最近わたしの周りでも、お孫さんの保育園や幼稚園の送り迎えをしたり、親御さん(わたしたちから見ると息子や娘)が仕事を終えて帰ってくるまで食事やお風呂の面倒を見るなど、子ども世代の子育ての手伝いを日常的にするおじいちゃん、おばあちゃんが増えているような気がします。今や共働きで子育てをするのがふつうですから、実父母や義父母が近くでサポートしてくれるのは若いパパ、ママにとっては何より安心でこころ強いし、おじいちゃんおばあちゃんも孫の成長をそばで見守ることができて、双方にとっていいことですよね。
何年かぶりに東京勤務に戻った長男家族。東京タワーに帰郷のご挨拶です。おかえり~
わたし自身が子育てをするときは双方の両親が長崎在住で、夫の仕事の都合でやむを得ず里帰り出産をしたのも次男だけだったので、物理的な遠距離のせいで親に子どもの面倒をみてもらった経験が一度もなく、ご実家の近いママ友さんたちがいつもうらやましくてたまりませんでした。子どもたちが高熱を出したお腹をこわしたといっても頼る親がいないので夫とふたりで何とかするしかなく、その都度右往左往していましたが、子育て初心者のころは、当時住んでいた社宅の先輩ママさんたちにも大いに助けていただきました。社宅暮らしは家族ぐるみのつきあいができるのがよくて、子どもたちが小さかったころはとくに楽しい思い出が多かったです。
次男宅のたっくんは1歳半のかわいい盛り
。毎日が冒険、探検の連続です
そんなわけで今わたしの身近にも“孫育て”をしているひとが幾人かいらして話を聞く機会が多いのですが、よく話題にのぼるのが昔と今の子育て事情の違いについてです。おばあちゃん(わたしたち世代)はご自身の子育ての経験をもとに「こうした方がいいよ」とアドバイスしたり手伝ったりするわけですが、どうもそれが今の子育てマニュアルと食い違う部分が多いらしいのです。たとえば赤ちゃんに母乳やミルク以外に白湯を飲ませるか飲ませないか、うつぶせ寝をさせるかさせないか、お風呂上がりのベビーパウダーをつけるかつけないか、赤ちゃんが泣いたらすぐに抱っこするかしないか、果汁や離乳食はいつごろ何からはじめるか、断乳(今は卒乳というそうです)やおむつ外しは早い方がいいかそうでないか、などです。
孫たち三人が一緒に遊んでる~。
わたしたちの時代には当たり前だと思っていたことが、新しい研究では真逆だったなんてことはスポーツの世界などでもよく聞きますが、大人ならいざ知らずそれを生まれたばかりの赤ちゃんに、知らずに昔のままのやり方で世話をしたりすると親子であってもトラブルにもなりかねず、やはりそこは時代の流れにあわせて、わたしの知り合いの方たちは皆さんじぶんの思いは引っ込めて、お子さん(パパ、ママ)に教わりながらやっているというのが大方の意見です。孫は3人いても孫育てに関わったことのないわたしは聞くにつけ「なるほど、そうなんだ」と思うとともに、出しゃばりなわたしのこと、口も手も出して子どもたちに嫌われる姑になってしまうところだったと冷や汗もので、孫たちともときどき会うだけの今の距離感でよかったんだなぁとホッとしているところです。
“日本の航空発祥の地”として知られる所沢航空記念公園(埼玉県所沢市)に展示されている、昭和の時代に活躍した航空自衛隊の中型輸送機“天馬”の前で写真を撮っているのは長男とその長男。
現在、絶賛孫育て中のお友だちから聞いたのですが、最近はなんとそういう祖父母向けの「母子手帳」ならぬ「祖父母手帳」というのがあるそうで、市町村発行のWeb版を見せてもらって、その内容の至れり尽くせりさにほんとうに目を見張りました
。昔と今の子育てマニュアルの違いだけでなく、おじいちゃんおばあちゃん世代、親世代それぞれが気持ちよく子育てにかかわれるよう、お互いへの接し方のアドバイスがあったり、孫と一緒に遊びに行けるスポットの紹介、孫育ての注意点などとにかく内容が充実していて、チラ見しただけでも参考になることばかり
。間にこういう客観的な手引きがあることで、祖父母世代と親世代の感情的なすれ違いや、それにともなう不平不満なども大いに軽減できることと思います。
大変ものぐさな言い方ですが、たとえばアレルギー食材など子どもの命にかかわるような部分を除けば、たいていのことは昔のやり方でも今のやり方でも、どちらでもいいのではないかとわたしは思っています。白湯を飲んでも飲まなくても、離乳食やおむつ外しが少々早かろうと遅かろうと、元気に大きくなってくれればそれが一番、赤ちゃんの健やかな成長を願うのは親も祖父母もみな同じだからです。
上の2枚の写真のもとは、同じ場所で33年前に撮ったこの一枚。年子の長男と次男、まだ三男が生まれる前のことです
。懐かしいなぁ~
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そしてわたしの周りのおじいちゃんおばあちゃんは皆さん心身ともにとてもお若くて、ハツラツとしている方々が多いのですが、それでもやはり日常的な孫育てとなると体力的にも、また精神的にも気疲れするものではないかと思います。親だから存分に甘えていいのですが、ときにはどうぞ、そのあたりも気遣ってあげてくださいね。
yantaro