「そ、家族葬でな。」
「少人数だとおっしゃってましたので、粗供養品のご用意は必要無いですね。」
「ソクヨウ・・?」
「はい、受付で、お悔やみに来られた方へのお礼ですけど。」
「あー、それな。・・やっぱり、要るで。
近所の人も来るから。」
「あ、そうですか。それは、お付き合いもありますからね。
わかりました。ご用意致しますね。」
「それと、お料理は? お通夜で何かご用意しましょうか?
お家の方でご用意されます?」
「家族葬やからな。家で・・。なあ。おい、どうするねん?」
「え?食事の用意、私がするの?買ってきてよ。
誰かおるでしょ。何人来ると思ってるん。」
「え?何人・・。そやな、親戚だけで、40人くらいやろ。」
(ちょっと、多くないですか?)
「そんなん、私、用意できひんよー。」
「あー、それでは、こちらで、仕出しのご用意しましょうか?」
「そうしてえ。」
「ご親戚は遠方から、こられますか?」
「そ、北海道と、鹿児島や。」
(また、端から端まで・・、遠いですなあ。)
「わかりました。式場への案内看板もご用意しますね。」
「それでは、お葬儀の規模は、どれくらいのお費用でご用意しましょうか。」
「そら、あんた、家族葬やから、小さいお葬式でええがな。」
「・・お父さん、そない言うても、あの親戚のおじさん、うるさいで。
戒名に院号がついてないとか、やれ、葬儀の花が少ないとか、
こんな小さい式場で、貧素やな。って、言うのに決まってるし・・。」
「・・そう言うんやったら、お金出してくれたらええねん。・・」
「そりゃ、そうやけど、そんなわけにもいかんでしょ。」
「ほな、どないするんや! あんたが決めて。
ワシは、もう知らん!」
「あ、いや、まあ、落ち着いて。
難しいとこですけど、よくお考えください。
まあ、家族葬と言っておられましたけど、
いろんなシガラミがあることでしょうし、
ご判断は、おまかせしますので・・。」
「・・どないするねん。そんなに費用はかけられへんで。」
「・・・・。」
「それでは、お祭壇は、これくらいの規模で。
あとの諸費用も、できるだけ、ご負担の無い様に、させて頂きますから。
いかがでしょうか?」
「・・・まけてな・・。」
(って、誰も呼ばない、家族葬って、言ってましたやん。)
