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「裏窓」はヒッチコックのスタイルを知るには最適な映画だ。

映画巻頭数十秒の間に、夏の部屋、主人公がカメラマンでスクープの怪我の為、車椅子生活中であり身動きが取れないということが、一切のセリフや文字もなく映像表現のみによって示される。

若い映画人にヒッチコックが語った、映画の勉強法はサイレント映画を撮れという事を自ら実践した見事なオープニングだった。

 

ヒッチコックは、主人公が部屋から出られないという閉ざされた空間の中でドラマを進行させて、映像も限られた範囲を映すことで観客はいつしか主人公と同化し、疑似体験することとなる。

制作されたのが1954年、アメリカでもクーラーがまだ一般化されてない時代だったからこそ、あり得た設定だろう。

 

主人公を演じたジェームス・スチュワートにとってヒッチコック作品は「ロープ」に続いて2作目、「ロープ」でも限られた一室の出来事を描いた動きの少ない作品だった。

動きでごまかせない以上、演技力が要求されると同時にカメラワークも重要な要素となる。冒頭に書いたように映像表現が映画の本質だということが、分かりすぎるくらいわかる映画を撮るのがヒッチコックなのだった。

その「ロープ」にいたっては映画一本をまるまるワンロールのカットなしで繋げるという芸当にチャレンジした。もっとも2ヶ所だけカット割りが発生するが。

 

さて「裏窓」のクライマックスでは身動きの取れない主人公の陥るサスペンスが展開される。

車椅子の人をいじめると祟りますぞ、後年、自らも車椅子生活をすることになります。いじめた人の名はレイモンド・バー、アイアンサイド警部その人でした。