天神平トレッキングの帰り道、休憩に立ち寄った“道の駅 みなかみ水紀行館”(群馬県利根郡みなかみ町)。
道の駅なので地場野菜やお土産などが並んでいるものと思って入っていくと、
あれっ何だかちょっと雰囲気が違います
。壁の穴をのぞくとウーパールーパーがこっちを見ているし(笑)、足元には魚の絵が・・・。
その魚たちに誘導されて奥へと入っていくと、そこは『水産学習館』の入口です。ネーミングから子ども向けの水族館のようですが、埼玉と並んで海なし県の群馬に『水産学習館』があるなんておもしろそうなので、入ってみることにしました。水産学習館は有料施設で、入館料はおとな350円です。
入口を入ると目の前に大きな岩山があり、まるで山奥みたい・・・。
岩山の中はマジックビジョンになっていて、ボタンを押すと、みなかみ町に因んだ3つのお話しをCGキャラクターの坂東太郎くんがわかりやすく解説してくれます。
水音に誘われて振り向くと、
左手ののぞき窓みたいな小型水槽には、利根川水系に生息する小さな魚たちが展示されています。
そして圧巻は右手の大きな渓流水槽。ほんものの渓流のようなリアルな流れの中を、ヤマメやイワナなどおなじみの魚たちが悠々と泳いでいます。なるほど群馬に海はないけれど、河川や湖沼に住む淡水魚を集めた水族館なのですね
。
横長で階段状に設置された珍しい渓流水槽に沿って、遊歩道みたいな木製の見学通路を歩きながら、間近に泳ぐ魚たちが見られるというこだわりの設計がとにかく秀逸なんです。
利根川水系の魚ではないそうですが、チョウザメも特別展示されています。チョウザメといえばキャビアですが、魚肉もとても美味しいそうですね。
赤い尾びれが美しいこちらの魚は“レッドテールキャット”という大型の鯰(なまず)の仲間だそうです。
正面から見てもなかなかいいお顔立ちをしています。
流れ落ちる滝の水音も心地よく、ここまでリアルさを追求し作り込まれた水槽は他所では見たことがないかも、とつい魚よりもその“環境”の方に目がいきます。
渓流水槽を過ぎると次はトンネル水槽が現れます。
トンネル水槽というともっと大きな水族館のメイン水槽みたいなイメージだったのですが、まさかこんなところで(失礼・・・
)出会えるとは思っていなかったので正直びっくりするとともに、館内にいるのは夫とわたしの二人だけなのがと~っても残念な気がしてきます。
決して規模は大きくなく派手さもないのですが、道の駅にこんなに素晴らしいトンネル水槽があるだけでも驚きで、もっともっと多くの人たちに見てもらえたらいいのにな~と心から思います。
立っていると、まるで自分が川の中にいるような不思議な感覚です。
何度も言いますが、ここは県道沿いの道の駅の中にある小さな水族館。入館料もたったの350円で、限られたスペースでこれだけ素晴らしい展示をしているなんて来てみてびっくり、じつに楽しいところでした。
愛らしいウーパールーパーの正面ショットも撮っておかなくてはね。
道の駅水紀行館を出て、近くの“諏訪峡(すわきょう)”を少し歩きます。
道の駅の地図で見た遊歩道に下りて、
緑陰の道を歩いていくと、
利根川沿いの遊歩道の脇に
“笹笛橋(ささぶえばし)”という吊り橋がありました。
笹笛橋の上から見る利根川の上流方向。
下流にもうひとつ大きな橋が見えています。
あの橋まで行ってみようかな。
マイナスイオンたっぷりの涼やかな道。
諏訪峡のメインスポット“諏訪峡大橋”では、バンジージャンプができるみたいですよ。
流れの中ではボディーラフティングをしておられるのが見えました。ちょっと怖そうだけど、ラッコみたいに上を向いて流されて行くんですね。
諏訪峡大橋の上に来ました。
うわぁ~高~い 右下が歩いて来た遊歩道、先ほどの笹笛橋はずっと向こうに豆粒ほどに小さく見えます。
いやいや、ここから飛ぶなんてムリ・・・。
利根川からの高さは42m。日本のブリッジ・バンジージャンプはここが発祥の地で、2007(平成19)年から始まり、これまでに延べ5万人以上のひとたちが飛ばれたそうです。皆さん、勇気あるなぁ~
。
もちろん自分では飛べないけれど、一度実際に飛ばれるところを間近で見てみたいです。
利根川は日本一の流域面積を誇り、首都圏の重要な水がめでもある大河川。谷川岳や諏訪峡のあるみなかみ町はその利根川のスタート地点であることが今回とてもよくわかりました。この類稀なる雄大な自然を守りつつ、人と自然が共生するまちづくりを持続的に行っていることが評価され、みなかみ町はそのモデル地域として2017(平成29)年に“ユネスコエコパーク(生物圏保存地域)”に登録されたそうです。
合併前の町名“水上町”の“水上”は文字どおり水の源という意味。今もむかしも関東に住むわたしたちの命の源はここだったのだなぁ~と、この景色を眺めながら改めて感謝の思いが湧いてくるのでした。
yantaro