映画のオールタイムベストを選ぶときに10位以内に必ずといっていいほど選出される「2001年宇宙の旅」だが、初見の人はほぼ全員キツネにつままれたような気分になるはずだ。何が何だかわからないというのが実感だろう。
設定された時代はもはや過去になるものの、未だ映画の世界は実現していないので未来の物語といえるのだが、映画の本質はそこにあるわけではない。
人類誕生のきっかけから未来まで、そして創造主(的なもの)との出会いの旅という形をとり、その間にコンピューターの反乱が挿入されるという壮大な時間軸を描いた映画なのだが、極端にセリフを少なくし意図して説明(的描写)を省き映像のみで進行させていく。それゆえ極めて難解な映画のようになっている。
分かりにくさの最大の原因は、その事象の説明を排した造りと共に、人間の視点で映画を作っているわけではないからだ。
簡単に言ってしまうと、この映画は異星人の作ったアサガオの観察日記であり、そのアサガオとは人類に他ならない。しかも先に書いたように説明のない観察日記なのである。
面白いかと言われれば退屈だとしか言えないのだが、その映像は実にクリアでリアルなので観終わった後は何かトテツモナイものを観たという気分になる。
それはとりもなおさず監督スタンリー・キューブリックの大仕掛けなハッタリにすっかり乗せられてしまったという訳になるのだろう。だがその体験を心地よく感じてしまったとしたら、キューブリックの思うつぼであるのは他ならない。
