今回の旅は草津の湯に浸かり、草津を楽しむのが最大の目的だったので、その他の予定はまったくなし。でも二日目の朝起きてみたら、曇りくもりから雨予報雨だったのが、少し遅れたのか朝から晴天晴れなのを見ると、どこかへ寄り道したくてウズウズしますキョロキョロ

 

 榛名山(はるなさん)と榛名神社は少し前に行ったばかりだし、軽井沢のショッピングにも食指が動かず、思いついたのは、我が家の氏神さまで日々お詣りしている赤城(あかぎ)神社の本社にあたる同名の“赤城神社”(群馬県前橋市)を詣でることです。

 

 草津を出て赤城神社へ向かう途中、行きがけに偶然見かけた杉の巨木が気になっていたので寄ってみました。巨木の洞(うろ)の中にもう一本別の杉の木が生えているこの不思議な木は、近くの案内板によると“神代杉(じんだいすぎ)”といい、その昔日本武尊(やまとたけるのみこと)が蝦夷(えみし)征伐で東国へ下った帰り道に御手植えしたものと伝わるそうです。

 

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 神代杉は鎮守の森として長い間この地を見守るも、その後旅人による失火で半分枯れて、1783(天明3)年の浅間山の大噴火の際にも厄火に包まれますが、そのとき神代杉を失うことを憂慮した円心和尚という人が、危険を顧みず燃え盛る木に登り高さ6mのところで幹を伐り落とし、すべてが灰燼(かいじん)に帰すのを何とか食い止めて今の姿になったそうです。

 

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 洞(うろ)の中に生える杉の木は今から二百数十年前、氏子さんたちが幾度もの失敗を乗り越えて苦心の末に植栽に成功したもので、その姿から、樹齢1,400年以上と伝わる神代杉とあわせて“親子杉”とも呼ばれ、地元のひとたちの篤い信仰を集めているそうです。幹回りが10mくらいはありそうな巨大な神代杉、もしも上部が伐り落とされていなかったら、どれほど大きく神々しい木だったろうと思います。

 

 その神代杉のある神社がこちらの“矢倉鳥頭(やくらとっとう)神社”(群馬県吾妻郡)です。菅笠(すげがさ)をかぶったような神代親子杉を横に見ながら境内に入ります。

 

 拝殿に上がる石段の脇には“力石”が置かれています。案内板によると小玉(右)でも47kg、大玉(左)はなんと98kgもあるそうです。

 

 拝殿が見えてきました。

 

 鬱蒼とした森に囲まれた矢倉鳥頭神社の拝殿と狛犬さん。

 

 拝殿の彫刻もみごとです。由緒書きによると創建年は不詳ながら、吾妻七社(あがつまななしゃ)の一つとされ、建久年間(1190年頃)の建立と伝わるそうです。御祭神は大穴牟遅神(おおなむちのかみ=大国主命)ほか三柱です。

 

 拝殿の左手には立派な“神楽殿(かぐらでん)”があり、

 

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 拝殿の後方には覆い屋に守られた本殿も見えます。

 

 本殿左奥には“神武(じんむ)天皇遥拝所”と記された石碑が建っていて、こちらが日本の初代天皇である神武天皇をお祀りする橿原(かしはら)神宮(奈良県橿原市)の方角にあたるようです。森のずっと奥にも小さな祠(ほこら)が見えるのですが、熊出没の多い昨今、用心に越したことはないので行くのは諦めました。

 

 狛犬さんの脇には“御神木(ごしんぼく)”の杉の木が聳えています。

 

 神代杉を背後から撮りました。若木を抱くように洞(うろ)になってもこの地に立ち続ける神代杉は、円心和尚のみならず地元の皆さんに大切に守られ、愛されてきたからこそ今があるということをよくよく知り尽くしているように感じます。通りすがりながら、神代杉にも矢倉鳥頭神社にも出会えたご縁に感謝ですラブラブ

 

 さて中之条、渋川を抜けて赤城神社のある大沼湖畔へ上る県道4号線は、標高1,000mまでは周囲に雪がなかったのですが、1,200mを越すと一気に雪景色になり、ヘアピンカーブの連続のうえ日蔭のところは凍結してアイスバーン状になっていて、念のためそこだけスタッドレスの上にタイヤチェーンを履かせて走りました。見えてきた大沼は赤城山のカルデラ湖の中では最大のもので、標高が1,300mを越すからか湖面は一面に凍りついています。

 

 ガイドブックによると、上のような“啄木鳥橋(きつつきばし)”という朱塗りの美しい橋を渡る予定だったのですが、遠目に見ても橋桁(はしげた)も高欄(こうらん)も何もなく、架け替え工事か何かが行われているようです。残念あせる

 

 湖畔に建つ赤城神社の社号標。群馬県のほぼ中央に位置する赤城山は榛名山、妙義山とともに“上毛三山(じょうもうさんざん)”と呼ばれ、日本百名山の一つにも数えられますが、赤城神社はその赤城山を御神体とする神社です。

 

 本来なら先ほどの社号標の先の駐車場に車を停め、大沼に架かる啄木鳥橋(きつつきばし)を渡って社殿へ赴くはずですが、工事中のため社殿脇の駐車場に停めて歩きます。快晴晴れですが標高が高い上に湖畔なので、強風が吹きつけてとても寒いです。

 

 市街地に比べ気温が10度は低いといわれる大沼湖畔は、夏は避暑地として人気があり、真冬の今は氷上ワカサギ釣りが有名なのだそうです。赤城神社社殿前の岸近くは一部氷が解け水が流れていますが、その少し先から奥の湖面は厚い氷に覆われていて、あちこちに釣り人の小さなテントが立っているのが見えます。寒そ~~。

 

 手水舎(てみずしゃ)には

 

 水の神の龍神がいらっしゃるのですが、残念ながら水盤に水はありません。あっても凍ってしまうかな。

 

 大沼の東側に突き出す小鳥ヶ島という半島に鎮座する赤城神社の社殿です。御祭神は“赤城大明神(あかぎだいみょうじん)”ほか四柱、江戸時代になってから相殿(あいどの)として東照大権現、徳川家康公もお祀りしているそうです。

 

 赤城神社の創建は不詳ですが、由緒書きによると806(大同元)年、現在地より少し離れた大沼湖畔の大洞(だいどう)の地に遷座の記録が残るらしく、そこに約1,200年鎮座するも長年の風雪により荒廃したため、1970(昭和45)年、現在の小鳥ヶ島に遷宮したそうです。先ほど見てきた社号標にも確かに「赤城山大洞 赤城神社」と刻まれていました。

 

 この赤城神社は関東を中心に全国に334社あるといわれる赤城神社の総本社で、我が家の近くの“村社 赤城神社”もここから勧請(かんじょう)されたものです。氏神さまとして日々詣でる神社の総本社だと思うとやはり、身の引き締まる思いがします。

 

 拝殿、幣殿(へいでん)の奥に建つ本殿(右端)。主祭神の赤城大明神は別名“赤城姫”とも呼ばれる女神さまで、その御神徳は開運招福、心身健康、学業成就、芸事上達など。女神さまゆえか特に女性の願いごとは必ず叶えられると伝わり、今でも縁結びや子授け、安産祈願などに訪れる女性がとても多いそうです。

 

 女性の味方ともいえる赤城神社ですが、社務所にはたくさんの姫守(ひめまもり)に交じってわざわざ“殿方(とのがた)御守”と記した珍しいお守りもありました。

 

 ほんとうは参拝のあと境内を回りたかったのですが、何しろ足元はツルッツルに凍りつき、赤城颪(あかぎおろし)というのか冷たい北風がびゅうびゅう吹きすさぶのに耐えられず、早々にお暇することにしました。

 

 帰り道、ちょうど赤城神社の社号標の反対側の斜面に、三つ連なる小さな鳥居を見つけました。額束には“赤城稲荷大神”とあり、その先の大岩の上に小さな祠(ほこら)が見えるのですが、足元が悪くて上って行けず、失礼ながら下から手を合わせました。

 

 赤城神社の御朱印。通常時の御朱印をいただきたかったのですが、2月4日までは正月の特別御朱印のみとのこと。それでも参拝の証ですのでありがたく頂戴しました。帰宅後改めて見ると、華やかな十二単(じゅうにひとえ)を纏う赤城姫、雅でとても美しいですラブラブ

 

 帰路の最後に訪れたのは、ガイドブックで見つけた“ガトーフェスタハラダ”(群馬県高崎市)です。みんな大好きラブラブわたしも大好きラブラブな“王さまのおやつ”、グーテ・デ・ロワを生産する本社工場が群馬にあることを初めて知り、これはもう行かずばなるまいビックリマークとやって来ました。

 

 敷地内にはまるでヨーロッパの宮殿のような建物が2棟並び、受付で聞くと向かって左手のこちらがガトーフェスタハラダの本社工場で、個人での見学は予約不要で入場無料とのこと。団体などは別途事前予約が必要だそうです。

 

 工場棟の玄関を入ると、まずおなじみの試食用グーテ・デ・ロワ1枚とパンフレットをいただき、つづいてエレベーターで4階へ上がります。受付で尋ねると、本社工場内で撮影ができるのはこちらの1階と外観のみとのことなので、残念ながら内部の写真はありません。

 

 上の写真は『るるぶ'24情報版 群馬』からお借りしました。エレベーターを下りると、広いフロアにはあま~い香りが立ち込めていて、そこでは見学者限定で非売品の"グーテ・デ・ロワ・ブリュレ"の試食ができます。オーブンで焼き上げる前のグーテ・デ・ロワを目の前でガスバーナーで炙ってくださり、まだ熱くふんわりとやわらかい、ラスクになる前のが食べられるんですラブラブ。これがもうサイコーに美味しくて、コーヒーや紅茶、緑茶などの無料サービスもあるので一緒にいただいていたら、あやうく工場見学に来たことを忘れてしまいそうでした爆  笑

 

 4階ではラスク専用のフランスパンを焼いているところを見学して、階段で3階に下りると、工場ではオートメーション化された包装工程をながめつつ、一方、通路にずらりと並べられたショーケースの中のガトーフェスタハラダの商品ラインナップも見ることができます。各種ラスクだけではないチョコレートやケーキ、クッキーなど、そしてラスクの地域限定や期間限定商品の数々まで、とにかく種類が多くてびっくりですビックリマーク

 

 工場見学のあとは隣接する直営店“シャトー・デュ・ボヌール”でお買いもの~音譜。ここでも写真撮影は入口と外観のみ、店内は人物(お客さん)が写らないようにという指示がありました。観光バスで来られた団体客が大勢買い物されていて、店内は大混雑。改めてグーテ・デ・ロワの人気を再認識ですスター

 

 工場見学と試食と商品ラインナップのおかげで、もう全身買う気満々~てへぺろ。 

 

 ほしいものだらけなのですが、そこは一旦深呼吸(笑)。厳選して購入したのがこちらです。定番の王さまのおやつ“グーテ・デ・ロワ”(左上)に、わがままな女王さまのために、ガトーラスクでレーズンクリームをサンドした女王さまのおやつ“グーテ・デ・レーヌ”(紫のパッケージ)、プレミアム尽くしの“ガトーセレクション バレンタインスペシャル”(中央の詰め合わせ)、群馬限定の“グーテ・デ・レーヌ キャラメルショコラ”(ゴールドのパッケージ)はココア風味のラスクにチョコレートクリームとアーモンド入りのキャラメルフレークがはさまっています。そして手前に寝そべっているのが、毎日工場で焼き上がるラスク用のフランスパン1本ビックリマーク

 

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 美味しいものはひとを幸せにしてくれるっていうのはほんとうですねラブラブ。旅の途中で出会ったものはとくに、思い出とともにのちのちまで長く記憶に残るようです。

 

 さて今日も、氏神さまの赤城神社を詣でます。いつもと変わらぬ朝なのですが、「氏神さまのご本社へ行ってまいりました」とこころの中でつぶやくだけで、何かほんの一瞬、特別な空気が流れたような気がしてとても幸せでしたニコニコ

 

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