番組で紹介した映画です。
●未来を花束にして●
出演:キャリー・マリガン、ヘレナ・ボナム=カーター、ベン・ウィショー、メリル・ストリープ他
監督:サラ・ガウロン
ストーリー:1912年のロンドン、劣悪な環境の洗濯工場で働くモード(キャリー・マリガン)は同じ職場の夫サニー(ベン・ウィショー)と幼い息子ジョージと3人で暮らしている。「女性社会政治同盟」への警察の取り締まりが強化される中、モードに大きな転機が訪れる。公聴会で工場の待遇や身の上を語り「違う生き方を望んでいる自分」を発見、同盟のカリスマ的リーダー、エメリン・パンクハーストの「将来生まれる少女たちが、兄や弟と同じ機会を持てる時代のために闘うのです」という言葉がモードの心に響き、徐々に運動に参加するようになり…
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この映画の原題は「サフラジェット」といい、女性の参加権を求める活動家の蔑称としてイギリスのマスコミが作り出したものですが、やがてその呼び名が女性運動を指す言葉として定着しました。監督のサラ・ガウロンが「こんな驚異的でパワフルな物語を、今までどうして誰も映画化しなかったのが不思議でした」と語っているように、私も同感です。実在の人物、実際にあった出来事、今まで彼女たちのことを知らなかったのが、同じ女性として恥ずかしく思いました。サフラジェットたちがいたからこそ、今の女性の地位があるのですね。
洗濯女は死ぬまで洗濯女、彼女たちの娘たちもまた洗濯女として生きていかなければならない世の中で、モードは厳しい状況になっても自分の信念を持って生きていく。当時の労働者階級の女性にとっては、相当な覚悟だったに違いありません。彼女の力強さには脱帽です。
「男女平等」…性別がある限り解消される問題ではないかもしれません。お互いの性を尊重し合うことでベストの関係が築かれるのではないでしょうか…。
女性だけではなく、男性にも是非観てもらいたい作品です。
しかし、出番は少ないですがメリル・ストリープはさすがの貫禄!
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シアターキノで公開中。