台風6号につづき台風7号がお盆休みの日本列島を直撃しました。被害に遭われた皆さまには衷心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早いご回復をお祈りしています。最近の台風は、これまで経験してきた夏のふつうの台風とはまったく違うものになってしまった気がします。線状降水帯など災害級の大雨にハリケーン並みの暴風、そしてひとむかし前の台風は一日あるいは一晩で通過していくものだったのに、今のは自転車以下のスピードでノロノロ、ウロウロ、勢力も衰えないので被害はどんどん拡大します。台風に近くても遠くても油断は禁物ということが身に沁みました。自然災害は時と場所を選びません。まずはそれぞれが命を守る術を身につけることが肝要かと思います。

 

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 さて、今どき“筋を通す”なんて言うと、出自(しゅつじ)を疑われるか反発を買うか、はたまた何のことはてなマークと不審がられるのが関の山かもしれません。死語とまではいかずとも、それに近いくらい聞かなくなったことばのひとつです。でもわたしは、筋を通すことはひとが生きるうえでとても大切なものではないかと思っています。

 

今日の写真は先日の静岡旅でお世話になった“天女の宿 羽衣ホテル”さんのお食事をご紹介します。最初は食前酒と前菜の盛り合わせ、先付は水菜と蟹肉、蓮根のオリーブオイル和えです。

 

 つい先日、今以上理屈っぽくならないように気をつけようと誓ったその口の乾かぬうちに早速屁理屈を捏ねるようで忸怩たる思いもあるのですが、どうにも最近テレビなどで見聞きするニュースのなかには「筋の通らない」話が多すぎる気がして、黙っていられなくなりました。

 

椀物はたっぷりの蓴菜(じゅんさい)に大きな白玉と蟹、柚子です。

 

 たとえば少し前の話ですが政府のコロナ対策がそのいい例です。その場その場で言うことがころころ変わり国民は大いに混乱させられましたし、一部の業種のみに延々と休業補償を継続したり、日本国民は雁字搦めの行動制限に苦しんでいるのに、そんな中オリンピックだけは強硬開催、さらに外国人の入国緩和措置の解除はとても素早く、それら施策の一貫性のなさにはほんとうにあきれ、理解に苦しみました。

 

お造り2皿は鮪、鯛、紋甲烏賊、伊佐木、桜海老、イクラ、刺身蒟蒻と盛り沢山ビックリマーク

 

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焼物は地元名産折戸(おりと)茄子のおろしカラスミソース焼き。ボリューム満点ビックリマーク

 

 テレビをつければ己の欲望むき出しで他人や他人のものを平気で傷つけたり壊したり殺したりという事件が後を絶たず、自身の利益や快楽を追求することには熱心だけれども、それに伴う他者の痛みに無関心な者たちのいかに多いことか。某中古車販売会社や某私立大学の不祥事などの根底にも、一部のひとたちの思惑や損得だけを優先しようとする“筋の通らぬ”組織的なゴリ押し体質が蔓延(はびこ)っているのではないかと思えてなりません。

 

煮物は夏らしい冬瓜と小芋、炙ったズッキーニに海老とオクラです。

 

つづいて酢の物。焼き茄子の下に焼き豆腐、胡瓜と柚子麩でさっぱりと。

 

 失礼を顧みずに言うと、最近の一部宮家の尊大な言動とそれに付随する宮内庁の釈明も、揃いも揃って筋が通っていないとわたしは思います。いかにも後付けの苦しい言い訳に終始してばかりでは民心は離れる一方、日本国民の統合の象徴であられる天皇陛下をお支えすべき皇族方が、そのお立場を利用してあんなにやりたい放題でよいのでしょうか。取り返しのつかぬことになる前に、人道に則り一度は正しく軌道修正するほかはないと思うのですが、それを進言するひとも断行できるひとも周囲にはおられないのでしょうか。

 

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最後はお食事と、

 

デザートは水菓子と甘味の二種で、杏仁ゼリーの下にはたっぷりの小倉あんとあわ麩が隠れています。も~食べられないビックリマークというくらいお腹いっぱいあせる

 

 メディアの話だけでなく日常生活のなかでも、このところ同じような筋の通らぬ事例に直面することがふえてきて、もしかしたらこれは時代の流れなのかもと諦めが先に立ちそうになるのですが、そんな今だからこそわたしは、少なくともじぶんに対する筋だけは通したいと思っています。

 

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翌朝の朝食はご飯が炙り鮪のお茶漬けでした。美味っ合格

 

 うまく言えないのですが、わたしが思う筋とは、自身の道徳観に基づくじぶんなりの原則(プリンシプル)であり、概ねそれに忠実であろうとすることです。人の道とか道徳とか、何だかよくわからない曖昧なことばでしか表現できなくて申し訳ないのですが、その原則は必ずしも一つである必要はありません。自身の立場を明確にし、それを相手やシチュエーションによって都合よく変えるのではなく常に一定でありたいし、一貫性をもって行動したいと思っています。実際の日常の中ではそう簡単に割り切れるものではないのですが、あくまでもじぶんの中で、ここまでは許せるという境界を意識し、迷いそうなときには己の中の原則に立ち返り“筋を通し”たいと思います。

 

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 上から目線であれこれ述べてしまいましたが、未熟なじぶんを差し置いて「筋を通せ」とひとさまに求めるのはそれこそ筋違いというもの。まずは我が心に課す意味で書かせていただきました。

 

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