映画には以前から脇役として出演していたピーター・フォークが有名になったのは、刑事コロンボを演じてからだったのは間違いない。
テレビ作品は判らないが、映画でピーター・フォークを最初に観たのは「グレート・レース」で、ジャック・レモン扮するフェイト教授の助手マックスを演じていた。
しかし映画がサイレントのドタバタ喜劇の再現のような作品なので、セリフはあまりなく、それほど印象に残る感じではなかった。
「グレート・レース」は、20世紀初頭に実際にあったというニューヨークからパリまでの自動車レースを題材にした、大仕掛けのコメディ大作。
トニー・カーティス扮する冒険家レスリーは全身真っ白の文字通り白づくめの白塗り二枚目、彼の行う冒険パフォーマンスを、何故か、執拗に邪魔しようとする黒ずくめのジャック・レモンのフェイト教授と、ピーター・フォークのマックス。彼らが次々と珍兵器で仕掛ける妨害工作が、全て自分に降りかかってしまうという、アニメーションのロードランナーとコヨーテの実写版ともいえる開始部分からギャグ全開。
その数々の珍兵器が楽しさこの上ない。
その中で小型気球に自転車を合体させたような、人力プロペラで推進する飛行マシーンが出てくるが、あれは作ろうと思えば出来るんじゃないかと思うが、未だに見たことは無い。
あれば乗ってみたいものだ、とはいえ教授のように上空から爆弾を落としたりはしない。映画同様、自爆するのがオチだろう。
さて、映画は20世紀初頭ニューヨークをスタートした車が、フェイトの妨害工作で最終的にはフェイトとレスリーの二台によるレースとなり、そこにナタリー・ウッドの勝気なジャーナリストも加わり、西部劇やゼンダ城の虜があったり、ついでにパイ投げ大合戦後、なんとかパリに到着し最後まで楽しさ満載。
因みにゼンダ城的なお家騒動では、ジャック・レモンが二役を演じ、そこで悪役を演じるのは、コロンボシリーズ初期の傑作「二枚のドガの絵」で犯人役を演じたロス・マーティン。
映画界の1960年代はテレビによる観客離れが顕著となり、テレビとの差別化を図るような大型映画が多数作られるようになった。
その大半は大型史劇で、やたら莫大な制作費を投入しスペクタクル性で観客を圧倒しようとした。
中には不運が重なり、巨額の製作費で映画会社20世紀フォックスを倒産寸前まで追い込んだ「クレオパトラ」なんて作品も出てきた。
その中で、かつてのサイレントドタバタ喜劇を大スクリーンで再現しようとした作品がいくつか見られ「グレート・レース」もその一本だった。
かくて史実をモデルにロードランナとコヨーテ風に描いた「グレート・レース」は、やがてアニメ「チキチキマシン猛レース」を生み出した…のかは定かではない。
そういえばロードランナーの大きな人形が、川崎駅近くの大型メガネチェーン店前に置いてあった。店のマスコットキャラなのかなぁ。


