アメリカの人気テレビドラマ
「グリー」で使われたことなどから
近年改めて人気が出ている
アメリカの大御所ロックバンド、
ジャーニー。

先日、武道館でのライブを
観てきたのですが、
いやぁ素晴らしかったです。

ワタシが初めて彼らを知ったのは
小学生の頃なのですが、
本当に世代や年齢や
趣味嗜好を超えて
人の胸に訴えかける力を持つ
バンドであり楽曲だなと。
改めて感じ入りました。

いいものはいい。
そう言いたくなる音楽。

そして、
「Don't stop believin'」が
なぜこんなに
多くの人の心をつかむのか。

これはかなり興味深い題材です。

というのも、
パッと聴いた印象では
ストレートでひねりがない、
単純で大味な曲だなと。
そう感じる人もいると思うのです。

でも、実はいろいろ、
ものすごく絶妙。

語りだすときりがないのですが、
その最たる部分がココ。
曲の最後の最後になって初めて
タイトルの「Don't stop believin'」
というフレーズを出すところ。
ここ最高。

しょっぱなから
Don't stop believin'と連呼してたら
絶対こんな名曲になってません。


歌詞は序盤から描写に徹していて
感情的なフレーズは
ほぼないに等しいんですよね。

夢を抱いて列車に乗る若者。
皆が成功するわけではない現実。

そんな情景を歌う中で
メロディーの盛り上がりと共に
歌う側と聴く側の想いは
どんどん高まっていく。

そして、最後の最後に
Don't stop believin' という
フレーズにのって爆発。

人の意志が入ったフレーズが
ここで初めて出てくるのです。

それでも、それでも
Don't stop believin' なんだよ、と。


…この構成を無意識に
やってのけたんだとしたら
ジョナサン・ケインと
スティーブ・ペリーと
ニール・ショーンは天才
(もしくはこのうちの誰かが天才)、
ってことになるでしょうし、
彼らはプロデュースが必要な
タイプだという話から推測すると
プロデューサーのマイク・ストーンが
素晴らしいセンスの持ち主なのかも
しれません。

人の心の琴線に触れる
音の作り方を分かっているというか。
(ちなみに彼は、クイーンの
初期の数々のアルバムのエンジニアとして
活躍した人でもあります)


あと、
ほっとくとガンガン弾きまくるタイプの
ニール・ショーンが
ものすごくシンプルなギタープレイに
徹しているのも
この曲を名曲たらしめている
重要な要素の一つかと。

先日のライブでよく分かりましたが
本来、弾きまくれるテクを持ち、
弾きまくりたいタイプ。
その彼が衝動と手癖を抑えている。

だからこそ、いざ出番となったソロでの
一音に込められた熱さが
ハンパない。

「自信があるなら弾きすぎてはならぬ」
ってやつですね。

Don't stop believin' のフレーズが出てくる直前のギターソロは
めちゃくちゃシンプルで
めちゃくちゃグッとくる
名演奏だと思います。



エスケイプ/ジャーニー

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(音楽はいいけどジャケットは…)