秩序ある存在としてありたい母なるカルデラです。しかし、それは厚かましさの極致とも言える禁断の直訴でした。
母なるカルデラは、みずからのプライドをゾスの祭壇に生け贄として捧げ、その心臓を貫きました。そして、算数の偏差値が40台前半という致命傷を負っているのにもかかわらず「国語が凄いから褒めてほしい」と浜学園に迫ったのです。
だれかが聞けば、失笑するかもしれません。けれど、母なるカルデラは必死でした。ぽんぽんに「努力が報われたのだと感じさせてほしい」という、ただ1つの願いに突き動かされていたのです。
研鑽の鋼鉄宮「浜学園」たる知識の導師は笑いもせず優しく話を聞いてくれました。願いを伝え、お礼を言って、電話を切った後の母なるカルデラは、浅い息をつぎながら口を開け、しばらく宙を仰いでいたのでした。
研鑽の鋼鉄宮から帰宅したぽんぽんは、瞳を輝かせて言いました。
「ほめられたよ!」
「なんか、すごいって!」
「ちゃんと見ててくれてるんだなぁ」
ぽんぽんは研鑽の鋼鉄宮「浜学園」の導師から褒められるという、かつてない神託の加護を得たのです。「これで良かったんだ……」母なるカルデラは、自らの痛みと交換されたぽんぽんの喜びをまえに、緊張の糸がほぐれていくのでした。
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ゾスコッカラス聖句 孤独なる戦士への戒律
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己を知り外部の叡智を召喚すべし
「困ったときには人の手を借りましょう」という語句は一見すると穏やかな言葉に感じるかもしれません。しかし、孤高にある者としては、あるいは戦士として戦う者にとっては、それは自らの限界を認め、世界の理(ことわり)を動かすため恥を捨てるという、戦略的決断にほかなりません。手に余る困難があるのならば、臆することなく自己の欠落を外部の知性で埋め、ひとりでは到達しえないゾスを目指していきましょう。
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