異世界転生ものとは物語の一ジャンルで、何らかの理由で亡くなるなどした主人公が異世界で新しい人生を始めるという形態を取っています。その魅力は、読み手が背負っている人生での挫折や失意を、物語を通して癒やしてくれるところにあるのだと思っています。

 

もしも私が異世界転生したなら叶えたい願望はなんだろうかと考えてみました。私は異世界初のマヨネーズを作ってドヤ顔をしたいわけではないですし、特殊な能力を得て無双したいわけでもないのです。神になるとか大冒険するとか世界を救うとか、そんな元気も湧いてきそうにありません。

 

私は自分自身の寂しさというか強欲さに改めて気付かされるのです。私は愛した分だけ愛されたいし、慈しんだ分だけ慈しまれたいのです。そんなことは有り得ないことですが異世界転生すればアリなのかもしれません。

 

そんな願望を持つ自分自身を見つめていると、もっと恐ろしい心に行き当たります。私は自分だけのために生きて自分だけのために死にたいのです。人のことなんて考えていません。ここで世界を救うとかいう夢を見る人には敬意すら感じます。私は誰かのための尊い人生なんて望んでは居ないのです。自分さえ良ければ良いのです。私はそういう人間です。