出会った人、別れた人、亡くした人…。そのほとんどが女性だ。
びた一文も払わずに性行為を複数回に渡ってすることも、恥ずかしながらこの歳で初めてのことだ。サディスティックなプレイを好む女性もいた。高知の女性は男勝りで勝ち気で、「八金」と言われることが多いようで、ここでは特別な性質でも何でもないと思われる。マゾヒズムな小生にとっては、これ以上にない楽園とも言える。
しかし、昨晩から様子がおかしい。おかしいのは元からだが、いつものおかしさではない異変を感じる。ただ、彼女が吸っていた銘柄の煙草を吸っただけなのに、まるで僕の体の中に彼女が侵入してきて、自分らしい感情のコントロールが難しくなっている。意識がそちらへ向いてしまう。
「もっと私を気にして」
そんな空耳がする。
Aさんも一人で我慢していたんだと察している。子供ができないこと?冗談で「精子ちょうだい」だなんて言ってたみたいだけど、君には子育ては向いていないと推測していた。子供の目の前で、いろんな男とセックスをしていそう。それも、物心がついてからも。
なー。今頃何しとん?誰とおるん?俺、いつも一人やしさ、たまには遊びにきてよ。話聞いてよ。