいね―。」
「おばちゃん、これは?シンバル?」
「銅鑼と妙鉢、大きいでしょ―、でも、触ったらあかんよ、お願いね。」
「・・・・。」
「それでは、喪主様、ご親族の方は、こちらのお席にどうぞ。」
“ワ――ッ、ギャーッ、ドタドタ―ッ”
「もうすぐ、お式が始まるから、お席に座ってね、静かにしましょうか。」
「エー、なにー、何がはじまるの?」
「おばあちゃまのお見送りのお式よ、
お寺さんが、来られるから、座って待ちましょか。」
「え、ここに、誰が来るって?」
「お坊さま、それ、あの、お経を読んでくださる偉い人。」
「ふーん、幼稚園の園長先生よりもえらい?」
「とにかく、座ろう。」
ソワソワ ガヤガヤ ゴソゴソ…
「お寺院さまのご入堂です。」チーン、チーン。
<あッ!>
ドタドタドタ―ッ
ゴンゴンゴーン! ジャンジャンジャーン、ドンドンドドーン!!
「コラーッ!そんなこと!したらだめでしょ!
こっち来て!・・すみません、すみません。」と、親御さま。
<なかなかやるやん。そこまでやるとは、思わんかったけど-。>