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カホルのブログ

ス/キ/ッ/プ/ビ/ー/トを愛するカホルが思いつきで進めるブログです。
二/次/小/説を始めました。知らない、苦手という方は閲覧をお控えください。
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半パラレルになります。



それではどうぞいってらっしゃいませ。




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久しぶりに再会した時、俺ほどではないにしても随分印象の変わってしまった『キョーコちゃん』に気付くことはできず、やる気もないのに芸能界に入ろうとする苛立たしい少女としか思わなかった。
何故かは分からないが、俺と彼が同一人物だということを彼女は確信しているようだった。


「…人が待っているので手短に済ませて欲しいんだけど。」


過去を捨てた俺が、初対面の彼女に優しい言葉をかけるわけにもいかなくて無愛想に用件を促した。


「単刀直入に言うと芸能人なんてこれっぽちもなりたくありません。というか芸能人の特に男とは関わり合いにもなりたくありません。だからあなたのファンでも何でもありません。」


…強烈なカウンターで返されたが。思わず顔をひきつらせた俺の手のひらに、彼女は碧い石を押し付けた。それは、彼女の涙が少しでも減るように渡した…お守り。


「…これは?」

「昔、無邪気で何も知らなくて、夢見がちで騙されやすかった馬鹿な私が、自称妖精の男の子に貰った石です。…私の涙が減るようにって。」


無表情で尋ねる俺に、彼女は小さな棘をちくりちくりと突き刺していく。ああ…彼女はもう妖精を信じていないのか。


「…結局泣いたって誰も助けてくれないと気づいたので。石からその子が出てきて、助けてくれるわけでもありませんし?」


そんな事を言わせるほど、俺は君の事を傷つけた?彼女の言葉に傷つける立場じゃないのに、俺の心はどんどん波立っていく。仕方がなかったとはいえ、泣いていた彼女の手を無責任
に手放した自分なのに…。


「…あなたの初主演のドラマ見ました。海辺に立っていたあなたの朝焼けに透けた髪がきらりと光っているのを見たら…綺麗なグリーン瞳を思い出しちゃって……。」


一言も発せず、石を握りしめるしかない俺に、彼女は、遠くを見つめるように目を細め…綺麗に微笑んだ。


「過去を清算している最中なんですよ、私。他のものは全部処分して、残っているのはこれだけなんです。」


その時、俺はやっと彼女がここに現れた意味を理解した。彼女は捨てにきたのだ。俺が過去をすべて捨てたように…。


「あなたにあげます。辛い事や悲しい事をきっとこれが吸い取ってくれますよ。」

「君には…?もう必要ないの…?」


最初に捨てたのは俺の方なのに、彼女に捨てられるのがこんなにも苦しいなんて。自分の身勝手さに反吐が出る。


「あなたが自由に飛べるようになるように祈ってます。…頑張ってくださいね。」


立ち去る彼女を黙って見送るしかなかった。心配する社さんに、何でもないと返したが、その後の仕事内容はほとんど覚えていない。敦賀蓮となってから初めての失態だった。