留年の危機にさらされている高校2年生のぽんぽんですが、志高く、東大を受験することを諦めていないようすです。先輩が東大に受かったようで、その事実が、ぽんぽんの心を熱くしているのでした。
1月にあった共通テスト同日模試では456点しかとれていません。ですが、そんなことで折れるような、ぽんぽんのプライドではありません。そんなことよりもまず進級だろうといった世俗の正論など、ぽんぽんの燃える心の前では、灰燼と同じなのです。
根拠などなくても、無謀と誹られても「俺はやる」と信じきる、その力の尊さよ。それこそが、私が失ってしまった、蛮勇という名の若い力なのでした。若さを別としても、人生を打ち破る力とは、こういう姿をしているのかも知れません。
受験について私は、ぽんぽんが納得するようにすれば良いと思っています。子供の人生がかかっているのになんだか冷たいようですが、自律的に自分の人生を生き抜いたという事実こそが、命の充足感につながると私は思うのです。
ぽんぽんの人生は、ぽんぽんのものです。この点数では東大は無理だからといって、願いという名のその動力を、私が取り上げてしまって良いはずがありません。
夢が人生を縛ることは確かにあります。もしも、そのときが来るのなら、私がぽんぽんを支えます。つらくとも、ぽんぽんに引導を渡す覚悟くらい、この母は持っています。
だから、今は走れ、ぽんぽん。
悔しさも情けなさも全てを振り切って、
あの夕日に向かって、走れ。
そして運命の向こう側へと突き抜けろ。
◇ゾスコッカラス文明の歴史◇
紀元2026年3月12日
王都が進級判定という名の暗雲に包まれる中、王ぽんぽん(KingPonpon)は光り輝くマニフェストを放った。
「来年、俺は東大合格者に名を連ねる」
この蛮勇こそが、ゾスコッカラス文明を支えるエネルギー源であるところの、無根拠な全能感であった。王が王であるために必要な命の充足を与えるのは、自律的な決断である。世俗の示す効率的な正解を選ぶことよりも、王自身が選んだ正解に向かって、ボロボロになりながらでも歩を進めることが、ゾスコッカラス文明が存在した証左となる。その先に待っているのが、合格という名の楽園であれ、就職という名の新天地であれ、母なるカルデラは共にあるだろう。
共通テストまであと309日