今回は数年前に購入したコンバットタンクコレクションのⅣ号突撃戦車 中期生産型を紹介します。

 

 

 Ⅳ号突撃戦車と言うとなにか耳遠いように聞こえますね。

 ブルームベアの方がしっくりきます。

 ところで、ブルームベアってもう50年くらい前から言っていますが、米軍がつけた名前だそうですね。

 

 

 Ⅳ号突撃戦車は、対戦車専用の車両ではなく、歩兵支援用の自走砲です。

 15cm重歩兵砲を自走化したⅠ号自走砲やⅡ号自走砲は、実戦で役に立つことが証明されました。

 しかしこれらの車両はあくまで間に合わせであり、薄い装甲やオープントップなど問題も多く、Ⅲ号突撃砲の改造型33B突撃歩兵砲が作られましたが、これも24両の生産にとどまりました。

 Ⅳ号突撃戦車はより本格的な車両として、Ⅳ号戦車のシャーシーを改造転用して作られました。Sd.Kfz.166

 ツィタデレ戦が初参戦で1943年~1945年まで合計306両が作られました。

 正式なものではないそうですが、大きく分けてツィタデレ戦に参戦した初期型、こちらの中期型、戦闘室形状を一新し、ボールマウント機銃を装備した後期型があります。

 

 

 特殊な車両だったことから装備部隊は限られ、第216~219の4個突撃戦車大隊が編成されただけでした。

 この大隊群のうち、一番最初に編成されたのが第216大隊です。

 第216大隊はツィタデレ戦からドニエプル川の戦いまで東部戦線に従軍しましたが、その後再編成された後、イタリアへ投入され、終戦まで戦いました。

 

 

 こちらも同大隊の1944年ローマという設定だそうです。

 

 

 さて、コンバットタンクコレクションですが、数年前に1/72でドイツ中心に世界の戦車や軍用車両を出していたようですね。

 製造はIXO/Altayaらしいです。

 率直なところ、同スケール完成品のDragon Armorに比べると出来は相当落ちますが、Dragonが中華製品らしく、ラインナップが超有名どころに偏り過ぎで、コレクションには面白味がないのに比べ、こちらはそれまで製品化されていなかったような車両が多いのが特徴的です。

 

 

 Ⅳ号突撃戦車もあまり良い出来ではないですが、この車両の1/72、1/76の模型は私が知る限り、40年以上前のESCIの1/72(Monogram 1/35のデッドコピー商品です)しかありません。

 ESCIはもともと良くないし、MonogramのⅣ号シリーズは癖があるというか、車体の縦横比がおかしいので、余り価値のあるものではないと個人的には思います。

 

 

 単なる迷彩塗装はきれいだと思います。

 このスケールをここまできれいに塗るのは相当難しいです。

 ただし、質感塗装はされていないので、Dragon Armorのような実感はありません。

 自分でウォッシングやドライブラシなどやりたくなりますが、手を入れるときりがなさそうです。

 ゴム縁などもきれいに塗れていますが、踏面が全く塗られていないし、真っ黒はおもちゃっぽくなりますね。

 

 ところでこのシリーズですが、感心しない最大の弱点は組み立てが荒いことです。

 部品自体は必ずしも悪くないので、組みの粗さが大きなマイナスに思えます。

 

 

 こんな感じで、起動輪と転輪の芯があっていないので、キャタピラがずれてしまいます。

 自分で組んだらもっと良くなると思います。

 

 あと中期型は全車ツィメリットコーティングですが、当然のことながら再現されておりません。

 

 とは言うものの小スケールではまず手に入らない形式だけに価値はあると思います。

 ちなみにこちらはおもちゃの中古屋で買いましたが、300円でした。

 このシリーズでこれだけ安いのは他では見たことがないですね。

 

 ところで私は大昔、1/35全盛時代に小スケールAFVを作っていました。

 1/35が嫌いというよりは、場所がなかったからですが。

 でも当時、小スケールのラインナップは1/35と決定的に違いました。

 それはAirrfixやMatchbox、そしてROCOからは私の大好きなトラック類が発売されていたのです。

 その時代の1/35と言えば、ジープ、VW82、VW166、Horch 1a、Sd.Kfz.7くらいしかなかったのです。

 確かに入手の極めて難しい時期でしたが、こんなところに惹かれたんですね。

 ただし、小スケール最大の弱点は、これまた好きなドイツ戦車にろくなものがなかったこと。

 この問題は2000年頃まで全く改善されることはありませんでした。

 そこで私は、小スケールから完全撤退し、1/35への切り替えを決めたのです。

 

 それから約20年が経過しました。

 一時1/35には相当傾倒したものの、結果として、完成品はほとんど出来ず、場所難、資金難から相当数手放しました。

 塗装環境の困難、そして私が現代の塗装技術には全くついていけないことも原因です。

 昔、AFVは一番塗装が簡単と言われましたが、現代はある意味逆で、AFVは絵画的技法がないとどうにもなりません。

 そんなわけで好きなAFVもすっかり下火になってしまいました。

 1/35の隆盛は相変わらずですが、昨今は価格も相当高くなり、また数が少ないのでなかなか手に入れることが難しくなりました。

 一方、小スケールですが、主に旧共産圏の国の新しいメーカーからキットが供給されているようで、写真を見る限りでは、大昔のとても組みにくく、かつ出来の悪いキットとは天と地の違いがあるように見えます。

 1/35の隆盛とは全く比べ物にならない小さな世界ですが、高額になりすぎた1/35に比べればまだ買える価格ですので、作ってみたくもなりますね。

 

 

2017/10/15 入手