先日所用で所沢(埼玉県所沢市)へ出かけたとき、ふとコロナ禍の2020(令和2)年に東所沢にオープンした“サクラタウン”のことを思い出し、行ってみました。
ところざわサクラタウンは当時の広報によると、株式会社KADOKAWA(カドカワ)と所沢市の共同プロジェクトにより、自然豊かな所沢の地から最先端の文化や産業を生み出し、世界に向けて発信する“COOL JAPAN FOREST(クールジャパンフォレスト)構想”の拠点となる複合文化施設とのこと。実際のところ何なのかはよくわからないけれど、それでもちょっとワクワクします。
とその前に、やはり腹が減っては落ち着いて散歩もできないので(笑)、たまたま出先の近くにあった、こちらも初めてのタイ料理レストラン“ナムチャイ”さんへ行ってみました。
建物の雰囲気からして異国情緒たっぷり~。
東南アジアへ行ったことのないわたしたちも、まるでプチ旅行気分を味わえるような店内です。
店名の「ナムチャイ」は、外の看板によるとタイ語で“思いやり”という意味だそうです。店内の雰囲気も、民族衣装を纏った店員さんたちのサーヴィスも、たしかに温かい思いやりにあふれていました。
タイ料理をいただくのも初めてなので、ひとまずランチセットの中から夫は“タイ風チャーハン”を、
わたしは“焼き春雨”を選びました。何となくイメージでもっと辛くてスパイシーなものを想像していたのですが、日本人向けにアレンジしてあるのかどちらも味つけはマイルドで食べやすく、とても美味しかったです。次はぜひグリーンカレーを食べてみたいです。
さて、サクラタウンです。のどかな公園を抜けたところに、突如降って湧いたように現れるこの巨大な石の塊にまずびっくり。これこそがサクラタウンのシンボル的存在の“角川武蔵野ミュージアム”みたいです。
不規則な形をした建物は切り立った崖のようで、外観からは何階建てなのかさえ定かではありません。むむっ、横には水を湛えた水盤もあるし、岩の角(カド)と水の川(カワ)で“カドカワ”なのかな・・・なんて想像してみたり。
向かいには赤い鳥居が並び、その先の建物の屋根には千木(ちぎ)らしきものが・・・ということは、あれはもしかして神社ですか。しかも前には白と黒の“大魔神(だいまじん)”がまるで仁王像のように対(つい)で立ち、御神域を守護しているようにも見えます。埴輪(はにわ)が武装したようなこの大魔神、夫に聞くと特撮映画のキャラクターなんだそうです。へぇ~。
ミュージアム側の大きな鳥居も形状はたしかに神明(しんめい)鳥居なのですが、日本古来の鳥居もアートになるとこうなるのと思うくらいスタイリッシュ。
それもそのはず、この“角川武蔵野ミュージアム”と隣の神社のデザインは、日本を代表する建築家の隈研吾(くまけんご)氏が手がけられたものだそうです。隈研吾氏といえば根津(ねづ)美術館本館(東京都港区)やJR東日本の高輪(たかなわ)ゲートウェイ駅(東京都港区)、国営昭和記念公園のオカカフェ(東京都立川市)など、木材を活かした和のイメージが強かったのですが、素人のそんな先入観などあっさり吹き飛ばすような圧倒的な迫力でガツンと迫ってきます。
案内図によると中央広場の向こうの迷路みたいな通路がついた建物は“ショップ&レストラン”棟です。食事は済ませてきたので、外観だけ。
左手はイベントホールの“ジャパン・パビリオン”でホールAとホールBがあり、ライヴコンサートのほか、eスポーツや2.5次元ミュージカルなども開催できるそうですが、eスポーツ2.5次元ミュージカルどちらもどんなものなのか・・・すみません、まったくわかりません。とにかく音響、照明、映像などすべてが最先端なのだそうです。
岩の切れ目から、ミュージアムの中に入ってみます。わ~洞窟探検みたい。
角川武蔵野ミュージアムの中でわたしが一番行ってみたいのが“本棚劇場”で、とにかく壁一面の本に囲まれたこの写真に一目ぼれ。夢の国みたい。上の写真は角川武蔵野ミュージアムのホームページよりお借りしました。
入ってすぐの総合インフォメーションで尋ねると、建物は5階建て、各階には上の本棚劇場だけでなくアートギャラリーやアニメミュージアム、ブックストリート、マンガ・ラノベ図書館、ワークショップルームなどさまざまな文化施設があり、そのどこに行きたいかでチケット料金が違うとのこと。すべて入れる1DAYパスポートから、それぞれのスポットや企画展だけを楽しむチケット、イブニングパスポートなど各種取り揃えてあるそうです。
この日は時間に余裕がなかったので有料エリアへ入るのは諦めて、
ミュージアムのオリジナルグッズや地元の工芸品などが揃う“ロックミュージアムショップ”をのぞいたり、
無料エリアのほんの少しだけを歩いてみます。
金網に囲まれた牢屋の中みたいな階段を下りて行くと、
1階(地上から入ったところが2階)のグランドギャラリーでは『サルバドール・ダリ展』が開催されています。
ここはギャラリー前のフォトスポット。
本棚劇場は今日はお預け、日を改めてゆっくり訪ねたいと思います。
外へ出て、ミュージアムの外壁にそっと触れてみます。この外装には花崗岩(かこうがん)を四角に切り出した石板が約2万枚も使われているそうで、パズルのように組み合わされた石板は岩でも石垣でもなく、今まで見たことのない造形物という感じがします。
つづいて新築ピカピカの神社を詣でます。最先端のポップカルチャー発信地に神社があるっていうのもまた嬉しい~。
教会のようにも見えるスタイリッシュなガラス張りの神社は“武蔵野坐令和神社”といい、正式名称ではこれを「むさしのにます うるわしき やまとのみやしろ」と読ませるそうですが、通称はそのまま「むさしのれいわじんじゃ」でいいそうです。ネーミングまでおしゃれ。
参道からシンボルツリーと角川武蔵野ミュージアムをのぞむ。
手水舎(てみずしゃ)は優美な船の形をしていて、ここから流れ出す水がミュージアム前の水盤へとつづいています。
許可をいただき社殿の中を硝子越しに撮らせていただきました。武蔵野令和神社の主祭神は東京大神宮より分霊された天照大御神(あまてらすおおみかみ)、相殿(あいどの)神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)の二柱で、総称して「言霊大神(ことだまのおおかみ)」というそうです。
パンフレットによると言霊大神(ことだまのおおかみ)とは、映画や舞台、小説、音楽、絵画、アニメ、コミックなど学術(アカデミック)から娯楽(エンターテインメント)に至るまで、すべてのコンテンツの表現に現れる御神威を尊称するものだそうです。拙ブログにて日々小さな発信をさせていただいている身としても、ぜひその御神徳の一端になりと与りたく、こころを込めて参拝します。
社殿の天井を飾る豪華な鳳凰の絵のサンプルが隣の社務所の中に飾られています。こちらは人気RPG『ファイナル・ファンタジー』のキャラクターデザインを担当された天野義孝(あまのよしたか)氏の作品だそうです。
また御祭神の両脇に控える神使はニホンオオカミをモデルにしたもので、彫刻家の土屋仁応(つちやよしまさ)氏の作品だそうです。ニホンオオカミは「日本書紀」によると、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の折山中で道に迷ったとき、どこからともなく現れて道を示し、日本武尊をお助けする務めを果たすと、またいずこかへ去って行ったと伝わる山犬のことです。
ミュージアムはどこから見ても、アニメに出てくる岩のお城みたい。
武蔵野令和神社の御朱印です。もしや御朱印までポップでカラフルなプリントだったりして・・・なんて思っていたので、目の前で書入れしてくださるふつうの御朱印だったことにホッとしました。
帰り道、小腹が空いてちょっと寄り道~。コナズ珈琲さんへ。
コナズといったら・・・な定番のストロベリー&バナナホイップパンケーキ。もりもりのホイップクリームは見た目よりも軽いので、意外とさらっといただけるのですが、二人で一皿でじゅうぶんなボリュームです。コーヒーはもちろん美味しくて、夫が頼んだホットのシャンパーニュ・ティーがフルーティでとても美味しかったです。
https://tokorozawa-sakuratown.com/ご参考までに、ところざわサクラタウンのホームページです。
yantaro