こんにちは! 最近すっかり涼しくなっていたのに今日は暑いですね……。体調を崩さないように気をつけねばですね💦


さてさて、もっと短くてライトな記事を書きなさいよと思いつつ、また長くなりそうですスミマセン(笑)


先日、日比谷で映画「ミッドナイトスワン」を観てきました。
友達を誘ったら、「SMAPファンの同僚に誘われて一度観たんだけど、また観たいから行こう!」と言ってくれました \(^o^)/


この作品、役者として注目している田中俊介くんが出ていて、彼が圧巻の演技を見せた「ダブルミンツ」を撮った内田英治監督による最新作。テーマにも心ひかれる。つまり、たぶんワタシ好みの作品では、という予感がありました。


で、観ました。


まず。なんと。


田中くんがどこにいるのか分からんかったーーーー!!!


いや名前、結構上に出てたよね? で、観た人から演技をほめられたりもしてたよね?


そして、どの役だったか知った後も、え?え?え?え? えーーーー。あの子が田中くんなの!?!?
(その後も、しばらく、えーーが止まらず笑)


ちなみに友達も1回目はそうだったらしく、それもあってもう一度観ようと思ったらしく。
スギョイ。個の消し方ハンパない!!


映画のためにエゴを捨てられる役者、みたいなことを前に白石晃士監督が言っていたのを思い出し、その白石監督の新作で田中くんが主演する「恋するけだもの」が楽しみになりました。

さて「ミッドナイトスワン」全体の感想はというと。


⭐︎この先、ネタバレにならないよう気をつけてはいるものの、人によってはネタバレと感じるかもなので、まっさらの状態で観たい人は読まないでくださいませ!



















「ミッドナイトスワン」、予想通り、好みの作風でした。そして、トランスジェンダーの凪沙(なぎさ)を演じる草薙くん、親戚の女子中学生・一果を演じる新人の服部樹咲さん(14歳)をはじめ、役者陣の演技が皆、素晴らしかった。


特に、アル中の毒親を演じた水川あさみ。観た後で彼女だと気付いてビックリ(またこれ笑)。いやーーーヒドイ。娘に対する身勝手さや心根の荒さ、リアルすぎ!ドイヒー!!(ほめてます) 彼女の演技が一果の生きる地獄を説得力あるものにしてました。


一果の同級生でバレエ仲間、裕福な家庭に育ったけれど心は空虚なリン役の子の演技も良かった。


あと撮影会のシーン、なるほどこんな感じなのか……と興味深かった。存在は知っていても現場の様子を見る機会はないので。


他にも日常ではなかなか見る機会がないある意味で刺激の強いシーン、いろいろあったなと。


一方で、心がジンワリするシーンもたくさん。夜の公園で凪沙が一果にバレエを教わるシーンや、自分がショーで使っていた白鳥の湖のヘッドドレスを凪沙が一果の頭にかぶせるシーン。好きですねぇ。


あと、就職することを決めた凪沙が、一果に柔らかく微笑むシーン。見た目は男なのに母性を漂わせまくる草薙くんの菩薩のような眼差しとたたずまいに唸りました。


ちょっと分かりづらいシーンがあったり、そこ曖昧にせずちゃんと触れた方がいいんではと思うシーンなどもいくつかあったものの、こちらの内田英治監督と脚本監修・西原さつきの対談記事を読んで、なるほどそういう意図なのかと納得しました。


……が。


ラストに関しては、個人的にはううううむと思いました。ここは、たぶん賛否両論分かれるでしょう。


どちらが正しいかは決められないという前提で、ワタシは、凪沙のラストはあんな風に描くべきではないと思う派です。


上の対談記事で、内田監督が語っていることはすごく分かる。分かるけれど、というか、分かるからこそ。


トランスジェンダーやLGBTQを知らない人たちや理解がない人たちは山ほどいる。というか、そういう人たちの方が圧倒的に多い。だから、まずは彼ら彼女らの生きづらい現実を知ってもらうために、あえてそうした、のだとしても。


いま現在進行形で、その生きづらい人生を歩んでいる人たちに希望を感じてもらうことの方が大切なのでは、とワタシは考えてしまうんですよね。


世間から分かられづらい性質を持っていることがなんだと。それもあなたの個性なんだよと。むしろその性質によって輝いてる魅力がたくさんあるんだよと。堂々と生きていこうよと。生きていけるよと。簡単ではなくても、何のために生きてるんだろうと思う時期があっても、全ての人に受け入れてはもらえなくても、受け止めてくれる人を少しずつみつけていこうよと。必ず見つけられるよと。見つけられたら気持ちって変わっていくんだよと。だから希望を持ち続けようよと。


楽観的と言われようが理想論と言われようがそこは譲らないという勢いで、力強いエールを感じさせるエンディングにしてほしかった。


それを求めている人は、たぶんいっぱいいる。


人って、素の自分を受け止めてくれる人に出会えたら、それがたったひとりでもふたりでも生きるパワーを得られる。そして希望を失わなず人と向き合うことをシャットアウトしなければ、必ず受け止めてくれる人はいる。


こんな風に思うのは、ワタシが電話相談で「なぜ自分はこうなのか」と悩む人たちに向き合う仕事をしていることや、10代の頃からマイノリティについて考えてきたことなどが関係しているかもしれません。


つまり、既にマイノリティに免疫がある人や何なら自分もマイノリティな人は、この映画のメインターゲットではないのでしょう。



……ということを考えたりはしましたが、LGBTQに理解も知識もない社会に一石を投じまくっている映画であるのは間違いない。その気概にリスペクトと拍手を贈りたいです。


セクシャルマイノリティの生きづらさを描いた映画には、1999年「ブロークバック・マウンテン」や2005年「ボーイズ・ドント・クライ」など色々ありますが、今の日本における現状を描くことに意義があったのだと思います。


そして、たぶん女性は「ミッドナイトスワン」にすっと入りこめる人の方が多いんじゃないかと思いますが、男性が観たときどう感じるかが気になります。てか、LGBTQとかよくわかんねという男性にこそ、どんどん観てもらいたい!! 


そして、たくさんの人が観ることによって、人々の捉え方はもちろんのこと、LGBTQの人が不自由さを感じる制度なども変わっていくといいですよね。韓国で、映画の影響によって法律が変わったりしているように。