盟友と親友の違いはなんとなく分かるものの、どう違うかというと漠然としてくる。
親友は本能的にも通じ合うような仲であり、盟友の間には考慮(悪く言えば打算だがリスペクトというべきか)が入り込んだ仲のようにも思え、どこか戦友に近いニュアンスが感じられる。
親友は命がけで助け合う仲であるとして、盟友にはともに死ねる仲という感じだろうか。いずれにしろ現在では時代錯誤と思われてしまうのかもしれない。
アメリカ映画界で盟友の仲と言われていたカーク・ダグラスとバート・ランカスターは、前回の「5月の7日間」以外にも共演した映画は何本かある。その中でもっとも有名な作品は「OK牧場の決闘」だろう。
有名なワイアット・アープとクラントン一家の戦いは何度も映画化されている。その中で最も娯楽色の強い作品と言えよう。
アープをランカスターがドク・ホリディをダグラスが演じ、二人の関係と役柄がダブってくるキャスティングだった。
以前も書いたが監督のジョン・スタージェスは出来にはいささか不満があり、後年「墓石と決闘」で溜飲を下した感じがある。その「墓石と決闘」がスタージェス西部劇の最高作に思える。
ダグラスとランカスター、ふたりのタフガイ俳優の仲をそのままに描いた様な作品が、晩年に「タフガイ」という映画で残っている。
ムショ帰りの老人二人が、時代との乖離を吹き飛ばすかのように、ある計画を実行するわけだが、情けない事情で執拗に命を狙ってくる男イーライ・ウォラックも同様に老人という、老人大会のような犯罪コメディだった。
またゲスト出演のような形でランカスターが参加した「秘密殺人計画書」という、シリアスなのにお遊び満載という変な映画もあったなぁ。
バート・ランカスターは80歳で鬼籍に入り、カーク・ダグラスはナント103歳まで長生きした。やはり好きな事や楽しい事を続けていれば、仮にそれが仕事であっても自ずと長生きするのでしょうな。