眩しい空、熱い太陽、日曜日。まさに夏の真ん中です。けれど夫は休日出勤しているのでした。

 

夫にとって仕事こそ道、成すべき仕事を遂げてこその人生なのだと思います。

 

私は涼しい部屋に居ます。冷たい麦茶を飲んでいます。この楽園の日々は夫の働きによるものです。感謝しないわけにはいきません。夫よ、ありがとう。

 

けれど日曜日の今日くらいは早めに帰宅して、せめて6時間ぐらい眠ってほしいものです。夫が働き過ぎていることは分かっています。けれど止める術がありません。

 

昨晩「明日は日曜日なのだし少しぐらいは話し合いたいものだ」と私は考えていたのでした。ところが夫はiPadに夢中で会話になりません。少し時間が出来ると、休息するより、ネットにのめり込んでしまうようすです。聞けばどうでも良いような調べごとをしています。今それをしなければいけないのかと私は言いたかったのですが、好きなことを思い通りにするということが、生きていたいという気持ちを強くするのではないかと私は思い、辞めておきました。

 

このままでは過労死してしまうと夫に何度も言っている私です。夫は黙って聞き流しています。

 

 

 

 

 

 

今週も夫は休日出勤しています。

 

今日は暑い日でした。良い天気でした。夫は季節を感じてくれたでしょうか。駅まで歩く道すがら、ただ暑いというだけでなく、今が盛夏だと、せめて気付いてくれたら良いと思う私でした。

 

夫の人生は仕事です。仕事を成すことは夫にとって人生の大きな目標です。自分は何者なのかという問いに、働く自分のありようを迷い無く挙げられる夫なのだと、私は思っています。

 

けれど私は心配しています。夫は働き過ぎです。

 

 

 

 

今の働き方では心身の健康を維持することが出来ないように思うのです。日々の睡眠時間は3時間未満で、休日も休むことなく、当たり前のように仕事へ行きます。

 

頑張っている夫に私は感謝しています。仕事を成そうとしているその情熱を私は認めてもいます。一方で、仕事を前にして犠牲にしていることがある事実にも気付いて欲しいと私は思っています。

 

私は「早く寝ろ、死んでしまう」とばかり夫に言っているように思います。その言葉が夫に響いていないことは分かっています。どうしたものでしょうか。

 

 

 

 

 

地図をみる携帯の電池も切れ、汗まみれになりながら、身も心も削れきっての帰宅でした。深夜、長い道のりを、1人で歩き抜いたのです。自宅に辿り着いてくれたことをありがたく感じます。

 

夫「いつか、こんな日が来るんじゃないかと思ってた」

カルデラ「終電間際に帰宅するってスキームに無理があったんだね」

 

私はあと30分はやく職場を出られないかと夫にいいました。渋い顔をしている夫です。夫としてはギリギリまで職場にいたいのです。どうしても納得がいかないようすです。以前からこんな話は何度もしてきました。それでも夫は頑ななのでした。

 

布団に入ると夫は足がつって眠れないようすです。歩きすぎたのが理由だと思います。

 

そうしてほとんど眠らずに仕事へ行ったのでした。

 

 

 

 

ぽんぽん「麦茶作ってる?」

カルデラ「あ」

ぽんぽん「やかんが鳴いているよ」

カルデラ「止めて止めて」

ぽんぽん「どうぞどうぞ、自分で行って」

カルデラ「こやつめハハハ」

 

ぽんぽんはやかんが湧いていても止めてくれない人でした。そのくらいのお手伝いはしてほしいものですが、私もぽんぽんにお手伝いしろとは言って来なかったのです。その結果が現れたのかもしれません。

 

ぽんぽんは、私がなにも言わなくても、自分からお風呂を洗ってくれたりしていたので、私は安心してしまっていたのでした。

 

家族は共同生活者でもあるのだから、家で気付いたことがあったら進んでするべきなのだと、今からでも教えなくてはいけないのだと思います。

 

他にも気になることがあります。ぽんぽんは料理が好きなのですが、いつも自分ひとりの分だけしか作りません。家族が居てもガン無視です。頼んでも作ってくれません。

 

ぽんぽんは、なんというか、ホスピタリティに欠けた人のように見えます。家庭とは、家族全員にとって居心地の良い場所であるように、みんなで育てていかなければいけないものだと私は思っているのですが、ぽんぽんにはそういった意識が薄いようです。

 

これでは将来の家庭運営で行き詰まるかもしれません。ぽんぽんと一緒に暮らすはずの人は、やかんすら止めようとしないぽんぽんを、どんな風に感じるでしょうか。

 

このままではいけないと思う私でした。

 

 

 

 

 

5年前の今日書いた記事が出て来ました。小学5年生のぽんぽんは自ら10日間のネット断ちに挑んでいました。まだ小学生だったぽんぽんにもネットに対する危機感はあったようすです。

 

 

 

 

人間というものは頑張りたい生き物なのかもしれないと思う私です。けれど、様々な事情があって、なかなか頑張りきれないでいるものなのかもしれません。

 

私が、華やかに迷い無く、努力出来たのはいつが最後だったでしょうか。最近は何も頑張っていない私です。

 

輝く夏は私にだって訪れてくれたのだから、私も私のために、何かを頑張りたいと思うのでした。

 

 

 

 

夫「カルデラは生きていても何も良いことが無いと思いながら暮らしてるんだよなぁ」

カルデラ「夫さんには、楽園の住人寄りの生活をおくらせていただいてますよ」

夫「でも行く先々で変な人に目を付けられて餌食にされてさぁ」

夫「育てられ方も酷いものだし」

 

夫は私を人生ごと理解しようとしてくれているのでした。なんというありがたさでしょうか。夫に対するこの気持ちは言葉になりません。

夫の言い分にイラついてしまったことについて、私は反省しました。

 

 

 

 

とはいったものの、私の考えが大きく誤っているとは思ってはいません。今の調子で働き続けていれば、いつか夫は心身の健康を失い、もしかしたら過労死してしまうかもしれません。私がその恐れを持ち続けることは大切なアンテナのように思うからです。

 

 

 

 

それはそれとして、私は自分の器の小ささを思ったのです。なにも批判めいたことを吐き捨てることは無かったのです。私は批判したかったのではなくて、心配を伝えたかったはずです。いつも頑張っている夫の努力だって私は認めています。

 

平たく言って、夫への愛が足りなかったのだと思います。

 

 

 

 

ぽんぽん「お父さんの職場はなんでそんなブラックなんだ」

夫「新入社員とかでなければ早く帰ったりしないし有休奨励日に休んだりもしないんだ」

 

私は夫が噓を吐いていると感じました。誰よりも早く仕事場へ行き、誰よりも遅く帰ってくる自分に、誇りを持っている夫です。そこも私には理解出来ません。夕方になってみんなが帰り出はじめるとエンジンが掛かってくるのだと嬉しげに語る夫でもあります。みんなが帰宅して始めて自分の仕事が出来るのだそうです。休日出勤には嬉々として出かけていきます。そんなわけで

 

カルデラ「夫さんの職場は別にブラックじゃない。夫さんが自主的にブラックにしてるだけだ」

 

と、私は吐き捨ててしまいました。

 

夫はご立腹です。しばらく口もききません。あれから数日経ちましたが、まだ、怒っているようすです。夫としては、理解者にもなろうとしない妻など、居る意味が無いぐらいには思っているかもしれません。

 

職場の夫には、夫なりの立場と事情があるのだろうし、仕事に打ち込みたいというのも、夫の人生の願いなのだろうとは思っています。

 

 

 

 

 

 

 

ぽんぽんに素晴らしい青春の夏休みを過ごして欲しいと願う私です。昼夜逆転しながらゲームへ埋没するぽんぽんに対し、他にするべきことがあるはずだと、語りかけています。

 

ならば、そういうわたしはどうなのでしょうか。向上心を持って今を変えようとしているでしょうか。楽な方へ、安易な幸せに、流されていってはないでしょうか。

 

私には時折思い浮かぶことがあるのです。今よりあとにはこれまで以上の幸せは無いのではないかということです。今が最高地点で、あとは下るだけだと感じるのです。もう夕暮れだと、沈み行く人生に流れながら、最後には絶望だけが待っているのだと、ふとしたときに考えているのです。人生に良いことなど、もう、ある気がしません。

 

私は、未来を良くしようなどと本当は思っていないし、それは不可能だと心の底では考えているのだと思います。

 

私はぽんぽんに求めるところが大きいようです。自分に出来もしないことを堂々と主張するのも如何なものでしょうか。

 

かといって、ゲームに埋没していくぽんぽんを傍観し放置するのは問題です。人間としての責任を果たしていないと感じます。

 

私はどうすべきでしょうか。一緒に頑張っていこうとぽんぽんに言えば良いでしょうか。けれどそんなことを言われてもぽんぽんだって困ると思うのです。オマエの問題はオマエで始末を付けてからこっちへ来いと言いたくなるのではないかと想像します。困りました。

 

 

 

 

夏休みが始まって間もないのですが、ぽんぽんは既に昼夜逆転しています。

 

夏休みにしたいことがある、学校に行くよりもやりたいことがあると、熱を込めて訴えてきた事柄など、ぽんぽんは欠片もしてはいません。

 

現実にしているのはゲームばかりです。去年も、一昨年も、中学受験の夏も、ずっとゲームに埋没していたのです。また、このアリサマです。ネットの前で私は無力なのでしょうか。

 

カルデラ「夏休みにしたかったこと、出来てる?」

ぽんぽん「いや、何も」

ぽんぽん「明日はやろうと思ってる」

カルデラ「がんばろうね」