◆名もなき生涯
(c)2019 Twentieth Century Fox
監督:テレンス・マリック
出演:アウグスト・ディール、ヴァレリー・パフナー、ブルーノ・ガンツ、マティアス・スーナールツ、
マリア・シモン、ミカエル・ニクヴィスト ほか
●ストーリー:第二次世界大戦時、ヒトラーへの忠誠を拒絶し、ナチスに加担するより
自らの信念に殉じた一人の農夫がオーストリアに実在した。彼の名はフランツ(アウグスト・ディール)。
山と谷に囲まれた美しい村で、妻のフランチスカ(ヴァレリー・パフナー)と3人の娘と暮らしていた。
戦火が激化し戦争に駆り出された彼は、ヒトラーへの服従を頑なに拒む。
直ちに収監され裁判を待つフランツを、フランチスカは手紙で励ますが、彼女自身も
村で裏切り者の妻としてひどい仕打ちを受け始める──。
観終わった時、大河小説を読み終えた気分になりました。それも文豪が書いた作品ではなく、
私たちのように名もなき人物が書いた小説です。普通の農夫が、これほどまで頑なに自分の
意志を通して、ヒトラーを、戦争を拒んだ。人間は弱いものだから、自分や家族の命を守ろうと
します。そうしなかったフランツや、彼を信じ、愛し続けたフランチスカの生き方に頭が下がります。
誰だって戦争は間違いと分かっている。しかし、世の中に流され、間違いが正当化され、
洗脳されてしまう。いつの時代にも沢山のフランツがいるべきだと思います。
「名もなき生涯」は、2月21日(金)からシアターキノで公開になります