本来の“五月(さつき)晴れ”はもう少し先の梅雨の晴れ間のことですが、それでも五月晴れと呼びたくなるような素晴らしい晴天晴れにじっとしていられなくなり、忍野八海(山梨県南都留郡忍野村)へ出かけました。

 

 忍野八海(おしのはっかい)といえば霊峰富士富士山。どこから眺めても美しいこの姿を仰ぎ見るだけでもありがたく、思わず首を垂れたくなるのはやはり、富士山はわたしたち日本人のこころのふるさとだからなのかもしれません。

 

 忍野八海を散策するのに車を停めさせていただいた民宿“鱒(ます)の家”さんの駐車場の奥に、富士山をバックにそれはそれは美しい日本庭園がありました。

 

 入園せず外から眺めただけですが、個人所有の庭園を一般公開しておられるようでした。ちなみに忍野八海周辺の駐車場はどこも普通車一台一日300円と、観光地なのにとても良心的なお値段です。鱒の家さんの駐車場はひろい上にトイレ完備、周辺マップももらえるし現地までも近くて便利でした。

 

 忍野八海とは、富士山の東北麓、位置的には富士五湖の河口湖と山中湖の中間辺りにある富士山の伏流水を水源とする8つの湧水池のことです。1934(昭和9)年に国の天然記念物に指定され、1985(昭和60)年に日本名水百選にも選ばれて、2013(平成25)年、富士山が世界文化遺産に登録されたときには、その構成遺産のひとつとして八海すべてが認定を受けたそうです。

 

 周辺マップを見るとすべて歩いて回れる範囲に集まっているので、わたしたちは駐車場に一番近い“お釜池(かまいけ)”から行くことにします。

 

 水辺の風景にふさわしいのどかな水車がお釜池の目印です。

 

 こちらが“お釜池”。こうして見ると“海”と呼ぶには小さいようにも感じるのですが、

 

 その水は信じられないほど澄んでいて、エメラルドグリーンに輝いているところは水深4mととても深く、のぞき込んでいると吸い込まれそうな気がしてきます。釜の中に湯が沸騰するように湧水するところから“お釜池”と呼ばれるそうですが、こんなにも美しいのに、わたしの腕ではどうがんばってもうまく写真が撮れないのが返す返すも残念ですあせる

 

 ふと見ると池の端に“二番”と書かれた石碑が建っています目。えっはてなマーク忍野八海は霊場だったのはてなマークと思ってパンフレットを見ると、中世期、湧水池のいくつかは富士修験者の水行(すいぎょう)の霊場にもなっていて、八つの池には法華経(ほけきょう)の教えに基づいて仏法(ぶっぽう)を守護する八大竜王が祀られているそうです。お釜池は二番霊場で、御祭神は“跋難陀(ばつなんだ)竜王”とおっしゃるそうです。

 

 豊かな水がさらさらと流れる新名庄川(しんなしょうがわ)沿いの遊歩道を歩きます。

 

 景色に馴染む木造の橋を渡って“銚子池(ちょうしいけ)”に向かいます。

 

 案内看板がなければわからないような木々と柵に囲まれたところにあります。

 

 “四番霊場 銚子池”。

 

 お銚子の形に似ていることからついた名前だそうですが、むかしむかし、祝言(しゅうげん)の席でおならをしてしまった花嫁が、恥ずかしさのあまりお銚子を持ったままここに身を投げたという伝説も残っているそうです。それが転じて今では縁結びの池とも呼ばれるのだとか。

 

 浅そうに見えても水深は約3m、小さな魚たちが泳ぐ澄んだ水の水面が揺れ動いているので目を凝らしてみると、左側の黒くもやもやとした部分から、

 

 底の砂を巻き上げながらふつふつと水が湧き上がってくる様子がよく見えました。

 

 八大竜王の石碑を探したのですがお釜池と同じものは見つからず、これで合っているのかどうか真偽のほどはわからないまま撮りました。銚子池の御祭神は“和脩吉(わしゅきつ)竜王”だそうです。

 

 銚子池の近くで新名庄川と合流する阿原川を遡って行くと、

 

 その川の一部が“六番霊場 濁池(にごりいけ)”です。名前は濁池でも濁りはなくとても澄んできれいな水なのですが、それにはこんな伝説があるそうです。

 

image

 むかしむかし、みすぼらしい身なりの行者がこの池の地主のもとを訪れて一杯の水を所望したところ、その家の老婆が乞食のようなその姿を見て不愛想に断ったとたん、もともと澄んでいた池の水が急に濁ってしまったそうです。そこから濁池と呼ばれるようになったものの、その水を器に汲むと不思議と透き通ったきれいな水に変わったそうな・・・。ひとを見た目で判断したり、分け隔てをしてはいけないという教えですね。

 

 六番霊場濁池の御祭神は“阿那婆達多(あなばだった)竜王”とおっしゃるそうで、真新しい石碑もありました。

 

 振り返ると目の前に、水車小屋に茅葺屋根の民家というのどかで情緒あふれる景色がひろがっています。観光客の多さも今まで歩いてきた3つの池とは大違いビックリマークとても賑わっています音譜

 

 つづいて濁池に隣接する五番霊場の“湧池(わくいけ)”。

 

 水深4m、今も忍野八海一の湧水量を誇り、その美しいブルーグリーンの水を湛える景色は忍野八海を代表する池ともいわれるそうです。

 

 湧池にも伝説がありました。そのむかし富士山が噴火したとき、ひとびとがあまりの熱さにもがき苦しみ泣き叫んでいたところ、天上より「わたしを信じなさい。そして永久にわたしを敬うならば水を与えよう」という声が聞こえ、ほどなく溶岩の間から水が湧き出したそうです。そのときの声の主が木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)で、湧き出した水が池になったと伝えられているそうです。

 

 湧池の御祭神は“徳叉迦(とくしゃか)竜王”で、向かって左の小さいほうが石碑と思われます。ここまで見てくると、石碑はふるいままのものと新しく建てられたものが混在しているようです。

 

 石づくりの富士山の下部から“湧き出る富士山の雪どけ水”が流れ落ちる仕組みのようなのですが、この日はロープが張られ、水は出ていませんでした。

 

 さて周辺マップによると湧池近くのこの辺りが忍野八海のちょうど真ん中で、一番広くて見晴らしもよく、土産物屋や食事処などもあって観光客でいっぱいなので、てっきりメインの場所かと思っていたらそうではなくて、ここは“中池(なかいけ)”という個人所有の池で、忍野八海の中には入っていないそうです。

 

 大きな池の真ん中にもうひとつ囲われた丸い池があり、多くのひとがのぞき込んでいるのが見えるのですが、この橋を渡って行くことはできず、池をぐるりと回り対岸の土産物屋さんのほうから出入りするしかないようです。

 

 さらに驚いたことに、この中池は掘削してつくられた人工の池なのだそうです。もちろん人工といっても水そのものは湧水であることに違いはないのですが、時を経て自然に形成された湧水池群とは区別するという意味で、忍野八海には数えられていないようです。この場所の景観を活かして所有者の方がおそらく観光用につくられたものなので、動線が土産物屋の方向へ自然と誘導されるようになっているのもうなづけます。

 

 土産物屋さんの店先には立派な神棚とともに流れ落ちる水場があり、自由にお飲みくださいと書かれています。皆さん列をなしてペットボトルに名水を汲んでおられましたが、お水をいただく前に神棚に手を合わせるひとが一人もいなかったのは少し寂しかったです。

 

 写真にすると浅く見えますが水深は約8mもあるそうで、エメラルドグリーンに輝く透明な水と、色とりどりのお魚が泳ぐ様子はほんとうにきれいですキラキラ

 

 中池のそばにもお水取りができるところがあり、観光客の皆さんが入れ代わり立ち代わり記念撮影をしておられました。

 

 涼し気な水のカーテン音譜

 

 中池周辺は旗を持ったバスガイドさんに連れられたツアー客でごった返しているのですが、もしかしたら日本人より外国人観光客のほうが多いかもはてなマークと思うくらい、周囲には英語、中国語、韓国語などが飛び交っています。そういう外国人ツアー客の方々にはここも、というかここが忍野八海だと思われているのではないかしらん、とちょっと心配になったりもしました。

 

 中池の喧騒を抜け出して、つぎの“七番霊場 鏡池(かがみいけ)”に向かいます。鏡池の御祭神は“摩耶斯(まなし)竜王”で、案内板と一緒に石碑も建っています。

 

 鏡池はその名のとおり水面に逆さ富士を映し出す池で、この日は天に祝福されたような晴天晴れのおかげで、まさに鏡に映る美しい逆さ富士を見ることができましたラブラブ。この池の水は善悪を見分ける霊力があるといわれ、そのむかし村に争いごとがあると、双方がこの鏡池の水で身を浄め、丸く収まるように祈願したという言い伝えが残っているそうです。

 

 鏡池からつぎの菖蒲池までの道沿いにあるお邸も風情があってとても素敵ラブラブ

 

 “八番霊場 菖蒲池(しょうぶいけ)”が見えてきました。

 

 あらら、立ち止まっただけで鯉たちが集まってきます照れ

 

 菖蒲池の御祭神は“優鉢羅(うはつら)竜王”で、青蓮華の生ずる池に住むといわれているそうです。

 

 端午の節句の菖蒲湯に使われる菖蒲が植えられているのが池の名の由来のようです。青々としてとても美しいクローバー

 

 ここの菖蒲を身体に巻くと病が治るという言い伝えがあり、そのいわれはこうです。むかしむかし、この池の近くに住む若夫婦の夫が肺病にかかり、妻の献身的な看病にもかかわらず病は重くなる一方、妻はこの池の水で水垢離(みずごり)をとり神仏に祈ったそうです。すると37日目に「池の菖蒲を取って夫の体に巻けば必ずよくなる」との神さまのお告げがあり、そのとおりにするとすっかり快癒したそうです。菖蒲は邪気を払うといわれますし、中国では薬草としても扱われているので、あながち迷信とばかりも言えないかと思います。

 

 菖蒲池の先には休憩スポットの“八海菖蒲池公園”があります。こちらは今はもう営業していない様子ですが、もとは茶店を営んでおられたようです。

 

 公園内の公衆トイレも映画のセットのような茅葺屋根音譜

 

 日蔭の少ない忍野八海エリアでは貴重な東屋(あずまや)もあります。歩き疲れた足を休めるのに最適です音譜

 

 もちろんここも富士山の絶景ポイントビックリマーク。中池周辺のような混雑もなく、この景色をふたりじめ~(笑)照れラブラブ

 

 菖蒲池からの戻り道もずっと富士山と一緒ですラブラブ

 

 ところでパンフレットによると、忍野八海は占星術により一番霊場である“出口池(でぐちいけ)”を北極星として、残り七つの池を北斗七星に見立ててあるのだそうです。散策の途中で見つけた上の案内図を見ると、実際の出口池はもう少し離れた位置にあるので、確かに北斗七星の配置に似ていると言えます。何も知らずに二番・お釜池から入ってしまいましたが、札所巡礼であればやはり、一番から順番に回ればよかったなぁ~と今更ながら思います。

 

 忍野八海のうち七つは無料で見れるのですが、“三番霊場 底抜池(そこなしいけ)”だけはこの「忍野八海 榛の木林(はんのきばやし)資料館」の敷地内にあり、見学するには入場料がいるそうです。もちろん行きたかったのですが、平日のせいかこの日は「本日休業」で、資料館も底抜池も見ることが叶いませんでした。

 

 柵の隙間から池が見えたのですがこれは人工の別の池で、“三番霊場 底抜池”は敷地内の最奥に位置しているそうです。底抜池の御祭神は“婆加羅(しゃがら)竜王”で、底抜池には、ここで洗い物をしていて誤ってものを落とすと渦に巻き込まれて消えてなくなり、どんなに探しても見つからないという伝説があるそうです。ところがしばらくするとその失くしたものがお釜池に浮かび上がってくるということが度々あったので、底抜池とお釜池は地底で水脈がつながっているのではないかと言われているそうです。不思議~目

 

 底抜池が見られなかったのは残念ですが、気を取り直して最初の駐車場まで戻り、少し離れたところにある“一番霊場 出口池”に向かいます。

 

 のどかな田園風景のなかを歩いてお釜池から出口池まで約10分、道路上に案内看板があるので、その通りに行けば迷うことはありません。

 

 一番霊場の“出口池”です。八海のなかでは一番規模が大きい池ですが、ぽつんとひとつ離れたところにあり、背後は山、周囲に土産物屋のひとつもないという立地のせいか、観光客どころか人っ子ひとり見当たらず、文字通り森閑(しんかん)としています。

 

 静寂だからこそ、ここが最も霊場らしい雰囲気を保っているように感じます。

 

 木々の間に鳥居が見えるので、池のほとりの散策路を歩いて行ってみます。

 

 そこで出会ったのは建て直されたばかりのような真新しい朱色の鳥居で、“出口稲荷大明神”の扁額がかかっています。

 

 ちょうど出口池を見守るような位置に建つ出口稲荷神社の社殿。御祭神は一番霊場と同じ“難陀(なんだ)竜王”でいいのでしょうかはてなマーク。それとも稲荷神社なのでお狐さまかしらはてなマークと思いましたが、出口稲荷大明神についての説明書きは何もなく、詳細がわかりませんでした。

 

 鳥居の下に“湧水入口”があるので下りてみます。

 

 明確な位置はわからないのですが、おそらくこの辺りの地下から湧き出しているのではないかと思います。きれいに整備されていない自然のままの姿なのがとても嬉しいです照れ

 

 富士山への登拝を前に行者たちはこの池の神聖な霊水で身を浄めたので、出口池には“精進池(しょうじんいけ)”という別名もあるそうです。また池の水を汲んで持って行くことで無事に登山ができるとも言われ、お守りとしての役割もあったようです。

 

 とても広い池なのですが水深は深いところでも50cmだそうで、池端に下りて座ると、魚たちが泳ぐ様子を同じ目線で見ることができます。何だかもう、すごく幸せ~照れラブラブ

 

 さて三番霊場の底抜池(そこなしいけ)は見られませんでしたが、ひと通り忍野八海を巡り終えたらちょうど時分どき、出口池から駐車場へ戻る途中で見つけたお店に入ります。

 

 こちらの“魚芳 旬鮮道場”さんは海なし県の山梨にもかかわらず、ランチは毎朝静岡港から直送される新鮮な魚介類をつかった海鮮丼のみというお店だそうで、暖簾をくぐると女将さんが「A、B、C、どれにしますはてなマーク」と聞いてくださいます。おすすめはもちろん盛りだくさんのAということなのでそれに決定ビックリマーク。つぎは酢飯の量を大、中、小から選びます。ご飯の量にかかわらず小鉢と味噌汁がついてAは1,500円、Bは1,200円、Cは1,000円。わたしたちが頼んだのは”Aの中”ですが、刺身がどれも美味しすぎて、これなら大でもイケたねぇ~と言いながらほおばりました。この安さでこれだけのボリューム、そして何より美味しくて、わたしたちが知らないだけで、もしかしたら隠れた名店なのかもしれません合格

 

 旬鮮道場さんを出たところで、道路に面したお宅の玄関先に富士山の形をした注連飾りのようなものを発見目。富士山のお膝元だからかしらはてなマークと思い一枚だけ写真を撮らせていただき帰宅後調べたところ、これは忍野村で毎年1月に行われる小正月を祝う“道祖神(どうそじん)祭り”に合わせて作られる“ヒイチ”という布飾りだそうです。祭りに奉納されたあとはこうして魔除けや災難除けとして各ご家庭の軒先などに掲げられ、翌年の小正月のどんど焼きでお焚き上げをするそうです。その土地ならではの風習っていいですね。

 

 最後に菖蒲池の近くに鎮座する“忍野八海浅間(せんげん)神社”を参拝します。玉垣を巡らせた御神域の入口には朱色の明神(みょうじん)鳥居が建っていて、その笠木(かさぎ)のうえには立派な瓦屋根が載っています。そして社号標が「淺間神ーーー社」と神の字の9画目がとっても長くなっているのにもびっくり目ビックリマーク何かいわれがあるのかなぁ。

 

 鳥居のすぐ左手には手水舎(てみずしゃ)。

 

 そして御神門をくぐります。

 

 金網越しで見づらいですが、御神門を守るのは四天王のうちの持国天(じこくてん・右)と増長天(ぞうちょうてん・左)で、それぞれ阿形吽形(あぎょううんぎょう)になっています。

 

 忍野八海浅間神社の御本殿。創建は807(大同2)年ととても古く、御祭神は木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)で、相殿(あいどの)神として瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)と大山津命(おおやまつみのみこと)が祀られているそうです。境内には近くの小学校の社会科見学か、整列した子どもたちが先生の説明に耳を傾けていました照れ

 

 参拝をすませ境内を巡ります。冠雪の富士山を借景とするのは“大神宮社(だいじんぐうしゃ)”で、遠く伊勢神宮(三重県伊勢市)の遥拝所として祀られているそうです。そのため御祭神は内宮(ないくう)の天照大御神(あまてらすおおみかみ)と外宮(げぐう)の豊受大神(とようけのおおかみ)です。

 

 中に入れそうに大きな木の洞。

 

 つづいて京都より勧請(かんじょう)された“八坂(やさか)神社”。御祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)です。

 

 こちらは“薬師堂”と掲げられていますが、案内板では“久須志社(くすししゃ)”となっています。薬師は“くすし”とも読みますので当て字かもしれません。御祭神は病気平癒にご利益のある少彦名命(すくなひこなのみこと)です。

 

 東国三社のひとつ、鹿島神宮の武甕槌神(たけみかづちのかみ)を祀る“天狗社(てんぐしゃ)”は、今でもスポーツや選挙運動などの必勝祈願に訪れるひとが多いそうです。

 

 忍野村忍草(しぼくさ)地区一帯の屋敷神を祀る“西五社(にしごしゃ)”。

 

 大分の宇佐神宮より勧請された“忍草(しぼくさ)八幡社”の御祭神は譽田別命(ほんだわけのみこと)です。

 

 石造りの真新しい社は“熊野三社”で、和歌山県の熊野大神の遥拝所として祀られているそうです。そのお隣は小さいですが京都北野天満宮より勧請された“天神社(てんじんしゃ)”で、学問の神さまである菅原道真公を祀るので、受験や就職の願掛けに訪れるひとが多いそうです。

 

 こちらは長野県の諏訪大社より勧請された“諏訪(すわ)神社”で、御祭神は諏訪大明神とも呼ばれる建御名方命(たけみなかたのみこと)です。

 

 宝物殿には過去に使われていたと思われる古い神輿(みこし)が展示されています。向かって右側のは富士山の形をしていて、四方に鳥居も建っている珍しい神輿です。

 

 神輿殿。

 

 指折り数えるとここには十社もの境内社があって驚きましたが、最後は大阪の坐摩(いかすり)神社より勧請された“坐摩社(いかすりしゃ)”です。振り仮名がなければ読めない名前ですが、調べてみると通称“ざまさん”と呼ばれることが多く、御神徳には住居守護、旅行安全などがあるそうです。

 

 流れ造りの美しい御本殿。

 

 帰り道にも富士山が・・・富士山ラブラブ

 

 御本殿向かって右手の社務所で御朱印をいただきました。

 

 忍野八海浅間神社の御朱印は特に所望をしなければ三連で、右から先ほど参拝してきた「第壱霊場 出口池稲荷大明神」、境内社の「諏訪神社」、「忍野八海浅間神社」の順に書いてくださいます。少し墨の色が薄く見えるのは忍野八海の湧水を使っているからなのですよ、と宮司さんが書きながら教えてくださいました。

 

クローバー チューリップオレンジ クローバー チューリップピンク クローバー チューリップ紫 クローバー チューリップ赤 クローバー チューリップ黄 クローバー

 

 観光スポット忍野八海のすぐ近くにあるので参拝客も多いはずですが、こちらの浅間神社は必要以上に観光地化せず、御神域の内はとても清潔に整えられ、清浄な雰囲気を保ちつつもひとびとに寄り添う親しみやすさを失わない、とても清々しい神社でした。菖蒲池からは徒歩1分ほどの距離なので、ぜひ忍野八海へいらした折は浅間神社へも足を伸ばしてみてくださいね。

 

音譜音譜音譜 yantaro 音譜音譜音譜