(⑥からつづく) 東京の4着目の衣装はブルーと白のビッグシャツで、スクリーンで確認すると左の身頃がブルー、右の身頃が白、右袖がブルーの細いストライプに左袖にはブラウンの太めのストライプが入っているというとても凝ったもの。インナーは白Tシャツ、ボトムは(たぶん)ジーパンで、靴も白だったような気がします。さわやか系からドキッとするようなセクシーな衣装まで、ウリ・ナムギルさんは何を着てもサマになるのですが、もしかしたら“モデルの惑星”にも留学していたことがあるのかもしれませんね。きっとそうだ~。
さてMCオリさんを交えてのトークコーナーが終わり、ここからは再びナムギルさんの歌とおしゃべりの時間です。8曲目はIUさんの『밤편지(夜の手紙)』。ささやくようなナムギルさんの優しい声が胸に沁みて、歌詞をかみしめながら聴いていると、万万万が一夢の中でもあのお声で「또 그리워(ット クリウォ) 더 그리워(ト クリウォ)(また恋しい もっと恋しい)」なんて言われたら・・・と想像するだけで心拍数が上がります。つづいて9曲目はパク・ギヨンさんの『마지막 사랑(最後の愛)』。ナムギルさんが高校生のころ、読書室(図書室のことかな)で勉強もせず毎日のように聴いていた思い出の曲で、いつかファンの皆さんにも聴いてほしいと思っていたのだそうです。「日本のファンと初めて会ったときのことを思い出しながら歌いました。本心だよ」とおっしゃるのがとても嬉しかったです。
大阪の4着目は白にレモンイエローのストライプの入ったビッグシャツに白のデニムパンツ、インナーは白Tシャツ、靴は薄紫色のコンバースという東京にも負けない爽やかな出で立ち。ナムギルさんのビシッとしたスーツ姿はそれはもうピカイチなのですが、こんなビッグシャツもとてもよくお似合いだなぁと思いました。大阪ではここで突然通訳のお声が根本理恵さんから他の方に変わられて、姿が見えないぶん驚きも大きかったのですが、何か事情があったのでしょうか。その方に交代されてすぐ「(GilstoryENTの)若い社員に(セットリストについて)聞いたら、20~30代の人が知らない曲は歌わないで」と言われたという話を通訳されたときだけちょっと戸惑いが感じられましたが、すぐに慣れて、その後はとてもスムーズに通訳してくださいました。やはり通訳の方の果たされる役割は大きいですよね。
9曲目の『마지막 사랑(最後の愛)』の曲紹介のとき、高校生のころ読書室でよく聴いていたというところまでは同じなのですが、大阪ではさらにつづけて「恋とか愛が世界のすべてだった時代がぼくにもあって・・・」と話されて、そのとき一瞬垣間見えた(ような気がする)ナムギルさんの追憶の眼差しが、わたしはとても印象に残っています。ご本業はもちろんGilstoryNGOとGilstoryENTの代表になられてからは、ますますお仕事ひとすじまっしぐら。わき目もふらず走り続けていらっしゃいますが、ご本人もよくおっしゃるように「今は恋愛より仕事」なのだろうと思いつつ、ふと立ち止まったときに思い浮かぶ過去の恋愛の記憶が幸せなものならいいなぁと思うのです。
ここで今日のコンサート(ファンミというより、もはや正真正銘ナムギルさんのおしゃべり付きコンサートです)でナムギルさんの歌をいっそう輝かせてくださるバンドメンバーの紹介です。舞台向かって右からアコースティックギターのケンさん、バンドマスター兼キーボードのパクさん、ベースのリョウさん、ドラムスのリュウイチさん、ファーストギターのキョウヘイさんの5人で、それぞれワンフレーズずつ技を披露してくださるのですが、その間もナムギルさんは「チキショー」とか「カッコいい」とか「靴見せて」とかお一人ずつにかまいながら、それでも心からの感謝と拍手を送っておられました。やはり生バンドの臨場感は格別ですよね。
その後ナムギルさんより「皆さん、楽しかったですかぼくはとても楽しかったし、(皆さんから)たくさんヒーリングを受けました。3~4年ぶりに会ったけれど、まるで昨日会ったみたいに温かく迎えてくださって、ほんとうにありがとうございます。いつも言うことですが、(ファンの皆さんが)誇りに思えるような良い俳優になれるよう最善を尽くします」と心のこもったご挨拶がありました。わたしたちはいつも、ひととして尊敬できるナムギルさんのこういう真摯なお姿を見せてもらえることが何より幸せだし、ナムギルさんにとってわたしたちファンも誇れるような存在でありたいと改めて思うのでした。
東京ではここで「ときどき歌手のDNAが表に出るときがあるので、そのときはまた遊びにきますね」と言ってファンを喜ばせてくださいました。一方大阪では「時間がちょっとオーバーしてるけど監督がいいって言うから大丈夫ですよね」と言った後、「実は監督は歌がとてもうまいんですよ。少し歌ってもらえない」と客席後方で全体の指揮を執っておられた監督を舞台上に呼ばれました。お名前を聞きそびれたのですが、監督はアイドルや俳優の舞台演出、ゴールデンディスクの授賞式なども手がけておられ、韓国ではとても有名な方なのだそうです。そう言えばリハーサル観覧のとき「本番で歌ってもらおう」みたいな話は出ていましたが、まさか実現するとはたぶん監督ご自身も思っていなかったと思うのですが、ナムギルさんは一度口にしたことは決して忘れず有言実行される方なのが、ここでも証明されることになりました。そして監督が歌ってくださったのがパク・ギヨンさんの『마지막 사랑(最後の愛)』の一部。確かに歌手顔負けの歌唱力に会場からも大きな拍手が沸き起こりました。
ナムギルさんが「公式的に準備をしたのはここまでです」とおっしゃると東京・大阪ともに会場からは「いやだ~」と悲鳴のような声が上がるのですが、そこは「마무리해야죠(マムリヘヤジョ=まとめなければなりません)」なので、最後に全員で記念の集合写真を撮ることになりました。最初はスタッフから渡された自撮り棒の先に取りつけたスマートフォンで、会場に背中を向けたナムギルさんがご自分で撮ろうと四苦八苦なさるのですが、会場全体を入れるのは至難の業。四つん這いになって(ファンにとっては目の保養~)自撮り棒を自分から遠く離してみたり、ちょっとなまめかしい横座りをしてみたり、腕をプルプルさせながらあれこれ試すも、ナムギルさんのお顔の上半分が手前にど~んと入ってしまったり(いや、それで全然いいんですけど)してなかなかうまくいかず、最後はプロのカメラマンにお任せすることになりました。
楽しかったファンミーティングもいよいよ大詰め、10曲目はナムギルさんのファンミといえばこの曲という反町隆史さんの『Forever』です。いつものように会場も皆席を立ち、マスク越しながら一生懸命声を出してナムギルさんにあわせて全員で歌います。とても楽しくて元気が出る曲なのに、この曲を歌うのは必ずラストと決まっているので、いつも途中から舞台上のナムギルさんが涙で霞んでしまいます。嬉しくて楽しくてこんなに幸せなのに、涙があふれるのをどうしても止められないのは「これを歌ったらナムギルさんとお別れ・・・」という条件反射なのかもしれません。
そしていよいよ最後の11曲目となるアンコールは、これも定番のナムギルさんの持ち歌の『사랑하면 안되니(愛してはいけないの)』です。ナムギルさんは東京・大阪ともに事前にファンが心を込めて書いたメッセージ入りのTシャツに着替えて、歌いながら客席に下りて来てくださったのですが、案の定というか一部のファンが興奮のあまり自席を離れてナムギルさん目がけて殺到し、とくに大阪ではところ構わずナムギルさんのお体を触りに行く人続出でもみくちゃになられ、歌うどころではない状態となってしまいました。過去のファンミでも幾度か目にしてはいましたが、何度見てもあの光景はあまり気持ちのよいものではなく、やはり大人としての節度は弁えたいといつも思います。少しでもファンのそばにというナムギルさんの思いを無にしないためにも、皆で自制しましょう。お願いです。
大阪ではナムギルさん、息も絶え絶えになりながらやっと舞台に戻られて、それでもご自身の心配より先に「誰も怪我はしませんでしたか」とわたしたちを気遣ってくださって、歌えなかったからともう一度『愛してはいけないの』の2番を歌って聴かせてくださいました。
すべての公演が終わったのが東京は午後9時15分、大阪は午後9時40分でした。2日間ともに3時間を大幅に超えるパフォーマンスはすべて、ナムギルさんの「会場に足を運んでくれたファンのみんなを精一杯楽しませたい」という思いにあふれていて、相当お疲れのはずなのにそんな様子など微塵も見せず、最後まで明るく楽しく幸せな時間をわたしたちに与えてくださったことに、感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。ナムギルさん、日本に来てくださって、ほんとうにありがとうございました。そしてまだまだ続くグローバルツアーのご成功をこころよりお祈りしています。
韓国や日本の芸能ニュースを見れば、リアルタイムにもっと詳細なレポートが手に入る時代に、写真の一枚もなく、遅れ遅れのこんな文字ばかりの感想文にここまでおつきあいくださいました皆さま、ほんとうにありがとうございました。衷心より御礼を申し上げます。会場の薄暗がりの中、舞台の上のナムギルさんからは目を離さず、必死で書き取ったA5のメモ用紙32枚がこのレポートの基のすべてです。時系列で書いたつもりですが書き間違い、聞き間違い、勘違いなど多々あることと思います。伏してお詫びを申し上げますとともに、お気づきの点、どうぞご教示願えますと幸いです。よろしくお願いいたします。
yantaro