半パラレルになります。
本日も蓮さん視点です。
それではどうぞいってらっしゃいませ。
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助けてあげられなくてごめんと謝る俺に、最上さんは、困ったように眉を寄せてこれは私の問題ですから、と手を差し伸べることをあっさりと拒否された。
彼女は、後輩としての線引きを明確にし、過去をにおわせるようなことは一切しない。自分で望んだ関係だというのに、開かれた距離に対する苛立ちが、最上さんへの対応を随分と冷たいものにさせてしまう。笑顔で誤魔化しても、俺の内心を敏感に察し怯えさせて自己嫌悪する。その繰り返しだ。
「フェミニストのお前が珍しいな。俺、お前はキョーコちゃんの事気にいってるんだと思ってたよ。」
「…根性は気に入ってますけどね、動機が気にいりません。」
敦賀蓮としては、明らかにおかしい挙動に、社さんにまで不振がられてしまって、敦賀蓮が言いそうな回答を取ってつけたように返した。純粋に芸能界を目指していない理由だって、俺のせいなのだから罪悪感は増すばかりだ。
俺が内心でどれだけ葛藤しようと関係なく、日々は単調に過ぎていく。
「本当に例のCMオーディション獲ったんだ…っ。それもラブミーコンビだぞっ。すごいすごい!」
興奮する社さんをよそに、俺は目の前の光景を見つめた。最上さんのCM撮影現場の近くで撮影していた俺たちは、通りすがりに立ち寄ってくれたマリアちゃんと共に見学へ訪れていた。オーディションを受けたのは知っていた。タレント部門の彼女がなぜ?と疑問に思ったものの、あの時は素直にアドバイスすることができてほっとしたのを覚えている。
「そうよっ。すごいのっ。お姉さまは養成所でもすごかったんだから!」
「養成所…?」
「ええ。LMEの俳優養成所よ。私そこでお姉さまと知り合ったの。あのね、仲良しになった理由はね……」
『俳優』…。乗り気ではなかったあの子の中で、一体どんな心の変化があったのだろう。請け負った仕事は、持ち前の責任感からしっかりとこなしていたのは知っていたが、これではまるで自ら望んでやっているようにみえる。
「売れっ子俳優様に見て貰えるとは、お礼を言った方がいいのかね。」
いきなり声をかけられて、声をした方を振り向けば、この穏やかな景色に似合わない筋もののような男性が立っていた。気がつけば、社さんとマリアちゃんは休憩中の彼女たちと談笑していた。
「貴方は…?」
「ああ…自己紹介がまだだったな。監督の黒崎潮だ。」
「敦賀蓮です。お邪魔させて頂いてます。」
随分不躾な視線で値踏みするように見られて居心地が悪い。
「ああ…キョーコはあんたの後輩だったか。」
ニュアンスの違いにわずかに眉をひそめて、こちらも注視した。今、『京子』ではなく『キョーコ』と呼ばなかったか…?
「ただの後輩の様子をわざわざ?」
「…いけませんか?」
いちいち引っかかる言い方が気にかかる。
「俺が何度誘ってもあっさり袖にしやがっていたのに、どうしていきなりこの業界に入ってきたのかねえ。あんた知らないか?」
「いえ…『キョーコ』とは昔からお知り合いだったんですか?」
…何度も?この男は彼女の何を知っている?対抗するように彼女の『名前』を呼んで、様子を窺った。
「よーく知ってる。アイツの本当のデビュー作を撮ったのもこの俺だからな。あいつは俺の『特別』だ。変な男には近づいて欲しくない。」
「…っ!?」
なんだこの男!?大体本当のデビュー作って何のことだ!?
「悪い。『ただの』先輩が知るはずなかったな。とにかくあいつに必要以上に近づかないでくれよ。」
目を見開く俺に、にやりと笑い黒崎監督は、自分の言いたい事だけを言い残し、呆然とする俺を置いて去っていった。
片手をあげながら、最上さんに近づいていく男に言いようもない黒いものが渦巻いた。その初めて感じる感情に名前を付けることは出来なかった。
情報交換する過保護姉弟wうっしーは、蓮=久遠の事は知りません。要注意人物として尚と蓮を知っているだけ。二人纏めて馬の骨www
そして無自覚蓮様(笑)彼は自分の気持ちにいつ気が付くのか…ぷっ。
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そして無自覚蓮様(笑)彼は自分の気持ちにいつ気が付くのか…ぷっ。