えっ、今? 葬儀屋さんが迎えに来てくれたから、
寝台車に乗って、移動中やけど…。うん、うん、わかった。」 携帯を切る。
<なんて、おっしゃってましたか?>
「やっぱり、とりあえず、自宅に帰れって。」
<わかりました。お聞きしているご住所のところで、いいですね。>
奥さまを亡くされた、まだまだ、働きざかりのご主人。
電話の相手は、ご主人のお母様。
<それでは、ご安置も整いましたから、先ずは、お線香をあげていただいて…。>
「これは、仏式、浄土真宗の準備ですよね。」
<はい、そうです。それで、よろしいのですよね。
お仏壇が無いので、お聞きしたとおりのご準備ですよ。>
「ちょっと、待ってください。(ツー、ピ、ポ、パ♪)
あー、もしもし、浄土真宗でよかったんやろ。うん、はー、わかった。」
<よろしいですか?>
「お寺さんも、紹介してもらえるのか、聞けって。」
<大丈夫ですよ。同じご宗旨のお寺さんをご紹介させていただきますね。>
<それで、ご日程の方は、どうお考えでしょうか?
こんな、お時間ですので、通常は、明日のお通夜、
あさってのお葬儀の段取りが多いですが…。>
「ちょっと、待ってください。 (ツー、ピ、ポ、パッ♪)
もしもし、あの、葬式の日程やけど、
葬儀屋さんが、あした、あさってで、どないやろか。と言うてるけど。
うん、あー、そうやな。わかった。」
「それで、お願いしますわ。」
<じゃ、火葬場の予約をとりますね。お時間は何時がいいですか?>
「時間?」
<ええ、お通夜と葬儀の時間です。
朝、10時から3時まで、一時間ごとに予約ができますけど。>
「ちょっと、待ってください。(ツー、ピ、ポ、パッ♪)
もしもし、葬儀の時間はどうする?って、葬儀屋さんが…。
うん、あ、はい。わかった。」
「テキトウに取ってください。」
(テキトウ…。)
<一般的には、お昼前後が最近多いので。
11時とか、12時とかからの、開式でよろしいか?>
「あー、ちょっと、待ってください。(ツー、ピ、ポ、パッ♪)
11時からでええか?え、うん、そやな。」
「昼ごはんは、どうなりますか?用意してくれるの?」
<ええ、可能です。で、時間は?>
「そやなー。ちょっと、待ってください。(ツー、)
もしもし?」
<あのー、お電話、私が 代わりますわ!>

☆ 暗くて、わかりませんでした。
長い間、ご入院なさっていた一人暮らしの方を
どうしても。とおっしゃるので、ご自宅にお連れする。
「長いこと、ほったらかしやったから。」
<お布団ありますか?>
「これしか、無いわ。」
( これは…。寝袋?)
「とりあえず、それに寝せたって。」
<あ、はい。ちょっと、暗いですね。>
なにげに、室内灯のコードを引っ張る。
「あ、それは…。」
ガッシャーン!
蛍光灯、カバーも全部落ちてきた。
「長いこと、使こうて無いからな。」
<・・・・・。>
すみません。