日曜洋画劇場エンド音楽はコール・ポーターのソー・イン・ラブという、ブロードウェイ・ミュージカル「キス・ミー・ケイト」の曲だった。
演奏はモートン・グールド楽団のかなり重い調べで、翌日の月曜日がのしかかるような雰囲気を醸し出していた。聴いていてウツ的になる人も多くいたという。アニメのサザエさん症候群を先取りした感じになっていたようだ。
同じNET(現テレビ朝日)の土曜映画劇場はエンド音楽がホルストの『惑星』から木星の有名な旋律(後に平原綾香がジュピターとして歌った)で、希望に向かうような曲が対照的であった。
同じ局の同じような番組ながら選曲にずいぶん差が有るものだ。
その「キス・ミー・ケイト」は1953年にミュージカル映画全盛期のMGM作品として映画化されたが、3D作品として制作されたため日本では長らく劇場公開されなかった映画だった。
作品はシェークスピアの『じゃじゃ馬ならし』ミュージカル版舞台と主演男女の恋のトラブルがシンクロして、上演舞台がそのままミュージカルシーンになる二重構造で、最後はお決まりのハッピーエンド。
主演のハワード・キールとキャサリン・グレイスンは「ショウボート」のコンビ。他にはダンスシーンを受け持つアン・ミラー、後に監督になるボブ・フォッシー。オマヌケというか人のいいというか二人組付け馬ギャングも登場、演ずるは名バイプレーヤーのキーナン・ウィンとジェームズ・ホイットモア、しっかり(?)歌と踊りも披露。
モートン・グールドのウツ演奏とは違い、冬の一夜を過ごすのには最適な作品といえよう。
