一つ前の記事で、キャッチと聞くと「Catch Me」が浮かぶ……と書き始めたら止まらなくなったので、別記事として書くことにしました。
東方神起に興味がない人でも、恋愛や男女の心理に興味がある人には読んでもらいたいです(笑)。
◇◇◇◇◇
ワタシの中で東方神起が「Catch Me」は、歌唱も含めて「音」を堪能する曲でした。
ゴリゴリのエレクトロだし、中盤の展開はプログレみたいだし、歌唱はアグレッシブで力強いし。ある意味、音で満足していました。
で、歌の内容については、去ってしまう恋人への哀しみを歌っているのね……くらいに捉えていたのです。
が。
ふと韓国語バージョンの歌詞(の和訳)を見てビックリ。
……内容、逆じゃないすか!!(驚)
日本語の歌詞からは、去っていく恋人&「行くな」と言えない自分、という内容に聴こえたのです。
でも、韓国語の歌詞を読むと、去って行くのは自分。そんな自分に「行くな」と言わないのは相手。
ちなみに、コチラが日本語歌詞。
つまり、彼女が自分を引き止めてくれないことが悲しいわ腹が立つわでイライラが止まらない、地団駄踏みまくりの男の歌!!
……うん知ってたよ、という人もたくさんいると思うんですが、日本語バージョンしか聴いてなかった方にはワタシのように逆に捉えていた人もいると思うんです。
ちなみに、コチラが日本語歌詞。
コチラが韓国語歌詞の和訳。(『歌詞和訳で学ぶ韓国語』というサイト様にリンクさせていただきました)
でもこれ解釈によるのかも?と思い、韓国語歌詞の和訳サイトをいくつか拝見したところ、ワタシが見た限りでは皆さん、去っていくのは「自分」として訳してました。
で。
今の時代、もっとそういう曲が出てきてもいいですよね。
◇◇◇◇◇
でもこれ解釈によるのかも?と思い、韓国語歌詞の和訳サイトをいくつか拝見したところ、ワタシが見た限りでは皆さん、去っていくのは「自分」として訳してました。
……うーん……これ、日本語歌詞は、あえて原曲とは男女の立ち位置を逆にしたんですかね?
いや日本語バージョンも、去るのは自分と解釈できなくはないんですけど……
でも、このサビ。
「行くな 言えないのか 馬鹿だな
何を期待したんだろう 今さら」
「どうせ別れるなら
その前に hurt me I can't let it go
理由を教えてくれ」
……を聴いたら、去って行く相手を引きとめたいけど引きとめられない男の歌、に聞こえませんか? (少なくとも先に韓国語バージョンを聴いていなかった場合は)
たぶんそういう内容にした方が歌詞としてスタンダードではあるので、日本語の歌詞はあえてそっちにも、というか両方に解釈できるようにしたのかな……と、ちょっと思いました。事実はわからないですけど。
で。
さらに思ったこと。
韓国語バージョンの方が、主人公の男性のイライラ度がハンパない(笑)
たとえば、ここ。
「行かないで 一言も言えない このバカが」
これ、最初自分のことを言ってるのかと思いきや、違うんですよね。相手のことをバカ呼ばわり!(笑)
日本語の歌詞でも、
「行くな 言えないのか バカだな」
とは言ってますけど……だいぶニュアンスが柔らかいですよね。
ってことは、訳し方によるのかな?と思い、またまた韓国語歌詞の和訳サイトをいくつか拝見したんですが、どの方も韓国語の歌詞は「このバカが」と訳していらっしゃる。てことは、韓国語で普通にそう言ってるんですよね、きっと(笑)。
まぁ、もしかしたらバカという言葉のニュアンスが日本語と韓国語とで多少違う部分もあるのかもしれませんが……。
しかし、韓国語バージョンの主人公の理性崩壊っぷりはこれだけでは終わらないのであった。
「離れてしまう前に
俺をつかまえて止めて泣いて叩いて」
……つかまえて止めて泣いて叩いて……つかまえて止めてだけならまだしも、泣いて叩いてですよ?間違いなく理性が崩壊してます。 (オイ)
もっと感情を見せてくれ、もっとボロボロになってくれ。でないと不安で不安でしょうがないんだよ!と心の中で叫んでいる。
どんだけロボットみたいな彼女と付き合っていたのかと若干同情したくなりますが。そして、相手の気持ちが分からず不安になってしまうのは、恋をしたことのある人間なら誰もが理解できる心理だとは思いますが。
しかし、この主人公(男性)の行動パターンには、そんな普遍性に収まり切らない大きな特徴があるのであった。
それは……ものすごく女性的だということ!!
本当に離れたいわけではないけど、相手が止めてくれるのを期待して、離れようとしたり、それをにおわせる発言をしたりする。
これ、女性がよくやるパターンです。
相手が追ってくるのを期待してケンカの途中で立ち去る、とかね。
男性はあんまりこういう面倒くさいことはしません(笑)。
それを念頭に置いて、もう一度さっきの歌詞を見てみましょう。
「離れてしまう前に俺をつかまえて止めて泣いて叩いて」
……女子か!!(笑)
いやもう、言葉遣いを変えたら、完全に乙女です。この主人公。
なんでひきとめてくれないの……!?と。心で泣いているわけですよ。
そんな主人公が夢中になったということは、相手の女性は彼とは真逆の男性的なタイプなのでしょう。心の中を言葉で表現するのが苦手で言葉足らずなタイプ。
当然、行動と言葉の裏を読むことなぞできないので、去ろうとする彼にすがることはない。
とはいえ去られるのは嫌なのでメールは書こうとする。が、うまく書けず途中で破棄。その後、何がいけなかったんだろう……と考えてみるも、数分もしないうちに寝落ち(このタイプは考え事をすると眠くなる)。
一方主人公は、「あいつはもうダメ!バカ!」と友達に毒を吐きまくるも、家に帰ると今日もメールが来ないことに肩を落とし、枕を涙で濡らす。いつか彼女が自分を引き止めにやってきてくれることを夢見ながら……。
以上、Catch Me劇場でした。
いやぁ、ワタシにこんな勝手な妄想までさせてしまう、ヨンジン先生のエモーショナルなサウンドと味わい深い歌詞……最高です! (ほんとスミマセン)
あのアグレッシブなメロディとサウンドの裏に、こんなに乙女な主人公が潜んでいたなんて……!(ってワタシがちゃんと読んでなかっただけなんですけど。)
いやマジで、この曲を見る目が、いや聴く耳が変わりそうです。
ユノとチャンミンの歌唱にも、これまでとは違う味わいを感じそう。中盤のチャンミンのおたけびは、「なんで引き止めねーんだよーー!!!」って心の叫びか……とか。
ともあれ、男性視点の歌詞で、感情を見せてくれない恋人への悲しみや苛立ちをここまで強く叫んでいる曲にたぶん初めて出会ったので、少し感動すら覚えました。
強い女子もいれば、乙女な男子もいる。いろんな人間がいて当然だし、そういうそういう歌詞があって全然いいと思います。
今の時代、もっとそういう曲が出てきてもいいですよね。
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と、書きながら、この曲を歌う二人自身について感じたことがあったので、アメンバー限定記事に書きました。限定にするほどの禁断の内容ではないですが(笑)、よかったらそちらもどうぞ。