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一頃はネガティブなイメージが先行したオタクという呼称も、今では昔のマニア程度の意味に落ち着いているようだ。その一部のオタクから注目されているのがアニメ作家押井守だが、そのターニングポイントとなったのがテレビアニメ旧「うる星やつら」だった。

旧「うる星やつら」も当初は原作をなぞるアニメ作品だったのだが、一年を過ぎたあたりから、それまで香辛料程度に利かせていた演出家押井守の個性が前面に出てくるようになった。

原作にもあった迷宮的なエピソードが押井的世界と一致したときにそれは開花したり、更にオリジナルストーリーでついに暴走を始めた。

更にその個性の展開に拍車をかけたのがチョイキャラのメガネ担当だった声優・千葉茂の暴走アドリブだったのは面白い現象だった。

 

その押井ワールドの覚醒が結実したのが劇場アニメ「うる星やつらビューティフルドリーマー」だろう。とはいえ作家性を主張し始める演出家は作者に疎まれてしまうようで、原作者高橋留美子は同作品を嫌っているという。

夢に取り込まれた現実を描いたその作品で押井はヌーヴォーロマン的世界を展開しているのだが、商業映画という縛りからか、最終的にある種の整合性を取ることとなる。

むしろ押井的世界が暴走しまくっているのはテレビのオリジナルエピソードで、とりわけ「みじめ!愛とさすらいの母」にとどめを刺す。

その眩暈のするような展開は、テレビアニメという時間的な制約を逆手にとって、無理やり整合性を取ることもなく視聴者を突き放したようなラストを迎えてしまう。やりっぱなしともとられかねない、その放置感が不条理的M気質を心地よく刺激していた。

とはいえアンチロマン的作品は大衆性を求めるテレビ局とは水と油の関係になってしまう。局側より厳重注意を申し渡されたようだ。

 

その後フリーとなった押井はテレビの「パトレイバー」に関わり、劇場映画の「パトレイバー」「1」及び「2」へ進むのだが、その世界は精神的迷宮から疑似現実世界の迷走へと移り、更に「攻殻機動隊 ゴースト イン ザ シェル」からはテクニックの無機的迷宮に突入しているようだ。

最近ではテレビの「ルパン三世」で、かつて制作が流れたルパン劇場版を再構築してみたり「ぶらどらぶ」では迷宮マンガの原点ともいうべき、つげ義春の「ねじ式」を作っている。

 

さて、果たして押井はこれからどう変貌を続けていくのか、変貌し続ける作家というと代表的なのはパブロ・ピカソだが、ボサボサ頭の押井は最近ニット帽をかぶっている、案外ピカソのように既にツンツル頭になっているのであろうか。