本来“仮想”と“現実”は別のものだと思っていました。いや、今でもそう思っています。仮想とは読んで字の如く「実際にはないものを、仮にあるものとして想定すること」で、現実とは「今目の前に事実として現れている物(事)やその状態」のことを言うからです。仮想と現実という相反するものが入り混じることはないと信じていたのに、どうも最近はちょっと違うかもしれないと感じることが増えてきました。

 

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今日の写真は三男宅の猫たちです。まだ子どものいない若夫婦なのですが、個性豊かな三兄弟猫三毛猫オッドアイ猫を絶賛子育て中~(笑)ビックリマークバンザイ姿で熟睡しているのはキジ白の“みーちゃん”。次女です。


 その違和感はVR(バーチャル・リアリティ=仮想現実)という新しい単語に出会ってからではないかと思います。わたし自身は未だバーチャル・リアリティを実際に経験したことはたぶんなくて、テレビなどで見聞きする程度の知識しかないのですが、ヘッドギアのような専用のデバイスを装着すると、コンピューター上につくり出された仮想空間の中で起こる出来事を、映像や音や振動などの五感を通してまるで現実のように知覚することができるそうなのです。

 

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末っ子らしく甘え上手で愛嬌たっぷりの三毛猫“くるりちゃん”。通称“くるちゃん”ですスター

 

 確かにVRを使えば現実には経験しがたいこと・・・たとえばスーパーマンみたいに空を飛ぶとか、現実では絶対に行けないような宇宙空間やエベレストのてっぺんに行ってみるとか・・・をリアルに疑似体験できるのはとてもおもしろいと思うし魅力的ですが、それはあくまでもゲームや映画の世界の話と思い込んでいたら、最近はVRが他のいろいろな分野にも広がっているというのです。たとえばVRで災害の現場や戦場などを再現し、消防士や兵士の訓練をするとか、医療の分野では手術現場を再現してチームで情報を共有し、シミュレーションするなどです。

 

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アメショーの“燐(りん)ちゃん”はれっきとした長男坊なんだけど、超のつく甘えん坊照れ。いつも“りんりん”って呼ばれてます。

 

 そのうち旅行も乗り物に乗って移動して現地に行くのではなく、ドラえもんのどこでもドアのように、VRで世界中いつでも好きなところに行けるようになったり、ショッピングもデパートに足を運んで買うのではなく、VRで素材や肌触りを確かめて、試着や試用まで疑似体験してから購入なんていうことになるのでないかと思うと、便利だけれど何か味気ない気もするのですが、そんな繰り言を言っているうちに時代はどんどん進み、仮想と現実はますます近づいてゆくのかもしれません。

 

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性格が穏やかで鳴き声も女の子みたいにかわいいりんりん。じつはわたし、寝起きに見せてくれるこの仏頂面爆  笑がとくに好きなんです~ラブラブ半眼(はんがん)で仏さまみたいでしょ。

 

 疑りぶかいわたしは仮想通貨(暗号資産)というのも何だか胡散臭くて信用できないのですが、実際にインターネット上での取引や投資にも使われていると聞くと、今後もっとデジタル社会が進化すれば、いわゆる法定通貨を凌ぐ大きなマーケットになる可能性もじゅうぶんありそうです。そうしてみると、これまではほぼ対極にあると思っていたこの現実世界とVRが生み出す仮想現実の世界が、完全には一体化しないまでも次第に近づいて、交わる部分が大きくなっていくことが予想されます。

 

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次女のみーちゃんはふだんはクールな子なのですが、おや、今日は甘えん坊モードみたいですあせる

 

 いや、待てよ。ここまで書いてきて急にこんがらがってきましたあせる。わたしはVRが生み出す仮想現実の世界を、パラレル・ワールドのように現実世界とは別のところにあるもう一つの世界だと想定しているけれど、そうではなくてVRはあくまでも仮想現実を生み出すテクノロジーのことであり、その存在は現実世界の中に含まれるはずなのに、どうもそのへんを混同して勝手に混乱している気がします。突き詰めて考えようとすると、今じぶんの目の前にあるこの現実世界ももしかしたら仮想現実なのではないかという疑いまで湧いてきて、すると思考はデカルトの『方法序説』に傾きそうになります。

 

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先日の秋田旅のとき、角館(かくのだて)で出会ったふくよかで愛らしい茶トラの猫ちゃんラブラブ

 

 何が現実で何が仮想なのか・・・。テクノロジーの進化により現実と仮想は確かに近づきつつあるように感じるけれど、その区別がつかなくなる日が来るのか来ないのか・・・。仮想現実の世界が現実世界のように時間や空間を持つ可能性はあるのかないのか・・・。

 

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同じく角館の道端で、じぶんの方からすり寄ってきてお腹を撫でてほしいとねだるトラキジの猫ちゃん。癒されるなぁ~音譜

 

 映画『ターミネーター』シリーズの「審判の日に備えよ」というフレーズが思い浮かび、ある日突然スカイネットが自我に目覚めたように、VRが現実世界を駆逐しようと乗り込んでくる日が来るとしたら、それに立ち向かうだけの力が今の現実世界にはあるのだろうかはてなマークとふと、心許なくなります。でもわたしは、どんなにテクノロジーが進化しVRの世界が充実しても、やっぱり現実世界のほうがパワフルで断然おもしろいだろうと思っています。だってそこには、心ドキドキがあるからです。

 

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