近い将来、ダムの底に沈むことになった徳島県花谷村に、開店休業状態の古い写真店があった
店主の研一(藤竜也)は、昔気質の頑固者で妻はすでに亡くなり、次女の香夏(宮地真緒)とふたりで暮らしていた
長男の孝(海東健)は研一に反発し、東京で見習いカメラマンとして一人暮らしをしており、長女の紀子(原田知世)もまた、数年前に家を出たまま長く消息がなかった
ある日、孝のアパートの留守番電話に残されたメッセージ、それが物語の始まりだった
消えていく村の美しさを、永遠に残したい
そう考えた村役場の野原(甲本雅裕)が、孝と研一に、村のすべての家族写真を撮影し、「村の写真集」をつくることを依頼したのだ
恋人、リン(ペース・ウー)の勧めもあり、孝はしぶしぶ誘いを受ける
大自然の懐に抱かれた村を、父子は一軒一軒自らの足だけで回り、撮影をこなしていく
しかし、そこにはやはり深い溝があり、歩くふたりの影が重なることはなかった
緑濃き山間の険しい道を、黙々と歩く父と、その背中を追う息子
父子の葛藤の中で撮影は続く
戦争で息子を失い、ひとり山に住む老婆(桜むつ子)や過疎の村で明るくたくましく働く人々、美しい山や川を生命力いっぱいに駆け回る子供たち
孝は村のさまざまな風景や人々、幼少期を共に過ごした旧友たちと出逢いながら、しだいに何かに気づき始めていた
そんなとき体調が悪いことを隠して、撮影を続けていた研一が病に倒れる
孝は、研一が余命いくばくもないことを告げられる
臥した父に代わり、残された写真を撮る決意をする孝だが、どれほどシャッターを押しても、父のような生き生きとした写真はどうしても撮ることができない
落胆する孝に、研一の友人、進(大杉漣)が「あいつは、東京に出ていったお前のことをごっつう喜んどった」と語りかける
頑固な父の愛に気づいた孝は最後の写真を、やはり父に撮らせようと研一を背負い、山道を一歩一歩と登り始める…
監督は三原光尋
知世ちゃんは最後の方だけ…
どうも!福岡市博多区中洲に在るbar Day-Break(バー デイブレイク)
の店主『おかも』です(^_^)
徳島県の美しい山間部を舞台に、失われる郷愁の地に暮らす人々の人間模様を温かな視線でつづった作品です
ぶつかり合っていた父子が、写真集を作るという仕事を通じて次第に打ち解けあっていく姿は感動しました
また、徳島県出身の写真家立木義浩が監修した劇中の家族写真の数々がとても暖かくて、心にしみました(^_^)
劇中出てくるお酒:アサヒスーパードライ
★★★☆(5つが最高)
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