平成が終わり令和を迎え、なのになかなか書き出す事ができませんでした。
いつもなら次の話までにはって自分に締め切りを課して書き上げるんですが、今回次週が総集編なんで2週間空くとなると、すっかり腑抜けの抜け殻に…
そしてここしばらくのアメブロにも寄り付かない体たらく(´-﹏-`;)
けど、そろそろ腰を上げなきゃですね。
アバッキオとリゾットの最期、自己満やけど自分の言葉で書き留めなくっちゃ。
ネタバレ有りの感想です。
原作は既読ですが手元に無いので考察もへったくれもない、いち視聴者の感想になります。
リゾット…やっぱりただではやられなかった…!
ボスが教会でブチャラティと対峙した時にかました的外れな戯言と同レベルの
『お前の部下達を葬ったブチャラティ達の前で次第に次第に死んでいくのは人生の終わりとして屈辱ではないのかね?しかも奴等はお前のことなどあっけない敵と思ってる』
を華麗にスルー。(けど誇りを失わなかったとか見事だとかリーダーを称える姿勢は悪くないんじゃあないかなぁ、ボス)
エアロスミスを利用し返してボス諸共地獄への道連れを狙う。
ナランチャ利用されっぱなのな(~_~;)
そしてこの諸共作戦、切に成功して欲しかったよッリーダー…!
あ、リーダーが逝ってしまうのはイヤだ…けど…複雑
ブチャラティがリーダーを
『多分両者共予想以上の能力だったので生き残った方も今負傷しているのだろう』
って力量を認めて、あっけない敵と思わないでくれて良かった…
リーダー、やるだけやっても届かなかった、無念さに身を引き千切られるような思いだろう。
けど、リーダーの乗るバスが連れて行く場所にはきっと奴らが待っている。
リーダーの、仲間に報いる為に死にものぐるいで独り闘い抜いた姿を奴らは知っている。
だから、救いは……
いや、こんなん甘っちょろい綺麗事だよなぁ…
どれだけリーダーのやった事の意味を上書きしようとしても、やっぱり彼の無念はサルディニアで置き去りになるんよな。
厳しい…そして虚しい…
人ってさ、なんなんやろうな…
ブチャラティがその優しさからトリッシュという女の子に肩入れして、ボスを裏切り命のロスタイムに突入してしまったり、ティッツァーノがボスの司令とは多分、別の感情からスクアーロを庇って命を落としたり(スクアーロもしかり)
ジョジョ5部は、人間の柔らかい情が仇となってしまうことが繰り返し起こる。
そして、アバッキオもサッカー少年へ見せた優しさに付け込まれてしまう。
アバッキオの一瞬見せた笑みが彼が昔、街を守るお巡りさんだったことを思い出させてきやがる…辛いぃ…
アバッキオにブチャラティの生命力を分けたってくれ…おんなじ腹パンやのになんでぇ?
なんでアバッキオはどうにもならないのおおぉぉお(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
そして、アバッキオの目の色が消える直前の、鬼の様な形相。
花京院が最期のメッセージを時計台に刻んだアレとおんなじ類のヤツ…?
『メ…ッセージ……で…す… これが…せい…いっぱい…です 受け取って…ください…伝わって……ください …』
お巡りさんへ声をかけるアバッキオ。こーいう時の声掛けが操作の邪魔をしてしまうって知ってるから遠慮がちなんかな。
嫌な顔せずに丁寧に自分の捜査内容を説明するお巡りさん。
『もし見つからなかったらどうするんだい?指紋なんて取れないかも…いや…それよりも見つけたとして犯人がズル賢い弁護士とかつけて無罪になったとしたら…あんたはどう思ってそんな苦労をしょい込んでいるんだ?』
この問いの答えを警官時代のアバッキオが教えてもらっていれば、彼の警官人生はこの先も続いてたんやろうか。
『そうだな…私は結果だけを求めてはいない。結果だけを求めていると人は近道をしたがるものだ。
近道した時真実を見失うかもしれない。やる気も次第に失せていく。
大切なのは真実に向かおうとする意志だと思っている。
向かおうとする意志さえあればたとえ今回は犯人が逃げたとしてもいつかは辿り着くだろう。向かっているわけだからな』
染みる…穏やかで深みのある声だ。
優しく諭すようにアバッキオに、そしておそらくは私らに、語りかけてくる。
このセリフで思い出すのが、アバッキオとブチャラティの出会い。
ブチャラティが
『大切なのは結果ではなくそこに至る道筋だ』
ってアバッキオを諭すシーン。
今回のアニメのクオリティの高さには、足向けて寝れない位スタッフには感謝してるんやけど、ブチャラティが言うべき台詞では無かったなって改めて思う。
だってアニメやと今際の際にブチャラティの台詞をアバッキオが思い出してる様にアニメ初見の人は受け止めてしまわないかなぁ?
警官がここで言うからこそ、意味を成す台詞と思うんやけどね…
『でも駄目にしちまった。俺って人間はな。くだらない男さ。何だって途中で終わっちまう。いつだって途中で駄目になっちまう…』
アバッキオの横顔…この時点でもう泣き出しそうだ。
正直、彼が涙を流すシーンと同じ位、この横顔を見た時の衝撃は大きかった。
アバッキオ…自分への失望をこんなにも深く強く抱え込んでいたのか。
そして、結果に辿り着けないことを嘆いている台詞を吐く。
アバッキオは結果が残せない中途半端な自身を卑下して悔やんでいたんよね。
『あのバスに乗るんだ!思い出して来た…そうだ!もう行かなくては!俺は仲間の所に戻らなくては!』
今回の回想でアバッキオが悔みに悔やんでずっと抱え込んでる思いに改めて触れたんやけど、
『仲間の所に戻らなくては』
この台詞のおかげでアバッキオは新たに自分の居場所を見つけてもいたんやなって思えて、私の心はちこっと救われたよ…(号泣)
その居場所とブチャラティ達の存在が、彼の意志を生き返らせたし、今回の再会へと導びいてくれたんだ。
『忘れたのかアバッキオ。お前はあれに乗ってここに来たのだ。ここは終点なんだ。もう戻ることはできない』
けれど、アバッキオの事を知っているお巡りさんの言葉は無情だ。
この時のお巡りさんの静かやけど強い意志を秘めた
『戻ることは、出来ない。』
が刺さって抜けない。
この世とあの世を隔てる線、それを踏み越えてしまったって事実を明るみにし、アバッキオはそこから目を背ける事は出来ない、そんな厳しさを含んだ響き。
アバッキオは逝ってしまったんだ。
モノクロだった二人と景色に、差し込む日の光が色を付ける。
ここぞでアニメが最良の演出でアバッキオの心情を描き出すんだ。
神がかってるわこの場面。言葉が無い。
自分の身に起こった全てを理解したアバッキオはにわかに声を震わせ、一筋の涙を流す。
『アバッキオ。お前は立派にやったのだよ。
そう。私が誇りに思うくらい立派にね…』
アバッキオが賄賂を受け取ったせいで命を失った同僚。
その同僚がいつも中途半端で駄目にしてしまうと嘆くアバッキオに、そのことは無駄では無い、大切なのは向かおうとする意志だと諭して、彼の心に長年巣食っていた悔いを晴らしていく。
ブチャラティ達の影響で意志が生き返っても、同僚からの赦しでないとアバッキオは真に救われることはなかったってことか。
ちゃんと、同僚の元に辿り着けて良かった…
『アバッキオともあろう者が…』
こんなに取り乱して悔やむのかよぉ…ジョルノォ(T_T)
アバッキオがいの一番に船に乗り込んでくれたの、心の底から嬉しそうな笑顔で迎え入れてた事を思い出す。
ジョルノはアバッキオを信頼してたんよね。
ミスを認めるブチャラティと何も言わないミスタ。
ブチャラティはこの後、前に進む為に非情な決断を下す。
そしてミスタ、触れたら爆発しそうな感情を抑え込んでる姿が痛ましい。
アバッキオの死を受け入れられなかったナランチャ。
ジョルノがバランスを崩しアバッキオにぶつかった際、無反応な姿を目のあたりにして彼の死を実感する。
『アバッ……キオ…』
ここも太陽が真実を明るみに。アバッキオが涙を流すのと同じ様に、ナランチャの頬にも一筋の涙が。
『ここに置いて行くのかよブチャラティー!!アバッキオを一人ぼっちで置いて行くのかよぉー!!置いて行くなんて俺は嫌だよぉー!!』
泣きじゃくるナランチャとは対照的に、非情に徹してアバッキオを残して立ち去る決断を下したブチャラティにそれを受け入れるジョルノとミスタ。
彼らだって、本当は置いて行くなんてしたくない。悲しみを露わにして彼の死を悼みたい気持ちを堪えて耐えている。
せめてナランチャが精一杯置いていくことを拒んでくれた事で、少しは心の重みが取れていてほしい。
天使が梯子を掛けて降りてきた。
まだ魂はこの海岸にいるのかな。ナランチャが泣き崩れてる姿を、力無く項垂れるジョルノを、無言で堪えるミスタを、少なくなってる体内の血が溢れ出る程、強く唇を噛み締めるブチャラティを…アバッキオ、見ててくれてる?
『とっとと気づきやがれッ!』
って案外アバッキオはヤキモキしてたかもしれん(笑)ブチャラティ立ち去ろうとしてたし。
ナランチャがぶつかった事で腕の位置が変わらなかったら、石が握られてたことジョルノは気づかけなかったかもと思うと、ここで起きた出来事に無駄な事は一つもないって実感する。
アバッキオとジョルノって最後まで微妙なままだったと思っていた。
けれどアバッキオは最期に自分の居場所だと告げたブチャラティではなく、気心知れた仲間二人でもなく、気に入らねぇジョルノへ重要な手掛かりを託した。
距離はあったけど二人の間に信頼関係はきちんと築かれていたんやな…
『アバッキオ。お前は立派にやったのだ。そしてお前の真実に向かおうとする意志は後の者達が感じ取ってくれているはずさ。大切なのはそこなんだからな…』
大いなる手掛かりを得て、サルディニアを去るブチャラティチーム。
その後ろ姿を見届けて天へ昇るアバッキオと同僚。
道は違えども思いは同じ。もう姿をみることは叶わないけど、ちゃんと受け継がれていく意志があるんだ。
夕日に色づくジョルノが手向けた黄色の野花。
アバッキオを隠すように覆ってるのか、アバッキオが野花となってサルディニアの地に埋葬されるのか。
個人的には故郷に連れて帰ってあげて欲しい。全てが終わったらまたジョルノ達、サルディニアにアバッキオを迎えに来てくれることを願ってる。
諏訪部さん、アバッキオのきめ細やかな感情の揺らぎを完璧に演じて下さってありがとうございました。
あなたがアバッキオで本当に良かった。