去る7月24日は今年(2024)の一の夏土用。ちなみに二の夏土用は8月5日なので、今年は盛夏に2回鰻を食べるチャンスがありそうですニコニコ。 

 

 日本列島全体が沸騰しているかのような猛暑つづきにいささかバテ気味・・・。ここはやはり鰻を食べて精をつけるに限るということで、上野広小路のとらふぐ料理“玄品(げんぴん)”さんへGoビックリマーク

 

 張り切り過ぎてお店の開店時間までまだ間があるので、近くの上野松坂屋でウインドーショッピングでもと行ってみたら、なんと8階の屋上広場の一画に立派な神社が鎮座しているではありませんか目

 

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 こぢんまりとしたスペースには石燈籠や手水鉢(ちょうずばち)もあり、

 

 鳥居は2基、狛犬も2対いらっしゃり、しっかりと御神域を守っています。

 

 由緒書きによるとここは“靍護(かくご)稲荷神社”といい、もとは京都の伏見稲荷から勧請された神社が根岸の里(現在の荒川区東日暮里)にあって、その神殿付近で見つかった豊川稲荷大明神の尊像が描かれた掛軸を、神璽(しんじ)とともに「松坂屋いとう呉服店(松坂屋の前身)」に祀ったのがはじまりだそうです。火防の神として広く知られ、1925(大正14)年の日暮里大火の際にもその御神徳により焼失を免れたと伝わるそうです。

 

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 そんなこんなで、ちょうど頃合いよく“玄品”さんに到着。

 

 駆けつけ一杯、冷たいビール生ビールで喉を潤したらコース料理のスタートです。突き出しは“ふぐの皮の湯引き”。コリコリしていて、ポン酢ともみじおろしがベストマッチ。

 

 湯引きに続いて“てっさ”と呼ばれるふぐ刺しが出てきます。これまた美味ラブラブ

 

 次は“トラフグの唐揚げ”に獅子唐、さつま芋の素揚げが添えられた一皿。香ばしい衣(ころも)の下の身はフワフワで、とってもジューシーラブラブ

 

 メインのうな重はご飯の量が大・中・小と選べるうえに、食べたいタイミングに合わせて焼き上げてくださる心配りがまた嬉しい音譜。お重の蓋を開けると湯気とともに蒲焼きの香ばしい香りがパァ~っと広がり、まるまる一尾を贅沢に、豪快に食する口福はも~たまりません照れ合格

 

 デザートは柚子シャーベット(手前)とナッツのアイスクリーム(奥)。この日いただいたコースは、ふぐ料理と鰻が両方楽しめる“玄鰻(げんまん)コース(松)”でした。土用丑の日にいただく鰻は、また格別な味わいがあるように感じます。

 

 ちょうど食事をしている最中にゲリラ雷雨に見舞われたようで、外に出るとすでに雨は上がっていますが足元のアスファルトはぐっしょりと濡れ、さっきまでの茹だるような蒸し暑さはどこへやら・・・。一瞬にして体感で10度くらい下がったような涼しさに驚きながら御徒町の駅までアメ横通りを歩いていると、途中で“摩利支天(まりしてん)徳大寺”という美しいお寺に出会いました。

 

 摩利支天(まりしてん)は陽炎(かげろう)を神格化したヒンドゥー教の神で、厄を除き福を招き運を開く“開運勝利の守護神”として、日本ではとくに中世以降、武運長久を願う武士階級に摩利支天信仰が広まったといわれています。

 

 縁起によると摩利支天徳大寺は、江戸時代初めの寛永年間に慈光院日遣上人により開創され、正式名称を妙宣山徳大寺と称する日蓮宗の寺院だそうです。寺宝の摩利支天像は聖徳太子お手彫りの作と伝わり、日本三大摩利支天のひとつにも数えられていて、その場所から“下谷(したや)摩利支天”とも呼ばれ広く親しまれているそうです。

 

 本堂の一画には“浄行菩薩(じょうぎょうぼさつ)”も祀られています。お参りの後、自身の悪いところに水を注ぎ、備えつけのたわしで御尊体のその部分を優しく磨くと、心身の不調などの災厄を除け、洗い清めてくださるといわれています。

 

 境内には日蓮宗のお寺なので日蓮上人の御尊像や、奉安している摩利支天の眷属(けんぞく)である猪(亥)の銅像などが並びます。ゲリラ雷雨のおかげで打ち水をしたように涼しいのもとてもありがたいです。

 

 同じく境内に鎮座する“石橋稲荷神社”。縁起によると江戸時代中期に創建された歴史ある神社のようです。

 

 いつも賑やかなアメ横のすぐ近くにありながら、一歩境内に入るととても静かで穏やかな空気に満たされているのはお寺さんならではの幸福感ラブラブ。ほっとひと息つかせていただきました。

 

 またアメ横通り沿いには本堂とは別に“摩利支天外堂”も設けられているので、お買い物のついでにちょっとお参りして行くのによさそうです。

 

 鰻目当てで上野へ来たのでこの日は御朱印帳を持参しておらず、書き置きをお受けしました。まさに上野が戦場と化した幕末の戊辰(ぼしん)戦争、関東大震災、太平洋戦争時の東京大空襲など、さまざまな災厄に見舞われながらも今もこうしてここに在り続けるのはやはり摩利支天さまの御利益に他ならず、その御威光を目の当たりにする思いで境内をあとにしました。

 

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