朝の情報番組で、埼玉県の自民党県議団が10月4日に提出した『虐待禁止条例改正案』のニュースを見ました。罰則はないものの「子どもを住居やその他の場所(車など)に残したまま外出したり、その他放置してはならない」という内容だそうです。これだけ読むと至極当たり前のことなのですが、その後の具体例を挙げた解説を見てぎょっとしました。それによると、小学校1~3年生の子どもだけでの登下校、子どもだけで公園で遊ぶこと、子どもだけで家の留守番をさせたりお使いに行かせたりすること、さらに子どもを家に置いてちょっとゴミ出しに行くだけでも“虐待”に該当するというのですから、仰天してしまいましたびっくり

 

1歳10ヶ月になった次男宅の孫のたっくん照れ

 

 いやもうびっくりビックリマーク。だってわたし自慢じゃありませんが子育てをしているとき、それぜ~んぶやっていましたからあせる。というかわたしだけでなく、誰もが一度や二度は経験のあることばかり。もちろん昔と今では世相(せそう)も全然違うし、最近特に車中に置き去りにされた子どもが熱中症で亡くなるなど、親や周囲の大人たちの不注意で子どもが犠牲になる事件が相次いでいるので、それらを防止しようという意図であることはよくわかります。でもほんとうに深刻な身体的・精神的虐待はもちろん罰せられるべきですが、このように誰にとってもごく日常の行動すべてにそれを当てはめて、あれも虐待これも虐待というのはさすがに行き過ぎではないかと思います。

 

外遊びがだ~~い好きビックリマーク

 

 しかも改正案の提出が唐突すぎて、現在子育て中の親御さんたちへのじゅうぶんな説明もフォローも何もなく、違反を見つけた場合の通報義務まで課すなんて、寄ってたかって子育てに奮闘している若い世代のひとたちをいじめているようにしか見えません。こんな実情に合わない議論をしていたら、子育て世代は皆埼玉に愛想を尽かし、気づけば埼玉県には子どもがひとりもいないなんてことになるのではないかと真剣に心配しています。こと細かに事例を挙げれば必ず例外が指摘され混乱を招くのは必至。案の定数々の批判を受けて、ひとまず今回の定例会での成立を断念し改正案を取り下げたとのこと、とりあえずよかったとホッと胸をなでおろしました。

 

今年の夏はスイカスイカデビューもしちゃったぞ乙女のトキメキ

 

 子どもはその成長段階に応じて少しずつ親の手を離れてゆくもの。皆そうして大人になったし、悩みつつもまたそうして我が子を育てます。それが自然な姿です。ひとむかし前に比べて子どもたちの周囲に格段に危険が増えたぶん、親(大人)がつきっきりでそれらを排除し守ってあげたい気持ちになるのはわかりますが、子どもの健全な自立を願い、敢えてその手を離すのもまた親の愛情です。虐待につながる可能性のある芽を摘み取ろうと躍起になるあまり、子ども同士の外遊びや留守番やお使いの機会にまで目くじら立てるのは本末転倒。重箱の隅をつつくような議論をするのではなく、もっとおおらかに、そして懐ふかく子や孫世代を見守ることこそがわたしたちの務めではないかと思います。

 

三男のお嫁ちゃんのご実家から毎年送っていただく神奈川県は三浦のブランドスイカ“姫甘泉(ひめかんせん)”。皮が極限まで薄くてと~っても甘い極上のスイカにたっくんも舌鼓ビックリマーク

 

 今回のことがニュースで報じられ、我が埼玉県は子育て世代に厳しい県というレッテルを貼られたのではないかと気が気ではありません。良くも悪くも一度は俎上(そじょう)に載せたのですから取り下げておしまいではなく、これを機会に子育てをとりまく環境を今一度見直し、地域の中に何か受け皿を用意するなど、今できることから取り組んでほしいです。そして「子どもたちを守る」という視点はもちろん大事ですが、どうぞ議論をするときは、子どもだけを対象にするのではなく、その子どもを育てる親御さんたちにも目を向けて、双方を守り育ててゆける改善策を検討していただきたいと願っています。

 

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