少し前の情報番組で“チャットGPT”ということばを初めて知りました。テレビからの聞きかじりですがざっくり言うと、チャットGPTとは人工知能(AI)を使ったチャットサービスで、こちらが質問を入力すると、それに対して内容的にも文章的にもほぼ不自然ではない回答をAIが作文して、即座に提示してくれるというのです。

 

今回のソウル旅で泊まったホテルのお部屋からは正面に南山(ナムサン)のNソウルタワーが見えて、ほんとうに幸せでしたラブラブ

 

 その例として挙げられていたのが、アルバイトに応募するときの履歴書に書く志望動機や、営業職の人の相手先へのお断りメールの書き方で、なるほど実生活でもそういうシーンはよくあるし、いざ書こうとするとなかなか難しいものだというのもわかります。文例集や既定のフォーマットなどを利用するのも一案ですが、やはり皆考えることは同じなので他者との差別化を図るのは難しいし、いかにも「借りてきました」みたいなありきたりな文章をつかうのも憚られるし・・・そういうときにチャットGPTがあれば、その場で即座にTPOに応じた回答を作成してくれて一発で懸案解消、確かに悪くないサービスだとは思います。

 

ソウル旅の途中、仁寺洞(インサドン)でお買い物をしたかったそのわけは、

 

 その中でもおもしろかったのが、女子高校生からの“お母さんが怒っていてどうしたらいいかわからない”という質問で、それに対してチャットGPTは“冷静になる”“話を聞く”“謝る”など、なんと5つもの対処方法を提案してくれたのだそうですビックリマークしかも即座に!!その“すぐに”というところがミソですよね。だって営業のメールやバイトの志望動機と違い、その女子高生は“今“困っていて相談しているわけですから、その場で回答してもらえればすぐに読んで、できそうなことからやってみることができるからです。こういうときは友だちよりもチャットGPTに相談するって言うのですからみごとに使いこなしていますね。

 

4年前の夏、書道が趣味の夫とともにソウルを訪れたとき、たまたま仁寺洞のこちらのお店“열림필방(ヨルリム筆房)”で求めた筆がとても書きやすくて気に入っているので、もう一本買って来てほしいと頼まれたから。

 

 質問への答えだけではなく、たとえば会議の議事録の作成から要約、添削までトータルでチャットGPTがやってくれたり、番組内でも取り上げられていましたが、学校の先生が授業でつかう練習問題を作成するなんていうこともできるそうです。その場合、ぜんぶをチャットGPTに任せなくても一部だけとか、忙しいときだけなど使い分けできるのも便利だし、じぶん一人では思いつかないような問題を作ってくれることもあるそうです。さらに詩や小説を書いたり、作曲したり、料理の献立まで考えてくれるらしいと聞くと、そんなクリエイティブな部分までAIにお願いしてしまったら、われわれ人間は思考力が衰えて、どんどん退化してしまうのではないかと心配にさえなってきます。

 

お店のご主人に写真を見せて尋ねるとすぐに出してくださって、めでたく買うことができました。一本の予定が三本になっちゃいましたけど~爆  笑(笑)。一番左の筆先が開いているのが年季の入ったもとの筆。右三本が新入りです。

 

 AIとはArtificial Intelligenceの略称で“人工知能”と訳されますが、それは事前にインプットされた膨大な量の情報(ビッグデータ)をもとに、それらを組み合わせたり取捨選択したりしながら回答を導き出すものとわたしは思っていたのですが、どうも最近のAIはそれにとどまらず、自ら学習・習得したものを応用したり、さらにAI自身が考えたり創作したりという人間の知的活動に近いレベルのことができるようになっている気がします。そしてそのアウトプットも一方通行ではなく対話型だし、番組内で試しに作らせたその番組紹介のナレーションを聞いてもとくに違和感はないし、どうせ機械が考えたものでしょ、なんて思っていたらとんでもないビックリマークびっくりするほどのクオリティの高さに脱帽です。恐れ入りましたあせる

 

仁寺洞はやはり素敵なお店が多くて、くまさんとふたりついついのぞいてしまいます。一目ぼれして衝動買いしたぐい呑み5つキラキラ

 

 先ほどのアルバイトの志望動機をチャットGPTにお願いした大学生の男の子は残念ながら不採用だったそうで、もちろん履歴書だけがすべてではないはずですが、それを聞いてふと、応募してきたひとのうち何人もがチャットGPTを使って志望動機を書いていたとしたら、逆に似たり寄ったりで面白味がないし、採用する側もそれを見越して履歴書に目を通すかもしれず、やはりどんなに便利なサービスであってもTPOにあわせて使い分けること、そしてすべてを任せるのではなく必ず目を通して、一部だけでもじぶんの意志を伝える言葉や表現に変えるなどの工夫が必要かと思います。

 

仁寺洞の木陰で見つけたお花。何という名前でしょうはてなマークわたしは初めて見ました目

 

 待てよ・・・。

もしもチャットGPTに「〇〇〇の内容でブログ記事を書いて」って頼んだら、書いてくれるんでしょうか。そしてそれがわたしが書くものより数倍優れていたら・・・はてなマークう~ん、いくらなんでもそんなこと・・・ないでしょって思いたいけれど、絶対ないとは言えません。いえきっと、論理的思考が甚だ苦手なわたしより、チャットGPTのほうが正確で辻褄のあう文章を書くのは間違いないと思います。何しろ最近のAIは将棋だってオセロだって名人にさえ勝ってしまうくらい優秀なんですもの。たったこれだけの記事を書くだけでもわたしは幾日もかかるのに、チャットGPTなら10秒くらいで書いちゃうんですよね。やっぱり、負けそう・・・笑い泣き

 

ソウルの街にはあちこちにお花が飾られていて、とてもきれいです。それを見られるのも夏に訪れたおかげ照れ

 

 便利なもの、新しいものが登場するのはとてもよいことだと思います。最初は戸惑っても一度その便利さに慣れると手放せなくなるというのもよくあります。たとえばむかしは算盤(そろばん)を弾いていたのが電卓になり、筆や鉛筆で手書きしていたのがワードプロセッサやパソコンの入力になるなどがそうです。ただし単純作業の効率化とチャットGPTのような知的作業との大きな違いは、人間の思考や創作活動は正論(正解)のみで完結するものではないということです。確かにこちらが正しいけれどあえて違うほうを選ぶとか、遠回りとわかっていても回り道をするとか、本当は好きなのに嫌いって言うとか・・・。人間のこころの機微にはそういう“余白”が必ずあるもので、答えはひとつとは限らないというのが特徴です。

 

1歳半になる孫に、東大門(トンデムン)デザインプラザ前のショッピングセンターでかわいいお洋服を見つけましたビックリマーク

 

 AIがそういう人間のこころの襞(ひだ)まで身につける日も遠くはないのかもしれませんが、それまではAIに淘汰されてしまわぬよう、うまく共存しながら生き延びる手だてをわたしも考えなければなりません。って、その術をチャットGPTに尋ねたら、何と答えてくれるかな!?

 

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