女神でも救えなかった映画ミュージカル | dvconのブログ

dvconのブログ

ブログの説明を入力します。

ユートピアというのは16世紀のトマス・モアの著作に出てくる地名で「どこにもない国」という意味だ。

それがいつしか理想郷の代名詞となり一般化している。

同様な地名としてシャングリラもある。こちらはジェームス・ヒルトンの「失われた地平線」に出てくるチベット奥地の理想郷。

ザナドゥはモンゴル帝国のフビライ・ハンが夏を過ごしたという場所、転じてこれも理想郷の代名詞となったが、こちらは一応実在したようだ。

「市民ケーン」では新聞王ケーンの豪邸を称し、ビル・ゲイツは私邸をそう名付けた。いずれ我が邸宅もそう名付けようと考える前に、邸宅どころか家自体がないのでは話にならない。

 

映画「ザナドゥ」は、かつてのミュージカル大スターのジーン・ケリーが俳優として事実上最後の映画出演作品ながら、あまり出来は褒められたものではない。どちらかというとオリビア・ニュートン・ジョンの早すぎたMVのような作品で、新世代の歌姫を応援するために出演したといった感じだ。

 

話は音楽の殿堂ザナドゥを作るイラストレーターと女神オリビアの話。

トップシーンはオリビア達の壁画が動き出し自在に踊り始め、トリック撮影満載の躍動感のある映像が繰り広げられ、これからどんな展開になるかとワクワクするものの、その後の話はもたつき気味で、結局ローラースケート場を併設したクラブができるという、竜頭蛇尾という言葉が相応しい作品になってしまった。

とはいえラスト近くのローラースケートの集団シーンで、先頭となるジーン・ケリーの動きは実に生き生きとしていた。

因みに日本未公開作品だが1947年の「地上に降りた女神」がベースになっているようだ。

 

やはりこういった作品を観てしまうと、ミュージカル映画の黄金時代は1950年代であり、その後はブロードウェイミュージカルの大作映画作品に頼ることになり、この映画の頃からロックオペラ「ジーザース・クライスト・スーパースター」等のアンドリュー・ロイド=ウェバー作品に代表されるヨーロッパミュージカルが主流になってしまっていたのだなと思う。