(⑦からつづく)バンドメンバーの皆さんの紹介が終わり、会場も何となく終盤に近づいていることを予感するのですが、ナムギルさんは会社で仕事をするときに聴いている曲を歌いたいんだけれど時間が足りなくて･･･みたいな話をされたあと「今日は5時に始めたでしょ
どうして5時にしたかわかりますか」と問われます。この先のお話しがよく聞こえなかったのですがたぶん、会社の人たちから早く始めて早く終わろうと言われたのではないかと･･･ここ、完全に想像です
。何しろ2019年の宇宙最強ショーでも、午後5時スタートなのに4時間半をゆうに超えちゃったという“前科
”があるので、スタッフさんたちは気が気ではないですよね。だって今日はナムギルさんの体調が万全ではないのですから。
そこでふたたび恒例の(ナムギルさん)「今何時ですか」(会場)「まだ5時～
」のやり取りがあり(笑)、「トイレに行った人は戻って来ていますかどうしてかっていうと、これから一緒に写真を撮ろうと思うので」とおっしゃり、さらに「皆さん隣の人いらっしゃいますか」と確かめて「はい、カメラを見て。見えませんかちょっと待って」と、周囲への目配り・気配り・心配りのそれはそれは細やかなこと～
。ファンミの団体写真を撮るのに、トイレに行って中座しているひとのことまで心配してくれる芸能人がナムギルさんのほかにいるでしょうか･･･。あなたが主役なのに、ね
。
写真を撮ったらそろそろ終わりの時間、とおっしゃるのに会場からは「안돼～(アンデ～＝だめ～)」の声が上がります。ナムギルさんは舞台監督に何か確認してから「歌いますね」とおっしゃるのですが、この辺りのナムギルさんと会場の皆さんのやり取りが聞き取れなくて、わたしのメモは空白です･･･すみません
。ナムギルさんはひとつ大きく息をついてから、13曲目となるTOYさんの『바램(願い)』をアカペラで歌いはじめます。この曲、以前どこかでナムギルさんが歌われたのを聴いた覚えがあるのですが、アカペラはもちろんこのときが初めて。ナムギルさんの真っすぐで透き通った歌声と息づかいがマイクを通して手に取るように伝わってきて胸がいっぱいになり、ほんとうにこころの底から感動しました。
『바램(願い』の一番を歌い終えたナムギルさんに、会場からは割れんばかりの拍手が送られます。喉への負担がピークに達しているのか話す声がかなりかすれているのですが、それがまた何とも色っぽくて(･･･すみませんでもメモにそう書いてる
)胸がきゅんとします
。「죄송합니다(すみません)」とおっしゃるのはそのお声のことかと思うのですが、いいえ、逆です、とっても素敵～
(･･･っていうのはこころの声
)。つづいて「이방인(イバンイン＝異邦人)を歌いますね」とおっしゃってから、14曲目のキム・ドンニュルさんの『이방인(異邦人)』を同じくアカペラで歌われました。話すときの少しかすれた声が嘘のように、歌われるときの声はのびやかでまろやかで、目を閉じて聴き入っているといきなり「여기까지 하겠습니다(ここまでにします)」とおっしゃって、あっさり終わってしまいました。いやぁ～ナムギルさんのこのアカペラ2曲、録音して繰り返し聴きたいくらいよかったです
。
「今日はどうでしたか楽しんでもらえましたか」と尋ねるナムギルさんに会場のファンから大きな声援が送られた後、「今日が終わったら喉はすぐに治ると思います。(体調不良は)ぼくのせいです」とおっしゃるのを聞いて、今日までの数日間、つらい気管支炎を抱えながらどれだけがんばってくださったのだろうと思うと胸が痛みます。いつものように、これからも(ファンにとって)理想の俳優になって、よい作品、よい演技でお目にかかりたいというご挨拶の流れから、ファンも皆気になっている今後のご予定について話してくださいました。
それによると、Netflixオリジナルドラマ『도적(盗賊：剣の詩)』は9月20日(※日にちは聞き間違いかもしれません)公開予定、チョン・ウソンさんの監督デビュー作となる映画『보호자(保護者)』は今年の夏に公開予定だそうです。ナムギルさんの次期作は、確定ではないけれど하나 더(ハナ ト＝もうひとつ)と聞こえたので、たぶんNetflixでもうひとつ何かありそうです。さらにドラマ『熱血司祭2』も撮らなければならないとおっしゃっていましたが、これからイ・サンユンさんとのバイク旅のドキュメンタリーの撮影も始まるので、いつ撮れるのかなぁと思いました。またハ・ジョンウさんとの共演作『야행(夜行)』の公開は決まっていないようなお答えだったと思いますが、ここはよく聞き取れませんでした。年末恒例の宇宙最強ショーは今年も必ずやるとおっしゃっていたので、これはわたしたちも今から予定に入れておかなければなりませんね。
しばし会場とのやり取りを楽しんだあと、「長い時間ともに過ごしてくださってありがとうございます。でもちょっと疲れたみたい」とフッと息をつき、「これから会場を回りますが、危ないので席から立ち上がらないでくださいね」とやさしくおっしゃってから15曲目の규현(キュヒョン)さんの『깊은 밤을 날아서(深い夜を飛んで)』を歌いはじめられました。とてもポップでかわいらしい曲で、会場の皆さんも唱和する中ナムギルさんがステージから下りて来られます。韓国のファンはこういうときのマナーがとてもよくて、熱狂的な声援はしても制止をふりきって殺到したりすることがないので、見ていてとても安心です。ナムギルさんも日本のときとは違って落ち着いてファンと目を合わせ、ときには通路で立ち止まっておしゃべりもして、でもちゃんと歌いながら一階、つづいて二階席まで回ってくださいました。
それだけでも嬉しいのに、なんと端のほうのファンから「こっちに来てない」みたいなアピールがあり、一度ステージに戻ったにもかかわらず、ナムギルさんはそれを聞くと「わかった、わかった」みたいにうなづいて呼ばれたほうに走って行って･･･走ってですよ、走って気管支炎なのに･･･ファンにお顔を見せて手を振って、なんとそれを2階席の端に至るまで、4度も繰り返してくださったんです
最後はファンからも「ありがとう～
」という声援が止まないほどの献身的な大サービスに、会場内の誰もが今日この場に集えたことに感謝せずにはいられないような幸せな気持ちになりました。ナムギルさん、ほんとうにありがとうございました。そしてマナーのよい韓国人ファンの皆さんのおかげで、こんなにいい経験をさせてもらえたことにもとても感謝しています。(⑨につづく)
yantaro