(②からつづく) 最初のお召し替え後の東京の衣装はオフホワイトのジャケットスーツで、上着はよく見ると上半分がジャケット素材、下半分がヒラヒラしたシャツ素材というおしゃれなもの。登場とともにイントロがはじまり、4曲目の『Roman』を歌われます。『Roman』は安全地帯の玉置浩二さんの曲をナムギルさんがカバーされたもので、日本ではシングルアルバムにもなっていて、もはやナムギルさんの持ち歌ともいえる曲ですが、直前に流れた2013年のときの『Roman』に比べ歌唱力、表現力ともに格段に上達されていて、何事にも手を抜かないナムギルさんご本人の努力はもちろんのこと、ヴォイストレーナーのヒョジュン先生のご指導のたまものであることも実感しました。

 

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 歌い終えると、ご自身でも少しは成長した姿をお見せできたかなと言い、「日本のファンはいつもこんな未熟なぼくを愛してくれました」と感謝のことばを口にされます。・・・が、しんみりしそうになるとそこはお茶目ナムギルさんが顔を出し、ひげのある方がいいかない方がいいか会場に拍手を求めた後、「ぼくの望む答えは“どっちも好き”だったのに、誰もそう言ってくれなかった。みんな変わった~。傷ついた~」と相変わらずのかわいい拗ね方で笑わせてくれます。

 

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 大阪の4曲目も同じ『Roman』で、そのときの衣装は似たような白いジャケットスーツなのですが、スクリーンで見ると細かな地紋入りのものでした。感無量の思いで聴き入っているわたしたちにナムギルさん、歌い終わって最初のひとことが「トイレ、行ってきたのはてなマーク」で、みんな思いっきり肩の力が抜けて大爆笑。先ほどの空席を指さしながら「まだ(トイレから)戻ってきてない~。あ、二人入ってきたビックリマーク」とまぁ舞台上から観客の動きをほんとによく見ていて、リアルタイムに茶々を入れてきます。続けて「さっきの映像は10年前のもので、韓国では“10年経てば山河も変わる”って言うんだけど、皆さんの気持ちも変わってしまったのかなぁ」と言いながらも、「“赤と黒”のとき日本に会いに来て、初めて日本語で歌った曲なので『Roman』は特別な意味のある曲です」とそこは真面目におっしゃいました。

 

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 「ところで10年前の映像なのに、何で今より老けて見えるのはてなマーク」とこれは誰もがそう思い、羨んでいることなので大きな拍手が起こると、「それはぼくが皆さんの愛をたくさん受けて育っているからです」と感動させてから、「でももう(あのころの情熱は)戻って来ない・・・」と落としてきます爆  笑。ナムギルさんコロナに罹ったそうで、「後遺症が気管支にくると聞いたけれど、ぼくの場合は小心者になってしまったので空席が気になるみたいです」という自己分析。近くにあるスツールに腰かけながら「立っていて座ると腰が痛い」とおっしゃるのに会場も激しく同意していると、「一緒に歳をとっていくのは嬉しいですよね」とイルボンペンたちを温かく気遣ってくださる場面もありました。

 

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 東京でも『Roman』の後、ちょっと足が痛いので椅子に座ってもいいですかと言い、高いスツールに腰かけてから5曲目の宇多田ヒカルさんの『First Love』が始まります。オープニングの『Lemon』にしてもこの『First Love』にしても、わたしたち日本人でも歌えないような難しい曲で、しかも歌詞がメロディーにハマりにくいことこの上ないのに、どちらもそんな苦労など露ほども見せず、サラっと歌ってしかも完璧!!。ナムギルさんどれだけ練習されたのだろう・・・と思わずにはいられませんでした。

 

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 この後ナムギルさんが自分の衣装を見ながら「スーツも靴も白でチャラい人みたい」と言っていたとき、客席最前列にいたスタッフさんが何か物を落としたのを目ざとく見つけて、その人が「ごめんなさい」と言うと、「“ごめん”はタメ口でしょ。謝るならちゃんと“すみません”と言わないと」と言い、さらに日本語1級というスタッフまで呼んで“すみません”が正解だと確認するという念の入れよう(笑)。この辺り、ナムギルさんのふだんからの目配り、気配りが感じられて、スタッフを叱っているようで実はちゃんとその働きぶりを見て労(ねぎら)っているという、ほんとうにひととしての基本を忘れない姿勢に惚れ直す思いでした照れ合格

 

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 大阪では『First Love』の後、「この曲皆さんもよく知っていますよね。『Roman』とも通じるのですが、ぼくたちが出会って10年になるので、皆さんと初めて会ったときのことを思い出しながら選びました」と話して感動を誘い、つづけて宇多田ヒカルさんは韓国でもとても有名なんだけど、でも8億回は再生されていないです、すべての基準は米津さんの8億回だから、とふたたび笑わせてくれました。

 

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 さて東京の6曲目は「もしかしたら皆さんも知っているかも」と言いながら歌い始められたソン・シギョンさんの『너의 모든 순간(君のすべての瞬間)』というバラードです。確かにサビの部分にはうっすら聞き覚えがありましたが、キム・スヒョンさん主演の韓国ドラマ「별에서 온 그대(星から来たあなた)」のOSTに入っている曲だそうです。こっそりとソン・シギョンさんより上手に歌うねと言っていましたが、耳に心地よく、情感のこもったナムギルさんの歌声は曲によく合い、すっかりご自分の中に取り込んで歌われているのがわかりました。

 

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 大阪の6曲目は確か2019年のファンミーティングでも歌ってくださったチョン・ジュニルさんの『안아줘(抱きしめて)』。透明感のあるナムギルさんの声にぴったりのこの曲は、ヴォイストレーナーのヒョジュン先生も「これは君のための歌だよ。ファンサービスとして歌おう」と強くすすめてくださったのだとか。「生きていれば、誰かに抱きしめてほしいと思うときが必ずありますよね」とおっしゃるのに皆うなづいていると、「ぼくも誰かに抱きしめてほしいと思うときがある」そうで、そんなときは、そう言ってくださればいつでもそっとこの胸に抱きしめてあげるのに・・・とこれはギルペンみんなの胸の内ドキドキですね。

 

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 そんな『안아줘(抱きしめて)』の余韻に浸る間もなくナムギルさんは、「チケットはSold Outじゃなかったのはてなマーク」と再び空席を気にしながら、「トイレに行った人が(席に)戻ったら拍手で迎えよう」とおどけてみせます。「今日のメインテーマは화장실(ファジャンシル=トイレ)と빈자리(ピンジャリ=空席)ビックリマーク」と言いつつも、「東京にも大阪にもこうして来てくれて、久しぶりというより昨日も会ったみたいに顔なじみなのが嬉しい」と、会場に足を運ぶファンを労ってくださいます。でもその後には必ず「(空席に)等身大の写真置いといて」とつけ加えるのも忘れないところがナムギルさんらしいです爆  笑

 

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 東京ではここでいきなり会場に向かって「(今)何時はてなマーク」と聞き、どなたかが「일곱시 칠분(イルゴシ チルブン=7時7分)」と韓国語で答えてくださったようで、時間が押しているからか「監督から殺される~。(ぼくが)大阪に行けなかったら復讐して」なんて言ってます。そしてここまではナムギルさんお一人で歌ったりおしゃべりしながら会場とコミュニケーションをとっていたのですが、「手伝ってくれる人を呼びますね」と言って登場されたのが、MCのオリさんという女性の方です。入れ替わりでナムギルさんは二度目のお召し替えに下がられるのですが、このとき東京は午後7時15分、大阪は午後7時25分でした。(④につづく)

 

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