愛媛といえば道後温泉(愛媛県松山市)温泉。日本書紀や万葉集にも登場する歴史ある道後温泉は、兵庫の有馬温泉、和歌山の白浜温泉と並ぶ日本三古湯(さんことう)のひとつでもあり、わたしたちの四国デビュー旅でも必ず行きたいビックリマークと思っていたところなので、二日目の宿を道後温泉にしました。

 

 道後のシンボルともいえる“道後温泉本館”は現在保存修理工事の真っ最中で、外観のほとんどはご覧のとおりカラフルな巨大テントに覆われていますが、工事期間中も営業していて、利用できる施設は限られますが入浴はできるそうです。人だかりができているところが工事期間中の出入口となる本館東正面です。

 

 保存修理工事前の道後温泉本館。写真はWikipediaの「道後温泉」の項よりお借りしました。松山市の本館保存修理工事特設ページを見ると、現在進行中の工事は2019(平成31)年1月15日よりスタートし、6年の歳月をかけて2024(令和6)年12月に完成予定だそうです。「営業しながら重要文化財の公衆浴場の保存修理工事をするのは全国初」であり、「保存修理工事ですから今の建物の姿を継承します」と明記されているのが頼もしい限りです合格

 

 工事中とがっかりするよりも、今しか見られないこの景色を楽しむほうが幸せラブラブですよね。晴れて完成した暁には、その姿を見にまた訪れる楽しみもありますし照れ

 

 東正面入口前には常時係員が数名いらっしゃり、いろいろと対応してくださいます。伺うと入浴は時間予約制で、30分単位で入場時間を選択した整理券をここで受取り、改めて指定の時間に来るシステムだそうです。電話やWebでの事前予約は不可とのことでした。(2023年2月現在の情報です)

 

 その東正面入口の隣に、豪華な破風が重なり合う珍しい屋根の建物があるので近寄ってみると、『又新殿(ゆうしんでん) (御成門) 全国に唯一の皇室専用浴場』という札が立っています。係員さんに伺うと30分おきの事前予約制で内部の観覧ができるそうで、今ならすぐ入れますよとのこと。早速申し込みますおねがい

 

 外から見た御成門(おなりもん)は皇室専用の門で、皇族のご訪問時にしか開かないものなので、わたしたち見学者は別の入口から入ります。ここは御成門を入った正面の“御成玄関”。道後温泉に皇室専用の浴場があるということもはじめて知りましたし、それを見学させていただける僥倖(ぎょうこう)にもこころから感謝です。

 

 又新殿(ゆうしんでん)の見学は、ガイドさんの案内を聞きながら回るガイドツアーで一回約15分、料金は大人270円です。このような貴重な文化財には珍しく内部の写真撮影が可能なので、ありがたく撮らせていただきます。御成玄関の障子を開けるとそこは絨毯の敷かれた“前室”です。

 

 申し遅れましたが、又新殿は1899(明治32)年、道後湯之町の初代町長伊佐庭如矢(いさにわゆきや)氏と棟梁(とうりょう)坂本又八郎氏の手により、木造三階建ての又新殿・霊の湯(たまのゆ)棟として建設された全国でも唯一の皇室専用の御湯殿だそうです。天皇陛下をはじめ皇族方専用というだけあって、玄関の障子が開いたとたんに思わず声が出るほど、内部は豪華絢爛な装飾で彩られています。前室につづくこの部屋は“御居間”で、入浴前にお寛ぎになるところなので、陶磁器の手焙(あぶ)りや足つきの菓子器などが置かれています。

 

 御居間の天井は格式の高い格天井(ごうてんじょう)、源氏襖(げんじぶすま)に描かれている鳥は鵤(いかるが)と鴲(しめどり)で、金箔地の障壁画(しょうへきが)としてぐるりと室内全体を巡り、鳥たちが地上から空高く飛び上がる様子を表わしているそうです。

 

 前室と御居間を仕切る襖絵は、道後温泉を見つけたと言われている伝説の白鷺(しらさぎ)です。金の引手の細工も見事。

 

 釘隠しと欄間の真ん中につけられた飾りの文様が何か気になったのですが、15分という時間制限は意外に短く、説明の合間に尋ねることができませんでしたあせる

 

 御居間の畳の縁(へり)は一般的な和室のそれよりもかなり幅の広い白黒の高麗縁(こうらいべり)で、皇族が実際にお座りになるのは、畳の上に置いたもう一枚の繧繝縁(うんげんべり)の厚畳の上です。畳の上にさらに厚畳はやはり格式を重んじるからですね。カラフルな繧繝縁の厚畳は雛人形の親王雛が座る畳として馴染み深いですが、畳の縁のなかでは最も格式が高く、かつては神仏や天皇、皇后、上皇のみがお使いになれるものとされていましたが、今では皇族の方々皆さまに用いられていることがわかります。

 

 御居間の御簾(みす)と襖(ふすま)の奥はさらに一段高くなった“玉座(ぎょくざ)の間”で、その名のとおり天皇のみがお使いになる部屋です。天井も御居間よりもう一段高い折上格天井(おりあげごうてんじょう)、畳の縁はもちろん繧繝縁(うんげんべり)で、障壁画は金箔地に鳳凰、菊、桐が描かれるというこれ以上ないほどに豪華な装飾が施され、御椅子の背後には三種の神器も飾られているそうです。

 

 ガイドさんに連れられて階段を下りてはじめて、入ってきた御成玄関は二階だったことに気づきました。一階へ下りてすぐ右手のこの部屋は“洞(ほら)の間”といい、入浴前後のお仕度やご休憩をされるところだそうです。

 

 壁は漆喰、襖には銀箔が貼られ、二階の御居間と玉座の間に比べると、落ち着いた印象です。

 

 同じ一階には“御厠(おかわや)”もあります。皇族専用の和式トイレですが、なんと便器は漆塗(うるしぬ)り、床は高麗縁(こうらいべり)の畳敷という雅なものですが、残念なことに建築以来、今まで一度も使用されたことはないそうです。

 

 お手を洗われるところ。

 

 そしてここが実際に湯浴みをされる“御湯殿(おゆどの)”です。浴槽の材料は庵治石(あじいし)という香川県高松市東部の庵治町、牟礼町のみで産出される、御影石のなかでも最高級の石材だそうで、湯釜の正面には道後温泉に縁(ゆかり)の深い大国主命(おおくにぬしのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)の像が彫られています。

 

 たとえば檜のお風呂のようなわたしが想像していた浴槽とは全く違い、思った以上に深いことにも驚いて、どのようにしてご入浴なさるのかガイドさんに尋ねると、浴槽の色が変わっているところまでお湯を入れ、石段の下から二段目に腰をかけて半身浴をなさるのだそうです。失礼ですが、裸ではお入りになりませんよねはてなマークと聞くと、もちろん湯帳(ゆちょう=高貴な方が入浴時に身に着ける湯帷子)をお召しになっていますとのことでした。洗身するのではなく、静かにお湯温泉に浸かられるのですね。

 

 15分の見学時間はあっという間でしたが、天下の名湯道後温泉に皇室専用の湯殿があったことを知り、見学できてとても有り難かったです。実際に皇族方が入浴に来られる機会は多くはないようですが、文化財としての価値はとても高く、又新殿(ゆうしんでん)は道後の誇れる文化遺産のひとつではないかと思いました。

 

 さて又新殿を出て、道後の街を散策します。道後温泉本館前には“湯神社(ゆじんじゃ)”と書かれた社号標と鳥居が立ち、手前には手水舎もあります。これを見たなら・・・行かずばなりますまい笑い泣き

 

 石段を上った先にそれらしき本殿、幣殿、拝殿が見えています。ワクワクラブラブ

 

 湯神社の拝殿の正面です。縁起を読むと、湯神社は第12代景行(けいこう)天皇の勅命により建てられた神社で、過去に幾度か地震で道後温泉の湧出が止まったとき、ここで湯祈祷を行ったところふたたび湧出するようになったと伝えられ、そこから“道後温泉の守護神”とも呼ばれているそうです。

 

 湯神社の御祭神は大己貴命(おおなむちのみこと=大国主命の別名)と少彦名命(すくなひこなのみこと)で、日本神話によると、重い病に罹った少彦名命を大国主命が手のひらに乗せて道後の湯に浸したところ、その病気がたちまち完治したので、少彦名命が喜びのあまり石の上で踊ったそうです。その石は“玉の石”と呼ばれ道後温泉本館に祀られているそうですが、今回は保存修理工事中のため見ることは叶いませんでした。まさに湯治(とうじ)の原点ですね。

 

 湯神社の拝殿前には境内社の中嶋神社があります。周囲に巡らされた玉垣に「菓子工業組合」と記されているように、四国四県の菓子業者が、古事記や日本書紀にも登場する菓子の神さま、田道間守命(たじまもりのみこと)を奉斎し創建したものだそうです。お菓子とは縁の切れないわたしも真剣にビックリマークお詣りしました。

 

 湯神社は小高い丘の上にあるのですが、その近くには見晴らしのいい“空の散歩道”というスポットがあります。

 

 空の散歩道の一画には道後温泉掛け流しの源泉が注がれる足湯があり、たくさんの観光客の方々が途切れることなく利用しておられました。カメラを向けることはできなかったので、写真はガイドブック「るるぶ愛媛」よりお借りしました。

 

 空の散歩道からは道後温泉本館全体がとてもよく見えます。

 

 来た道とは反対側に下りて、湯神社の注連柱(しめばしら)をくぐります。

 

 と、その通りは次に向かう“伊佐爾波(いさにわ)神社”の参道になっているようで、目の前に大きな明神鳥居が建っています。

 

 遠目にもこの急勾配の石段には躊躇しそうになるのですが、ここまで来て上らないわけにはいきませんビックリマーク。参道ですから。

 

 石段があるとなぜか数えてしまうのが癖の夫は黙々と上っていますが、わたしは案の定少し上ってはひと休み、また少し上ってはひと休みの繰り返し~あせる。でも今まで数多くの寺社仏閣の石段を上り下りしてきた中では、蹴上(けあげ)の高さも踏面(ふみづら)の幅も、とても上りやすいほうではありました。

 

 狛犬さんのところでも足を止めて息を整えます、ふぅ~。

 

 手水舎があり、

 

 135段を上り終えると、両脇に回廊を備えたそれはそれは美しい朱塗りの楼門が、ご褒美のように迎えてくれます。

 

 楼門をくぐるとその先が拝殿。

 

 案内板によると伊佐爾波神社の主祭神は譽田別尊(ほんだわけのみこと=応神天皇)、足仲彦尊(たらなかつひこのみこと=仲哀天皇)、気長足姫尊(おきながたしひめのみこと=神功皇后)、そして三柱姫大神(みはしらのひめおおかみ)で、心願成就、縁結び、学業成就の御利益があるそうです。

 

 伊佐爾波神社の社殿は京都の石清水(いわしみず)八幡宮、大分の宇佐(うさ)神宮と並ぶ全国で三例しかない整った“八幡造り”で、そこから“日本三大八幡造”と呼ばれるそうです。檜皮葺(ひわだぶき)の屋根、美しい朱塗りに精巧な細工の施された社殿は、国の重要文化財に指定されるにふさわしい品格を備えています。

 

 細切れの写真では全体像がわかりにくいので、伊佐爾波神社のホームページより写真をお借りしました。楼門からのびる回廊が本殿の四方を囲む形です。

 

 回廊を左回りに歩きます。途中パネル展示があり、伊佐爾波神社に伝わる“算額(さんがく)”の写真がたくさん並んでいました。算額とは和算の問題と解答、それを導き出すための計算方式などを記録した額のことだそうです。数学者が奉納されたものでしょうか。

 

 Wikipediaによると“八幡造り”とは前殿(ぜんでん=外陣)、後殿(こうでん=内陣)と呼ばれるふたつの建物を前後に連結させる神社建築様式のひとつだそうで、この角度から見ると本殿の八幡造りがよくわかります。横から見て屋根がこのようにM字に二つ続いているのも八幡造りの特徴なのだそうです。

 

 反対側から・・・。本殿を囲む透塀(すきべい)も美しいキラキラ

 

 回廊を一周して拝殿に戻ると、ちょうど赤ちゃんのお宮参りの御祈祷に出会いましたラブラブ

 

 伊佐爾波神社の御朱印。「延喜式内社」の朱印がひときわ鮮やかですキラキラ。延喜式内社とは、927(延長5)年にまとめられた『延喜式』の巻九と巻十(延喜式神名帳)に記載されている神社のことで、当時国より幣帛(へいはく)を賜る“官社”に指定されていた神社です。

 

 苦労して上ったぶん、見下ろす景色もまた格別です音譜

 

 伊佐爾波神社の参道をまっすぐ下ると徒歩5分ほどで道後温泉駅に至り、その駅前広場の一角に野球のユニフォーム姿でバットを持つ正岡子規(まさおかしき)の銅像があります。愛媛県松山市出身の子規は言わずと知れた明治を代表する俳人・文学者で、当時不治の病といわれた肺結核のため34歳の若さで亡くなりますが、日本の近代文学に大きな影響を与えた人物のひとりです。無類の野球好きだったことはとても有名なので、選手時代の出で立ちで建てられた銅像のようです。

 

 子規像の横の広場は“放生園(ほうじょうえん)”といい、ここには毎正時に夏目漱石の小説『坊ちゃん』の登場人物たちが現れる“坊ちゃんカラクリ時計”や、道後温泉本館の湯釜からひいた掛け流しの足湯があって、観光客や地元のひとたちでとても賑わっています。

 

 伊予鉄道の道後温泉駅。しゃれた洋館ふうの外観が写真映えしますね~。

 

 駅前広場には道後温泉駅と松山市駅間を走る路面電車“坊ちゃん列車”の実物も展示されています。伊予鉄道のホームページによると、2023年3月12日まで運休で、3月18日より運行再開の予定だそうです。土日祝日のみの運行で本数も少なく、予約ができないそうなので、乗りたい方はよくお調べになってからがよさそうです。

 

 道後温泉駅のすぐ前から道後温泉本館前までつづくL字型のアーケードは“道後ハイカラ通り”といい、土産物屋や食事処、カフェやスイーツのお店などがずらりと軒を連ねています。あちこち見て回りながら、愛媛の銘菓“一六タルト”や“母恵夢(ポエム)”、みかん餅にみかんあめなど、いろいろ求めました。

 

 これだけは今すぐ食べたいビックリマークと思ったのが白鷺堂さんの“坊ちゃん団子”。出来立てを店頭の椅子に座っていただきます。坊ちゃん団子は求肥(ぎゅうひ)を餡で包んだものだそうですが、食べてみると求肥はどこにはてなマークというくらいほぼ餡でとてもやわらかく、上品な甘さでほんとうに美味しかったですラブラブ

 

 道後ハイカラ通りがL字型に曲がるあたりに、目の覚めるようなカラフルな装飾の建物があらわれて行ってみると、ここは道後温泉本館の保存修理工事を機にオープンした道後温泉別館“飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)”という日帰り温泉施設なのだそうです。

 

 この華やかな装飾は、写真家の蜷川実花(にながわみか)氏による「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉 中庭インスタレーション」という作品だそうです。館内には大浴場のほか、先ほど見てきた皇室専用浴場の又新殿(ゆうしんでん)を再現した特別浴室や、本館にはない露天風呂などもあるそうです。

 

 またまた匂いに誘われて、飛鳥乃湯泉前の谷本蒲鉾店の“じゃこカツ”を買い食い。注文を受けてから一枚一枚揚げてくださるじゃこカツ、絶品でしたビックリマーク

 

 次は道後温泉本館前から少し坂を上ったところにある“圓満寺(えんまんじ)”へ行きます。寺号標から境内に入ると、正面には本堂ではなく白い地蔵堂があります。

 

 そしてこちらが地蔵堂に鎮座する身の丈3mを超す巨大な“湯の大地蔵尊”です。ガイドブックで見てはいましたが、実際に目にすると真っ白なお顔にくっきりと赤い唇、緋色の法衣を纏うお姿はかなりインパクトがあります目。奈良時代の僧行基(ぎょうき)の作と伝えられ、江戸時代後期の大地震で温泉の湧出が止まってしまったとき、この地蔵に祈願したところふたたび湯が湧いたところから、以来“湯の大地蔵”と呼ばれるようになったそうです。

 

 湯の大地蔵尊は縁結びの御利益があるそうで、若い女性のグループやカップルが“お結び玉”というカラフルで小さなお手玉みたいな玉を持ち、熱心に祈っておられました。でも、地蔵堂の奥にひっそりと建つこちらが圓満寺の本堂で、ご本尊の阿弥陀如来はここに祀られているんですよね。皆さん地蔵堂にだけお参りして帰られましたが~あせる

 

 道後温泉本館の東側広場に、ちょっとおもしろいフォトスポットがありました爆  笑。それがこちらの“振鷺亭(しんろてい)”の中の“つもりの愉(ゆ)”。今は工事中で入れない本館“神の湯”を模したパネル装置があり、

 

 そこに置かれたムキムキマッチョやグラマーな女性バージョンのイラストパネルをじぶんの顔の下にもっていくと、

 

 こんな感じのおもしろい写真が撮れますビックリマーク。たまたま一緒になった若いお嬢さん二人組と交互に写真を撮りあったりして、とても楽しかったですよスター

 

 今夜お世話になるお宿は、道後温泉本館東正面入口のすぐ隣の“道後温泉大和屋本店”さんです。

 

 ホテルの入口には礼儀正しいドアマンの方が二人おられ、荷物をおろして車を下りるとお一方が車を預かり、もうお一方がフロントまで案内してくださいます。翌朝もチェックアウトをすませて外へ出ると車寄せに車を回してくださるので、結局駐車場はどこにあるのか知らないままでした。

 

 エントランスには雛飾り。

 

 ロビーやラウンジも広々しています。

 

 

 老舗の温泉旅館らしい床の間つきの落ち着いた和室。

 

 どこのメーカーかわからないのですが、このコーヒーメーカーで淹れるコーヒーがとっても美味しかったですコーヒー

 

 10階建ての最上階だったので、温泉街が見下ろせました。

 

 なんとこちらのホテルは館内に能舞台があり、宿泊者は自由に見学したり写真を撮ったりすることができるそうです。早速行ってみると場所は4階の野外で、能舞台への出入口には能面や扇子、和傘などの小道具が用意されています。それらを持って、備え付けの足袋を穿き、実際に能舞台へ上がれるそうですビックリマーク

 

 外へ出てびっくり目!! まさかこんなに本格的な総檜造りの能舞台がホテルの中にあるなんて、想像もしていませんでしたから。

 

 わたしたち以外誰もいないので安心して備え付けの足袋を穿き、手前の階(きざはし)から本舞台へそぉ~っと上がらせていただきます。

 

 橋懸(はしがか)りから腰をおとしてささささっと本舞台へ登場してみたり、能面をつけてポーズをとってみたり、生まれてはじめての経験にワクワク、ドキドキラブラブ。能舞台を外から見ることはあっても、実際に上がることなんて絶対にありませんから。

 

 本舞台から正面の観客席を見ると、能舞台は思った以上に奥行きが深いことがわかります。舞台と観客席の高さを合わせてあるのも本格仕様と思っていたら、こちらの千寿殿(せんじゅでん)では今でも定期的に能楽公演が行われているのだそうです。

 

 いや、恐れ入りました。道後温泉大和屋本店にお泊りになるときはぜひとも、この能舞台“千寿殿”へ行ってみてくださいね。

 

 そして夜になるとライトアップされていましたビックリマークそれがわかったのは先ほど本舞台の上から見て正面観客席と思っていたところが夕食会場で、窓側の席に着席すると、ブラインドが上がっていて真正面のガラス越しにまさにこの能舞台が見えたからです。

 

 揺らめく篝火(かがりび)のもとで薪能(たきぎのう)を鑑賞できたら、最高でしょうね。

 

 温泉はとろりと優しい滑らかな湯で、熱すぎずぬるすぎず、手足をのばしてゆったりと浸かっていると、全身の疲れが解きほぐれていくような気がします。タオルとバスタオルが脱衣所に備え付けになっていて、部屋から持って行かなくていいのも嬉しい配慮ですラブラブ。湯上り休憩処には“大和屋台”の提灯の下がる日本酒BARと駄菓子BARの屋台が出ていて、どちらも無料で楽しめます。

 

 小っちゃい駄菓子が選り取り見取りビックリマーク。子どもでなくてもワクワクします合格

 

 日本酒BARには日本酒二種とノンアルコールの梅酒がありました。

 

 館内のあちこちに片岡鶴太郎氏の味のある絵が飾られています。

 

 

 ゆとりを感じられる飾りつけ。

 

 わたしたちはホテルのお風呂だけを利用しましたが、道後温泉本館や飛鳥乃湯泉、椿の湯など外湯の湯めぐりをされる方用に、ロビーには湯かごも備えつけてありました。

 

 クローバー チューリップオレンジ クローバー チューリップピンク クローバー チューリップ紫 クローバー チューリップ赤 クローバー チューリップ黄 クローバー

 

 つぎに道後を訪れるのはきっとお遍路さんに来るときだろうと思います。そのときまで細々と生きながらえて、夫とふたりまた大和屋さんにお世話になれたらいいなぁと思います。

 

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