裁判手続きとしては、最初に有罪か無罪かを聞かれ、無罪と主張する場合は宣誓した上で無罪の理由を言う機会が与えられ、有罪を認める場合は宣誓なしで裁判官が量刑を決めるにあたって参考にするので事情を説明する機会が与えられるということでした。


私は有罪を認めることは決めていましたが(現行犯だもんね)、最初は「そんなにスピードが出ていたかはわからない」とも言おうかと思っていました。しかし、私の少し前に速度違反の人の順番がきて、その人は無罪を主張し、速度違反をしていない理由(直前にメーターを見たときには速度制限内の速度だった)を述べたのですが、裁判官は、バージニアでは警察官がスピードガンで記録した証拠はとても強いものなので覆らないとしてあっさり有罪にしました。そこで、余計なことは言わないことにしました。


さて、ここで陳述する内容には大きくわけて3通りあると思います。

1 許してもらえそうなスゴイ事情を説明する(作り上げる)。たとえば、妻の陣痛が始まってもうすぐ生まれそうだったから急いだとかいうもの。

2 ごめんなさい、反省してます、もうしません、と謝り倒す。

3 許してもらえそうにはないけど事情を説明して、普段は良いドライバーであるとか、たまたまスピードが出てしまったとして、心象が良くなるよう努める。


嘘ついたり話を誇張するのは苦手だし、嘘はばれたらますます心象を悪くするし、心から反省しているわけでもないのに(自分は悪くないという意味ではないです。違反は悪いことだし今後は気をつけるけど、大多数の人と同じく今後もある程度はスピード超過はするし、という意味です。)謝るのもねぇ、ということで3の路線で行くことにしました。

さて、当日、セキュリティを通過したところバッグの中に携帯電話があったので、向かいのビルの携帯ロッカーに入れてこい、と戻されました。よく見れば入り口にそう書いてありました。ロッカーでは25セント硬貨を二つが必要なので持って行きましょう。(その50セントはもちろん返してもらえません。)もう一度セキュリティを通過し交通法廷を目指して行くと、壁に電子掲示板があり、被告の名前と法廷番号が表示してありました。


法廷の前にはwaiting roomがあり、人が列を作っています。並んでいる最後尾の人にこれは何の列ですか?と聞きましたが、はっきり説明してはくれませんでした。そこで並ばずに法廷に入って待っていてもいいということだけ確認し、法廷に入りました。短いブロンドのかっこいい髪型をした女性裁判官が壇上にいました。そこで自分の番がくるまで他の事件のやりとりを観察していました。その日は現れなかった警官は一人もいないようでした。警官が現れないことも結構あると聞いたんですけどね。


途中被告グループの区切りがあり、裁判官が次のグループ(私も含まれる)に手続きの説明をしました。自分の番が来る前に法廷を出るときには(トイレとか)備え付けのノートに名前を書いていけば、その人は来ているけれども席をはずしているということで順番を後回しにしてくれるけれども、書いてなければ欠席扱いなるとか。また、法廷の外の検察官と取引したほうが早く終わるからそうすることを勧めると言いました。そこで、たぶん待合室の人の列は検察官と話をする列だったのだと思いました。(確認はしていない。)私のような単純速度違反でどんな取引できるのかわからないので、そのまま残りました。

生まれて初めてスピード違反の切符をもらってしまいました。スピードガンを持った警官に止められ、16マイル違反だといわれました。切符には15マイル違反となっていました。ところで、バージニアでは20マイル以上の違反は危険運転罪(reckless driving)となり、ことが大きくなるので、くれぐれも20以上の違反はしないように気をつけてください。


さて、20マイル未満の速度超過の場合、二つの選択肢があります。インターネットで罰金の支払いをして裁判所には行かない、と、裁判所で裁判を受ける、です。スピード違反の場合、記録が残るとドライバーのポイントに影響して、ひいては保険代が上がるので困ります。ポイントは1年間無違反の場合1点もらえて最高は5点です。なお、無人カメラで違反現場と車を撮影された場合は、ポイントには影響しないのでとっととお金を払いましょう。罰金はスピード違反1マイルごとに6ドル、プラス裁判所費(court fee)ともう一つの費用で30ドルほどです。


二つの理由で裁判所に行くことにしました。


一番の理由は裁判を体験してみたい!ということです。副次的理由として今まで優良ドライバーなので、しおらしくしていれば裁判官が罪をまけてくれる可能性があるということです。それから、裁判の時に切符をくれた警察官が現れないと罪に問われないそうです(少し期待)。